法人登記簿謄本とは｜取得方法と必要な場面を紹介します

法人登記簿謄本という言葉を聞いたことがあるけれど取得が必要な場面がよくわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか？

今回は、法人登記簿謄本が必要な場面と、取得方法について解説します。

法人登記簿謄本（登記事項証明書）とは、企業の公的な法人情報を証明するための書類

法人登記簿謄本とは、法人の本店などの所在地や代表者の氏名のほか、法人設立の目的や資本金、発行可能な株式数などの公的な情報を証明するための書類のことです。登記簿謄本には法人登記簿謄本以外に、不動産登記簿謄本や商業登記簿謄本などがあり種類に応じて記載内容が異なります。

また、類似する言葉に登記事項証明書というものがあります。登記簿謄本と登記事項証明書は名称が異なりますが、どちらも証明する内容は同じです。

企業同士で取引を行う場合に法人登記簿謄本を確認することで、取引相手の正しい会社情報を調べることができ、不正取引や詐欺を防止できます。

法人登記簿謄本の取得が必要な場面とは

登記の内容を変更する際

会社名や役員、発行可能な株式数および事業目的などの登記情報を変更する際には、法人登記簿謄本の取得が必要です。役員の交代はよくあるケースなので覚えておきましょう。

また、登記内容の変更手続きを進めている間は、これまでの登記簿謄本を取得できません。過去の登記内容と変更予定の情報を比較し検討することが困難になるので、登記の変更を行う際は事前に法人登記簿謄本を取得しておきましょう。

決算申告を行う際

決算申告で添付が義務付けられているわけではありませんが、決算申告を担当している税理士に求められた場合は、法人登記簿謄本を提出する必要があります。

例えば、資本金や発行可能株式数が正しいのか、申告書の内容に整合性はとれているのかなど、申告書に不備がないかを確認する場合に法人登記簿謄本の取得を依頼されることがあります。

融資や補助金を受ける際

事業を拡大する場合など、融資を受ける際の申請手続き書類の一つに法人登記簿謄本があります。融資を申請する際には、会社の申告内容が正しいかの照合や、役員の入れ替わりなどの確認が必要です。

また、この場合はデータでなく紙の登記簿謄本が必要なので、融資の申請を予定している場合は忘れずに準備しておきましょう。

加えて、国に対して補助金や助成金の申請を行う場合においても、会社としての信用が求められるので、法人登記簿謄本の提出が必要です。

法人登記簿謄本を取得する方法

法務局の窓口にて交付請求する場合

法務局で交付請求する場合は、管轄法務局の証明書発行窓口で備え付けの「登記事項証明書交付申請」に必要事項を記入し請求します。1通につき600円の収入印紙を購入し、申請書の収入印紙欄に貼り付け、窓口に提出します。提出後はその場で交付を受けることが可能です。

（登記事項証明書・登記簿謄抄本・概要記録事項証明書交付申請書：http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188552.pdf）

郵送で請求する場合

郵送で交付請求する場合は、上記の「登記事項証明書交付申請」に必要事項を記載し、必要な手数料の収入印紙を貼付けて管轄の法務局宛てに郵送します。

なお、郵送交付請求する際には、封筒に「交付申請書在中」書き、必要事項を記載した「登記事項証明書交付申請」と返信先住所を記載した返信用封筒を同封します。法人登記簿謄本は数日後に法務局より郵送されます。

オンラインで請求する場合

オンラインで交付請求する場合は、「登記・供託オンライン申請システム」から交付請求します。この場合、指定した法務局で受け取るのか、郵送で受け取るのか選択できます。

なお手数料は、インターネットバンキングやモバイルバンキングまたは、電子納付対応のATMを利用して納付できます。郵送で受け取る場合2～3日で受け取れるので気軽に利用しましょう。

（登記・供託オンライン申請システム：https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/）

法人登記簿謄本を取得する際の手数料

法人登記簿謄本は、決められた手数料を支払うことで誰でも取得できます。申請方法と受け取り方法によって手数料が異なります。それぞれの手数料は、以下のとおりです。