プレゼンテーション・企画立案

意思決定マトリクスで客観的に議論を進める方法|具体例で解説

意思決定のための議論はできるだけ客観的に行う必要があります。そんな時に役立つフレームワークが「意思決定マトリクス」です。

この記事では、意思決定マトリクスの作り方や、活用のポイントをご紹介します。

意思決定マトリクスとは、複数の案を客観的に比較するための表のこと

意思決定マトリクスとは、意思決定の場において、複数の案を客観的・定量的に比較検討するためのフレームワークです。各案を同一の評価基準でスコアリングするため、定量的に評価できることが特徴です。

▼図:意思決定マトリクスの一例(酒造会社の新規事業立案)

意思決定マトリクスは以下の要素で構成されます。

  • 評価対象
    比較検討したい案を列挙します。
  • 評価基準
    どのような観点から評価するかを設定します。
  • 重み付け
    どの評価基準を重視するか(倍率)を数値で設定します。
  • 評価点数
    各評価対象の評価基準を数値でスコアリングします。
  • 総合評価
    各評価基準の点数と重み付けを総合評価に数値で落とし込みます。

意思決定マトリクスの作り方

ここでは、意思決定マトリクスの作り方を、「酒造会社における新規事業立案」という例をもとに解説します。

以下のようなテンプレートを用意したので、これに沿って解説していきます。

▼図:意思決定マトリクスのテンプレート

1. 「評価対象の案」と「評価基準」を作る

まずは、評価すべき事業案を複数出しましょう。「将来的にどんな会社になりたいか?」というビジョンから逆算しても良いですし、現在の事業ポートフォリオ上の課題を解決する手段を考えるのも良いでしょう。

今回は、「ECサイト運営」「酒蔵見学ツアー」「オーダーメイド日本酒製造事業」「酒造人材派遣」の4つの案が出たとします。案が出たら、行のラベルに記入します。

▼図:評価対象を行ラベルに記入

次に、どのような評価基準で各案を評価するかを決めます。評価基準の例には以下のようなものがあります。

  • 収益性や効果
  • 実現可能性
  • 新規性
  • 実現にかかる時間
  • 緊急性
  • リスク
  • 将来性

今回は新規事業の立案ということで、「収益性」「実現可能性」「実現にかかる時間」「新規性」「将来性」「リスク」の6つの軸で評価します。評価基準は列のラベルに記入しましょう。

▼図:評価基準を列ラベルに記入

2. 評価基準の重み付けを決める

意思決定で重視すべき評価基準には、スコアに重みを付けることが必要です。重み付けの倍率は、1倍〜2倍で設定するとバランスの良い評価ができます。

例えば今回は、「既存事業は安定しているが、将来の事業規模拡大のために新規事業を立てたい」という要件があるとします。このような場合、他の評価基準よりも「収益性」「実現可能性」「将来性」の3つの軸を重視する必要があります。

今回は特に「収益性」と「将来性」を重視し、これらの倍率を2倍にします。「実現可能性」は1.5倍の評価とします。残りの評価基準は1倍で設定します。

倍率は列ラベルの下に記入しましょう。

▼図:倍率を列ラベルの下に記入

3. 各評価対象を評価し、数値化する

評価対象と評価基準、重み付けが出揃ったら、いよいよ評価に入ります。今回は4つの案を評価するので、各評価基準を4段階評価で、スコアが他の案とかぶらないように設定します。

この際、できる限り客観的にスコアを出しましょう。期待収益や事業の見通しなどをもとに、複数人で議論を進めながら行うと効果的です。

▼図:評価対象の案をスコアリング

4. 総合評価を出し、比較する

スコアリングが完了したら、各評価対象案の総合評価を算出しましょう。総合評価は「各評価軸のスコア×各評価軸の重み付け倍率」の合計によって算出されます。

計算ができたら、「総合評価」の欄に記入しましょう。

▼図:総合評価の算出

評価の結果、ECサイト運営事業が最も有力な案として選ばれました。

意思決定マトリクスを活用するための3つのポイント

評価対象の案の精度を高める

意思決定マトリクスで得られる結論の質は、そもそもの評価対象の質に依存します。そのため、「他に出すべき案はないか」「この案で本当に問題の解決になっているのか」といった観点から、しっかりと評価対象案を議論するようにしましょう。

評価の重み付けや点数を客観視する

評価の重み付けや点数が実態を反映しないものになっていると、納得いく結論が得られないこともあります。

重み付けに関しては、1つの評価基準ばかり高めすぎて他の評価基準の存在意義をなくしていないかといった観点や、逆にほとんどの評価基準を同じ倍率にしているせいで倍率の意義がなくなっていないかといったポイントを吟味しましょう。

また、点数は事業計画をもとに作成したタイムラインや予想損益などから、できるだけ客観的なスコアリングを目指しましょう。リスクなど専門的な知見が必要な評価基準に関しては、外部の人材の視点を入れても良いでしょう。

結論に違和感がある場合は原因を探る

直感的に「この案は筋が良さそうだな」と思っていても、いざ検討してみると他の案のほうが高い評価になってしまったということもあります。評価の基準や倍率、スコアリングの方法に問題があった可能性もありますが、一方で直感と客観的なデータにずれがある場合もあります。

予想と違う結論が出た場合は、「やり方がまずかった」と決め付けるのではなく、議論の進め方と自身の直感のどちらに問題があったのかをよく分析するようにしましょう

まとめ

いかがでしたか?

意思決定マトリクスはディスカッションを行う上で強力なツールです。使い方をマスターして、ぜひ活用してみてください。

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