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デジタル化が日本企業に必要な理由 | DXとの違いや成功のポイントを解説

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「デジタル化」は現代の日本経済やビジネスにおける大きなトピックの一つです。多くの企業がデジタル化への取り組みを行なっている一方で、特に中小企業ではデジタル化の必要性が理解されず、取り組みが遅れているケースも多くあります。

この記事では、デジタル化が必要な理由とデジタル化成功のポイントを解説します。また、よく一緒に語られる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」との関係についても解説します。

デジタル化とは、既存のサービスやワークフローをデジタルな形に置き換えること

デジタル化とは、物理的に存在する製品・サービスをデジタルな形で提供したり、既存のワークフローをそのままデジタルな形に移行したりすることを意味します。サービスやワークフローの形が変化しないことがデジタル化の特徴です。

例えば、新聞記事をオンラインで配信するサービスや、紙媒体でのやりとりを電子メールに切り替えるといった取り組みは、デジタル化だといえます。こうしたデジタル化を行なうことによって、既存サービス等の提供スピードを上げ、業務の効率化を実現できます。

DXではデジタルであることを前提にサービスやワークフローをデザインする

デジタル化と同時に語られることの多い概念に「DX(デジタルトランスフォーメーション)」があります。これは、デジタルであることを前提に、提供するサービスやワークフローを1からデザインすることをいいます。

デジタル化とDXの大きな違いは、その目的にあります。デジタル化は「既存のものをデジタルな形に置き換える」ということを目的としている一方、DXは「デジタル技術を活かし、既存のサービス / ワークフローの形を維持することに固執せず、理想的な形態を目指す」ことを目的としています。

そのため、DXによって生まれるサービスやワークフローは、物理的には存在し得ないこともあります。例えば、小売店の顧客はカゴを持ち歩いて商品を入れ、レジに通すことが当たり前でした。しかし現在ではDXによって、カゴを持たずに店内で商品を見て歩き、スマホで注文すると家に直接届くといったサービスも存在します。

デジタル化やDXが日本企業に必要な3つの理由

「2025年の崖」でIT関連の損失が増大するのを防ぐため

デジタル化やDXを急ぐべき理由の1つが、来たるべき「2025年の崖」による大きな経済的損失を防ぐためです。

「2025年の崖」とは経済産業省が発表した将来的な経済動向に関するシナリオです。デジタル化やDXを怠り、既存の老朽化したシステムを2025年まで放置した場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が発生するという見通しが立てられています。

こうした損失は、デジタル化・DXの遅れによる業務効率化の遅れや、経験豊富なエンジニアが不足することで引き起こされるレガシー(古い)システムの故障などにより生じます。

12兆円というとスケールが大きすぎてイメージが湧きませんが、日本の国家予算の約12%(2020年度の一般会計予算が約102.7兆円)が毎年失われるというと、事の重大さがイメージできるのではないでしょうか。

このような事態を未然に防ぐためにも、日本企業におけるデジタル化・DXが急務となっています。

2025年の崖については以下の記事をご覧ください。

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労働人口の減少に備えて生産性を向上させるため

現代の日本は超少子高齢化社会と言われています。2019年の生産年齢人口が全人口に占める割合は59.7%(推計)で、平成4年をピークに減少し続けています。

こうした状況下で経済成長を実現するためには、シニアや女性の活躍推進といった取り組みと並行して、労働生産性の向上が必要です。

労働生産性とは、投入した労働の量に対して、どの程度の付加価値が生まれたかという指標です。労働生産性の向上には業務効率化が不可欠で、そのためにデジタル化やDXが必要なのです。

国際的な競争に追いつくため

ここまで解説したように、デジタル化やDXは日本全体の経済損失を防ぐために重要な取り組みだといえます。しかし、デジタル化において日本は国際競争に大きく遅れを取っています

米国のリサーチ会社ガートナーのプレスリリースによれば、日本は世界のデジタル化トレンドから大幅に取り残されており、2018年から2020年でその差は2倍に拡大しているそうです。

この傾向を解消できなければ、日本企業の世界的な存在感が失われると同時に、国内市場のパイを海外企業に奪われるといった事態も発生しえます。日本の経済的な競争力を維持するためにも、デジタル化やDXの取り組みはなくてはならないのです。

デジタル化 / DXを成功させるための3つのポイント

部分最適ではなく、全体最適を意識した取り組みを行なう

デジタル化やDXは、全体最適を意識して取り組む必要があります。多くの企業で、エクセルのVBAを活用した事務作業の自動化などは行なわれています。しかしこのようなデジタル化は部分最適であり、全体で見たときに効率が最大化できているとはいえません。

デジタル化の効果を最大限発揮するためには、個別のワークフローを俯瞰し、連携を促すことによって全体最適を実現することが必要です。そのためには、経営陣が強力なイニシアチブを取って、デジタル化やDXを推進することが重要です。

ローコード / ノーコード開発で、誰もが開発に携われる環境を作る

経営陣によるトップダウンのデジタル化は、全体最適の実現のためには理想的ですが、実際に可能かどうかは別問題です。特に、経営陣が実務まで兼ねているような中小企業では、デジタル化やDXの効果を最大化することが難しくなっています。

そういった企業では、ボトムアップでのデジタル化が重要です。つまり、従業員自身が課題を発見し、アプリケーションの開発・連携を自律的に行なうことが必要なのです。

プログラミングやシステム開発のスキルがなければできないのではないかと思われがちですが、近年ではコーディングを必要としない「ノーコード開発」、あるいは最低限のコーディングで開発できる「ローコード開発」を実現するツールが存在します。

これらを導入することで、従業員発の主体的なデジタル化を中小企業でも実現できます。

専門チームを作り、顧客視点を徹底する

デジタル化やDXは、専門のチームを作ることでスピーディに実現できます。デジタル化・DXの目的を明確化し、デジタル化チームがイニシアチブを取ることで、全社にすばやくDXの恩恵を行き渡らせることができます。

この際に重要なのが「デジタル化そのものを目的にはしない」ということです。デジタル化はあくまで顧客満足や効率化を実現するツールであるということを徹底しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

デジタル化は日本企業にとって急務となっています。この記事を参考に、デジタル化やDXの取り組みを今一度振り返ってみてください。

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