コアバリューとは？導入のメリットや設定する手順を紹介

コアバリューという言葉をご存じでしょうか。
コアバリューは企業の経営や日々の業務を行う上で重要な概念ですが、はっきりと意味を理解している人は多くありません。この記事では、コアバリューの概要や導入するメリット、設定手順を紹介します。

コアバリューとは、意思決定や行動の判断基準となる価値観のこと

コアバリューは中核になる価値観という意味で、個人や組織の意思決定や行動の判断基準となるものです。同じ組織で過ごすうちに、従業員それぞれのコアバリューは似たものになっていきます。そのため、適切なコアバリューを設定することで、組織全体の方向性が統一でき、企業の目標達成に役立ちます。

コアバリューを設定するメリット

企業内の価値観や目標を統一できる

コアバリューを設定すると、企業や従業員が統一された共通の価値観・目標を持てるようになります。従業員の意識統一による業務の効率化が可能になるほか、企業としての一貫性が生まれるため、顧客からの信頼にもつながります。

迅速な意思決定や行動が可能になる

企業には多くの従業員が属しているため、様々な意見が存在します。それらの意見をまとめたり、決定するのは簡単ではありません。そこで、コアバリューを設定することで、企業内に共通の判断基準ができ、素早い意思決定や行動が可能になります。

従業員が自分で判断できるようになる

コアバリューが浸透している企業では、従業員一人一人がコアバリューに基づいた明確な価値観を持っています。従業員はコアバリューを判断基準として、自ら行動を起こすことができるため、些細なことに対して指示を行う必要がなくなります。

企業独自の文化が築ける

コアバリューを設定することで従業員の価値観の認識が揃い、企業独自の文化ができあがります。企業の文化は永続的に受け継がれ、簡単には変化しないので、仮に優秀なリーダーが退職した後でも組織を維持することができます。

また、企業独自の文化は、企業のブランドイメージにつながります。コアバリューにより消費者によいブランドイメージを与えることで、企業の信頼感に繋がります。さらに、企業のイメージに共感する人材が集まりやすくなるため、モチベーションの高い人材の採用につながります。

コアバリューを設定する手順

1. 経営者の価値観を明確にし、原案を作成する

まず経営者を中心として、コアバリュー設定の基盤となる原案を作成します。経営者は企業に対して特別な感情や情熱をもつため、経営者の価値観を軸としてコアバリューの原案を作りましょう。同時に、どうしてコアバリューを設定したいのか、などの目的を明確にしておくことも必要です。

2. 現場の従業員の意見を聞く

経営者の意見を従業員に押し付ける形にならないように、従業員に原案を共有して意見を募ることが大切です。そうすることで、従業員との間に温度差を作り出すことなくコアバリューを決定できます。

従業員からの意見をもとに原案を修正し、コアバリューを作成します。しかし、コアバリューは企業の価値観を表すものなので、従業員の意見を考慮しつつも最終的には経営者が納得できる形にしなくてはいけません。また、コアバリューはすべての従業員に浸透させなくては意味がないので、簡潔にわかりやすい文章にすることが大切です。

3. 作成したコアバリューを社内全体に共有する

コアバリューが完成したら、社内全体にコアバリューを共有します。従業員の目につくところに掲示したり、自社のホームページに記載したりして、頻繁に目にするようにすることが効果的です。また、コアバリューは一度作成して終わりではなく、継続して発信したり、定期的に運用を見直したりして社内に浸透させていきます。

コアバリューを浸透させるには、経営者が模範となる必要がある

コアバリューを掲げる上で、経営者はその模範となるような行動を取ることが最も大切です。経営者がコアバリューに倣っていなければ、従業員はそれに従いません。コアバリューを従業員に浸透させ経営に用いるためには、設定して満足するのではなく、行動に表して従業員の協力を得ていくことが必要です。