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システム思考とは|実践する手順と有効なフレームワークを解説

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皆さんはシステム思考という言葉をご存知ですか?システム思考とは、根本から問題を解決するために必要な思考方法のことを指します。
この記事では、システム思考の意味と実践する手順を解説し、有効なフレームワークを紹介します。

システム思考とは、俯瞰的に問題を捉え、最も効果的な解決策を考える方法のこと

システム思考は、全体的に問題を捉え、要因同士の相互作用を把握することで、効果的な解決策を考える方法です。問題を解決したと思いきや、かえって別の問題が発生し困ったことはありませんか?システム思考によって、こういった現象を防ぐことができます。

また、ピーター・センゲの著書『学習する組織』において、システム思考はパフォーマンス向上のために重要な思考方法として提唱されています。学習する組織についての詳細は、以下をご覧ください。

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システム思考を実践する手順

システム思考では、以下の5段階のステップをサイクルで回していくことが基本的な流れです。

システム思考の5段階ステップの流れ

  1. 課題を設定する
    どのような目標を持っているのか、何について理解したいのか最初に課題を設定することで、システム思考を行う目的を明確にします。システム思考は問題を全体的に見るため、目的を明確にしないと思考の収拾がつかなくなります。
  2. 現状パターンを分析する
    設定した課題を俯瞰的に捉え、課題を起こす現状のパターンを発見します。発見したパターンを分析し、パターンを引き起こす構造を把握しましょう。「社員の生産性が低いこと」が課題とすると、現状のパターンや構造は以下のものが例として挙げられます。下の例では、すべての要素がマイナスに働いてしまい、悪循環に陥ってしまっています。

    現状パターンの例

  3. 改善策を考え、行動計画を立てる
    現状パターンを引き起こす構造に対して、改善策を考えます。そして、改善策を踏まえた上で個人や組織で何が出来るか考え、具体的な行動計画を立てます
    上に挙げた現状パターンであれば、社員と上司のコミュニケーションが不十分であることが問題と考えられます。この問題に対する行動計画の例としては、「月1回社員と上司で話し合う場を設け、なぜ生産性が低いのか議論する」ことが挙げられます。
  4. 行動計画を実施する
    課題の難易度に応じて、行動計画を実施する規模を考え実行しましょう。複雑な課題に対してはいきなり全面的に行動計画を実施するのではなく、リスクを抑えるために一部の部署などで実験的に実施することがおすすめです。また、どれくらいの期間実施するのかを決めることも重要です。
  5. 結果を振り返り、広げる
    実施した結果を振り返り、行動計画が課題のパターンにどのように影響したか把握しましょう。課題に対するパターンの理解を深め、新たな課題が見つかった場合はパターンの再分析を行います。このように再びステップ①に戻って、問題を根本から解決することを目指します。

システム思考に有効なフレームワーク3選

ループ図

問題を起こすパターンやパターンを構成する要素を理解する時にループ図を使います。要素同士の相互作用を線で繋げることで、パターンを視覚的に把握できます。ループ図には、以下の例のように自己強化型ループとバランス型ループの2種類があります。

上図において、要素同士を結ぶ矢印における「同」は要素を強めることを表し、「逆」は弱めることを表します。自己強化型は上図のようにそれぞれの要素が強めあい、ループが増強されるものを表します。また、バランス型は弱める構造が入ることでループが大きくならないものを指します。

氷山モデル

氷山モデルを活用することで、パターンや構造を把握するだけでなく、それらを引き起こす思い込みや固定観念を理解しやすくなります

このように「出来事」が氷山の一角のように出ており、出来事の下には「パターン」「構造」「思い込み・固定観念」が層を成していることを表したモデルです。思い込みや固定観念といった心理的な観点から出来事の起こる原因を探らなければならないことを表しています。氷山モデルを用いて、構造の下にある心理的要因を意識して、現状パターンを分析しましょう。

 

時系列変化パターングラフ

時系列変化パターングラフは、課題の指標が時間経過でどのように変化するのか可視化するためのフレームワークです。課題の指標がこれまではどのような変化だったのか、現状パターンのまま進むとどのようになるのか、希望パターンの場合はどのようになるのかを、下図のようにグラフに描きます。

グラフを作成する時のポイントとしては、年単位など時間軸の期間を長くすることが挙げられます。改善策に対して課題の指標が向上するのは遅れるため、それぞれにあった時間軸を取ることがおすすめです。

このグラフによって、希望パターンの場合は課題の指標をいつまでにどれくらい変化させたいか可視化し、目標を立てることができます。そして、この目標に対して、どのようなアプローチを取ればよいのか想像しやすくなります。

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