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知覚品質とは|消費者目線のブランド力の高め方を解説します

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知覚品質という言葉をご存知でしょうか。これは、競合の商品との差別化を図る上で重要なものさしになるものです。

この記事では、知覚品質の概要や消費者がどのような視点で知覚品質を決めるのか、また企業はそれをどのようにして高めるのかを解説します。

知覚品質とは、商品・サービスに関して消費者が認識している品質や優位性を指す言葉

知覚品質とは、ある商品やサービスを代替品と比べた時に、知覚できる品質や優位性のことをいいます。
知覚品質は「消費者が主観的に認識している品質」であるため、事実としての品質とは異なります。また、単に商品の機能・性能だけでなく、信頼性、印象などの価値も含まれることが特徴です。

また、知覚品質はブランドエクイティを構成する要素の一つとしても知られています。ブランドエクイティとは特定のブランドが持っている資産価値のことを指す言葉で、「名前の認知」「知覚品質」「ブランド・ロイヤルティ」「ブランド連想」によって構成されています。

知覚品質が重要視されるようになった背景

知覚品質が重要視されるようになった背景として、あらゆる商品・サービスの高性能化が挙げられます。高性能化によって機能の均質化が起こり、従来のような「機能で差別化する」という手法が通用しなくなってきています。

このような背景から、商品の価値として、機能性以外に信頼性なども含まれる知覚品質を高める必要が出てきたのです。機能面を軽視してもいけませんが、今の時代、高性能であるというだけでヒットを生み出すのは難しいといえるでしょう。

知覚品質を決める要素

商品・サービスの知覚品質は、どのようにして決まるのでしょうか。住宅を例にとって、知覚品質を決める要素を確認しましょう。

  • パフォーマンス(気密性、断熱性、安全性、快適性など)
  • 付加機能(床暖房などのオプション)
  • 信頼性(設計・施工ミスの少なさなど)
  • 耐久性(耐震性・耐用年数など)
  • 付加サービス(設備・仕様の保守点検といったアフターサービスなど)

競合他社と比較して、上記の要素が優れていた場合、知覚品質が高いと言えます。
ただし、消費者にとって一つでもマイナスの要素があれば、あっという間に評価が低くなってしまうということがあります。マイナスの知覚品質は、プラスの知覚品質と比較すると浸透しやすい傾向にあるため注意が必要です。

知覚品質を高める手法

品質を証明する

知覚品質を高める上で、消費者に対して品質を証明するという手法は大変効果的です。
例えば、花王の食器用洗剤「キュキュット」のCMではしつこそうな油汚れに洗剤を一滴垂らすだけで、こすらずに洗浄できる高品質な商品であることをアピールしています。
また、ダイソン社の掃除機のCMでは、埃を吸い取るシーンで他社の商品と比較することで自社の商品がどれだけ優れているかというところを証明しています。

これらの例からも分かるように、商品の品質を証明することは知覚品質を高める上で非常に重要なのです。

希少性をアピールする

希少性をアピールすることも、知覚品質を高める上では効果的な手法の一つです。
「今しか買えない」「ここでしか買えない」「○○個限定」のように時間や場所、数量を限定することは消費者に希少性を感じさせるのに有効な手段です。
例えば、海外のハイブランドはその高額な値段設定や、技術的に優れた職人が手間暇かけて作っているというイメージから、「希少性が高い」という認識を生むことに成功しています。これが知覚品質の向上につながるのです。

消費者の声を活用する

知覚品質を高めるためには、消費者の声を活用することも有効です。
消費者にとって自分と同じ立場である商品利用者の声は気になるところです。商品・サービスの購入を検討する際、等身大の利用者の声を参考にしたいと考える人は多いのではないでしょうか。何かを購入したいと思ったときに、Web上の商品レビューを参考にするのも、このような考え方からきているといえるでしょう。

消費者の声を積極的に活用し信憑性を持たせることで、知覚品質の向上に繋がります。

ストーリー性を強調する

ストーリー性を強調することで共感を生み、消費者の心をつかめます。
「誠実に、手間暇かけて作られた商品である」という認識は、知覚品質の向上につながります。ストーリー性を強調するエピソードの例として、ブランドの歴史や製造現場での取り組み、創業者の思いなどを語るといった方法があります。

過去の実績を示す

「モンドセレクション金賞受賞」「グッドデザイン賞受賞」などの客観的な評価は、知覚品質を高めます。名の知れた賞の受賞歴や、多くの人が利用しているという事実は「いいものに違いない」という認識を生み、商品・サービス購入時の後押しになります。

このような華々しい受賞歴がなくとも「100万ダウンロード突破」「タレントの○○さんも愛用」などのキャッチフレーズを用いるのも効果的です。消費者の中で「実績がある」=「価値がある」と認識してもらうことが重要なのです。

スポンサーとして協賛する

イベントに協賛することで知覚品質を高める手法です。
F1やエアレース、大使館イベントなど名の知れたイベントのスポンサーとなることで、自社商品・サービスのイメージを作り上げて浸透させる効果があります。消費者の中に「有名なイベントで使用された○○」という認識を作ることで、価値のあるブランドであるという連想が働くからです。
このような理由から、関連するイベントのスポンサーとして協賛することは知覚品質を高めるのに有効です。

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