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【新人向け】マーケティング1.0から学ぶ、現代にも通用する考え方とは

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マーケティング1.0という言葉の意味をご存知ですか?

マーケティング1.0はマーケティング理論の1つで、1900年代~1960年代のマーケティングの概念を指す言葉です。一見すると時代遅れな概念に取られがちですが、マーケティング初心者はしっかりと理解しておきたい項目です。

今回はマーケティング1.0の意味に加え、現代にも通用する考え方を解説していきます。

マーケティング1.0はコトラーが提唱したマーケティング理論の1つ

マーケティング1.0はアメリカの経済学者であるコトラーが提唱したマーケティング理論の1つです。コトラーはマーケティングは時代によって少しずつ変化していると考え、「マーケティング1.0」「マーケティング2.0」「マーケティング3.0」「マーケティング4.0」の4つの理論に分類しました。

マーケティング1.0は製品中心のマーケティングを指す

マーケティング1.0は、1900年代~1960年代の製品を中心としたマーケティングのことを指します。20世紀のはじめに起こった産業革命により、アメリカでは大量生産・大量消費の時代が始まりました。この頃の市場は、需要が供給をはるかに上回っていたため、製品を安く生産し大量に販売すれば、すぐさま売れるという状況でした。

したがって当時のマーケティングでは、安く生産し大量に売ることを目的とした製品中心の考え方が重視されていました。

マーケティング1.0の時代に登場したフレームワーク「4P」

マーケティング1.0の時代には「4P」というフレームワークが登場しました。「4P」とはマーケティング戦略を策定する際に考慮すべき4つの要素のことを指します。4つの要素は以下の通りです。

  • Product:製品
  • Price:価格
  • Promotion:プロモーション
  • Place:流通

これらの要素はいずれも、製品について企業側の目線で考察するものであるため、製品を中心としたマーケティング1.0において大きな効果を発揮しました。また、4Pは現代でもマーケティングの基本理論として用いられています。

4Pに関する詳細を知りたい方は以下の記事を参照してください。

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マーケティング1.0の例:フォード・モデルT

マーケティング1.0の成功例としては、1908年発売のフォード・モデルTがあります。フォード・モデルTはアメリカのフォード・モーター社が発売した自動車のことです。フォード社は製造する車種を絞ることで、製造に必要な部品数を減らし、さらに部品の標準化によって、モデルTの製造コストを削減しました。その結果、フォード社はモデルTを安価に大量生産できるようになり、モデルTは一気に普及しました。

これはまさに「安く生産し大量に販売する」というマーケティング1.0の特徴を体現した製品と言えるでしょう。

マーケティング1.0以降の変遷

マーケティング1.0以降のマーケティング概念(マーケティング2.0~4.0)は以下のような変遷をたどってきました。

  • マーケティング2.0:消費者志向
    1970年代〜1980年代のマーケティングを指す。消費者のニーズを満たすことを目的としており、他社との差別化によるアピールを図った。
  • マーケティング3.0:価値主導
    1990年代〜2000年代のマーケティングを指す。消費者に共感・応援してもらえるような価値を提供することを目的としており、製品自体の機能や品質以外でのアピールを図った。
  • マーケティング4.0:自己実現
    2010年代以降のマーケティングを指す。「消費者がなりたいと考える自分像を実現できるような価値を提供する」という消費者の自己実現に焦点を当てている。

マーケティング1.0以降のマーケティング概念について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。

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マーケティング1.0から、顧客と企業の立ち位置を考える視点を学ぶ必要がある

マーケティング1.0は1900年代~1960年代の概念であるため、古い考え方であることは間違いないですが、この概念を学ぶ上で大切なのは、マーケティング1.0が台頭した背景を理解し、現代にも共通する事項があるのかを確認することです。

マーケティング1.0が流行ったのは需要が供給をはるかに上回っている時代でした。つまり、需要が供給を常に上回っている業界や、新たに開拓された市場においては、マーケティング1.0が通用する可能性があります。たとえば、一刻も早く開発・供給が必要な新薬やワクチンに関しては、「安く生産し大量に販売する」が求められていると言えます。

加えて、「マーケティング1.0が通用する業界に自社が存在するのか」「自社が参入している市場において顧客と企業の間はどのようなパワーバランスであるのか」「自社が市場の中でどのような立ち位置にいるのか」などを分析することが大切であると言えます。これによりマーケティング1.0が通用するのかを判断できるほか、市場や業界を俯瞰的に分析できます。

まとめ

いかがでしたか。

マーケティング1.0は1900年代~1960年代の概念ですが、マーケティングの基本である4Pにも関係する重要な考え方です。また、業界や市場によっては通用する場合もあるでしょう。

この記事を参考にマーケティング1.0に関する理解を深めましょう。

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