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定款とは|記載すべき3つの事項と認証を受ける流れを解説します
定款を作成したいけれど、どのように作成すればよいのか分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、定款に記載すべき3つの事項と認証を受ける流れを解説します。
目次
定款(ていかん)とは、会社を運営していく上で必要となる基本的な規則のこと
定款とは、会社設立時に作成が義務付けられている会社の基本的な規則のことで、設立登記とあわせて法務局に提出する必要があります。定款は、会社設立の際に発起人全員の同意により作成され、公証人の認証を受けて初めて効力が発揮されます。作成後は、書面またはフロッピーディスクなどの電磁的記録に記録されます。
定款は、縦向きのA4用紙に横書き、文字色は黒のみで鉛筆は不可、さらに末尾に発起人全員の氏名を書いたうえで捺印しなければなりません。また、「保存用」「公証役場提出用」「法務局提出用」の3部作成するように決められています。
定款を変更する場合には、原則として株主総会での特別決議が必要となるなど、変更手続きが厳格に規定されています。
電子定款を作成する場合、代行会社に依頼するのが一般的
定款は、PDFファイルによる「電子定款」という形式で作成でき、その場合4万円の印紙税が節約できます。しかし、作成には有料のソフトやICカードリーダーなどの専用機器が必要なため、電子定款を作成する際は代行業者に依頼するのが一般的です。
定款における3種類の記載事項
絶対的記載事項
絶対的記載事項とは、定款に必ず記載しなければならない事項のことです。絶対的記載事項の記載がないと、定款全体が無効になり設立登記申請は受理されないので注意しましょう。絶対的記載事項の代表的な項目には、以下のものが挙げられます。
- 商号
会社の名称を記載する - 目的・内容
事業の目的・内容を記載する - 本店(本社)の所在地
会社を登記する際の住所を記載する - 資本金額(出資財産額)
会社設立に際して、各々が出資する資本金の総額を記載する - 発起人の氏名または名称および住所
発起人に関する氏名や住所を記載する - 発行可能な株式総数
会社が発行できる株式の総数を記載する
相対的記載事項
相対的記載事項は、記載がなくても定款の効力自体には影響のない事項です。しかし、定款に記載がなければその事項の効力が認められないので、会社の方針などを考慮し記載しましょう。相対的記載事項の代表的な項目には、以下のものが挙げられます。
- 株主総会招集期間の短縮
株主総会招集通知を出す期間の短縮に関する規定を記載する - 取締役会などの機関設計
取締役会や監査役会、会計参与や会計監査人などの設置に関する規定を記載する - 役員の任期伸長・短縮
取締役や監査役の任期の伸長・短縮についての規定を記載する - 株式譲渡制限に関する規定
株式の譲渡制限に関する規定を記載する
任意的記載事項
任意的記載事項とは、任意で決めた項目を記載する事項です。会社で決定した事項を明確にすることができるので、発起人が決定した任意的記載事項がある場合は、定款に記載しておきましょう。任意的記載事項の代表的な項目には、以下のものが挙げられます。
- 定時株主総会の招集時期
- 株主総会の議長
- 取締役や監査役など役員の人数
- 会社の事業年度の期間
- 株券の不発行に関する規定
「株式会社」「一般財団法人」「一般社団法人」は定款の認証が必要
「株式会社」「一般社団法人」「一般財団法人」を設立する場合には、定款の認証が必要です。定款の認証とは、「正当な手続きにより定款が作成された」ことを、公証役場(公証人)に証明してもらうことを言います。「合同会社」「合名会社」「合資会社」といった持分会社については、定款の認証は必要ありません。
また、定款の認証には1件につき約5万円の費用がかかり、定款の変更の際も手数料などの費用がかかるので、不備のないように作成しましょう。定款の認証は、以下のような流れで行われます。
認証を得るための流れ
- 定款の認証を受ける公証役場を決定する
会社の所在地と同じ都道府県の公証役場を選ぶ
本店の住所を管轄している法務局に所属する公証人に認証してもらう必要がある - 事前に内容のチェックをしてもらう
FAXなどで定款を送り、事前に内容の確認をしてもらう
印鑑証明書など、認証に必要な書類もあわせて確認してもらう
必要に応じて定款を修正する - 公証役場に発起人全員で行き、認証を受ける
原則として発起人全員で公証役場へ行き、認証を受ける
全員で行けない場合は、委任状を作成し第三者を代理人とすることもできる
【定款の認証に必要な物】
- 押印済みの定款「保存用」「公証役場提出用」「法務局提出用」の3通
- 発起人全員の印鑑証明書
- 発起人全員の実印
- 実質的支配者となるべき者の申告書
- 収入印紙:4万円分
- 公証人の手数料と謄本の交付手数料:約5万2千円
- 委任状・代理人の印鑑と身分証(必要であれば)
いかがでしたか?
今回は、定款における3種類の記載事項と認証を得るための流れを解説しました。定款には必ず記載しなければならない項目があり、それがなければ公証人から認証が受けられません。
この記事を参考に、会社を設立するために必要となる定款を正しく作成してみてください。
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