この記事は 2 分で読めます
エンパワーメントとは?注目される背景や推進するメリット、手順を解説
エンパワーメントという言葉をご存知でしょうか。エンパワーメントは従業員のパフォーマンス向上に役立つ概念であり、競争力を高めたいと考える企業から注目されています。
この記事では、エンパワーメントが注目される背景や推進するメリット、手順を解説します。
エンパワーメントとは、組織を構成する個人に力を与え、自ら意思決定や行動できるようにすること
エンパワーメントは「権限委譲」や「能力開花」などのように訳され、集団内の個人に力を与えて、自ら意思決定や行動ができるようにするという意味です。エンパワーメントの概念は、20世紀のアメリカで起きた公民権運動を起源としており、その後女性運動など個人の権利獲得を目指す運動などを通して広がりました。
企業においては、ある程度の意思決定権など、一部の権限を部下に与え、部下が自発的に業務を行えるようにすることを指します。従業員の自発的な行動による、企業全体の生産性の向上を目的としています。
エンパワーメントが企業で注目される背景
近年、顧客ニーズの多様化といったビジネス環境の変化や、技術力の目まぐるしい発達が加速しています。そのような中で競争を勝ち抜くためには、迅速な行動が必要不可欠です。しかし、従業員が上司の指示を仰ぐという方法では行動が遅れてしまいます。これらのことから、従業員個人の自発性を向上させて、変化に対応できる組織を作るためにエンパワーメントが注目されています。
エンパワーメントを推進するメリット
業務スピードが向上する
エンパワーメントで従業員に一部の権限を与えると、上司の指示を受けたり許可を取ったりしなくとも方針を決めて行動に移せるため、業務のスピードが向上します。また、何らかの問題が生じた場合でも迅速に解決できる可能性が上がります。
従業員が仕事に責任感を持つようになる
従業員が業務を決定する権限を得ると、従業員は自ら判断して行動する必要が出てきます。自身の判断通りに物事を進めるために、責任感を持って業務に取り組むようになります。
よりよいサービスを提供でき、顧客満足度が向上する
サービス業や営業関係などの場合、実際に顧客と接する従業員が自ら意思決定を行うことで、顧客に応じた柔軟な対応が可能になります。そのため、よりよいサービスを提供でき顧客満足度向上につながります。
また、エンパワーメントによって判断力を養っておくことで、急なトラブルにも自ら行動できるようになり、顧客の不満軽減につながります。
従業員のモチベーションが向上する
自らの意思決定による成功体験は、指示を受けて行動していた時よりも充実したものになります。そのため、自らの判断によって業務がうまくいくと従業員のモチベーション向上につながり、より意欲的に業務に取り組めるようになります。
エンパワーメントを進める手順
1. エンパワーメントの推進を宣言し、従業員に必要性を説明する
まず、エンパワーメントを推進するためには従業員の協力が必要不可欠です。そのため、エンパワーメントの必要性やメリットとともに、企業の方針を明確にして、従業員に共有しましょう。
2. エンパワーメントを行う上での目標を設定する
エンパワーメントは従業員の能力を引き出すことなので、それぞれの従業員の能力より少し上、かつ無理のない目標を設定します。このような目標を「ストレッチゴール」といいます。ストレッチゴールを設定することで従業員それぞれの目指す方向が明確になり、エンパワーメントに意欲的に取り組めます。
3. 従業員に権限を与える
次に、従業員それぞれの強みに合わせた権限を与えます。このとき、権限の及ぶ範囲を明確にしておくと、従業員の「どこまで判断していいのか」という不安を解消でき、エンパワーメントの実施に積極的に取り組んでもらえるようになります。
4. 従業員の取り組みを確認し、評価する
権利を与えるだけでなく、従業員の働きを定期的に確認し評価することが大切です。エンパワーメントによる成果を評価することで、従業員は自らの判断の良し悪しが分かるので、不安を抱くことなく業務に取り組めます。また、うまく業務に生かせていない従業員にはしっかりサポートし、委縮してしまわないようにしましょう。
エンパワーメントを進める上で注意すること
従業員の能力以上の権限を与えないようにする
従業員の能力以上の権限を与えてしまうと、業務がうまくいかなかったり、判断に失敗してしまったりするおそれがあります。このような場合、従業員は過度に責任を感じ、モチベーションが低下してしまいかねません。従業員の能力を把握して適切な権限を与えたり、そのために必要な能力を伸ばせるようサポートしたりすることが大切です。
企業のビジョンやミッションを共有し、方向性がズレないようにする
エンパワーメントは上司が部下に権限を与えるので、権限を与えられた部下と企業との方向性がずれていると、企業にとって最適な意思決定が行えません。権限を与える際には、企業のビジョンやミッションを理解できているかを確認することが必要です。
従業員の業務に介入しすぎない
従業員の業務状況を確認するために「報告・連絡・相談」はおろそかにしてはいけません。しかし必要以上に介入すると、従業員の意思決定の機会を損ねたり、信頼されていないと感じさせて自信を失わせたりする原因となってしまいます。上司は部下を適度にサポートすることを心に留めておきましょう。
今さら聞けない、営業マネージャーが知っておくべきKPI・KGI
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。