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コンティンジェンシー理論とは|必要なリーダーシップは環境で変わる

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コンティンジェンシー理論という言葉をご存知ですか?

コンティンジェンシー理論は、リーダーシップについての理論です。この記事では、コンティンジェンシー理論の内容や、理論に基づいたリーダーシップのあり方について紹介します。

コンティンジェンシー理論とは、現状に応じてリーダーシップの形を変えるべきという理論のこと

コンティンジェンシー理論は、「環境に応じてリーダーシップのあり方は変化させるべきだ」という理論です。

コンティンジェンシー理論は1960年代に生まれ、バーンズ&ストーカー、ローレンス&ローシュ、フィドラーなどによって複数のモデルが提唱されました。

これまでのリーダーシップ論と時代の変化

コンティンジェンシー理論が提唱されるまでは、「リーダーシップは資質によるものである」というリーダーシップ資質論や、「リーダーシップは行動によって作られるものである」というリーダーシップ行動論が主流でした。

しかし、1960年代に入って、技術の発展やニーズの多様化により生産プロセスが多岐に渡り複雑化しただけでなく、企業の多国籍化が進みました。結果として、経済的・文化的環境がこれまでよりも複雑になり、従来のリーダーシップ論では変化に対応できなくなりました

これまでのリーダーシップ論ではいかなる環境下でも対応可能なリーダーシップが重視されていましたが、コンティンジェンシー理論の提唱により、特定の状況下で最適なリーダーシップを重視するようになりました。

バーンズ&ストーカーの有機的組織

バーンズとストーカーによるコンティンジェンシー理論では、イギリスの企業20社を調査し、それらの組織構造を「有機的組織」と「機械的組織」の二つに分類しました。

有機的組織:官僚的な組織構造ではなく、情報や権限が分散しており、支援的なリーダーシップが取られる組織

機械的組織:官僚的な組織構造で、情報や権限が上層部に集中し、指示的なリーダーシップが取られる組織

 

二つの組織のうちどちらが優れているというわけではなく、環境によって組織形態の有効性が変化することが述べられています。具体的には、外部環境が激しく変化するような場合には有機的組織が、外部環境の変化が穏やかな場合には機械的組織が有効だと主張しています。

ローレンス&ローシュの組織の条件適応理論

ハーバードビジネススクールの教授であるローレンスとローシュが1967年に著した著書『組織の条件適応理論』では、異なる3業種を対象に「分化」と「統合」という観点で組織の状態と業績の関連性について述べられています。「分化」とは事業ごとに部門を設け組織構造を複雑化することで、「統合」とは機能が重複する複数の部門を統廃合することです。これらをうまく行うことで組織内部の状態を外部環境に適合させている企業は、業績が良いという結論でした。

また、『組織の条件適応理論』では、組織の内部環境や外部状況は企業によって異なるため「唯一絶対の方法(one best way)」はないと述べられています。このように、リーダーシップの観点においても、あらゆる環境に適応するリーダーシップの形はないという立場に立っています。

コンティンジェンシー理論を用いた「リーダーシップ・スタイル」の決め方

リーダーシップの有効性を定める「状況好意性」と3つの「状況変数」

フィドラーの「リーダーシップ・スタイル」とは、リーダーシップのあり方はその環境によって異なるという理論です。この理論では、リーダーシップの有効性に関わる条件を「状況好意性」という概念で定義しており、3つの「状況変数」として次のものが定められています。

  1. リーダーがメンバーに受け入れられる度合い
    リーダーがその組織のメンバーに支持され、受け入れられているほど「状況好意性」が高くなります。
  2. 仕事・課題の明確さ
    仕事や課題などのプロセスや目標が明確で、構造化されているほど「状況好意性」が高くなります。
  3. リーダーが部下をコントロールする権限の強さ
    メンバーの採用や評価、昇進・昇給にリーダーの影響力があるほど「状況好意性」が高くなります。

フィドラーによると、これら3つの状況変数が高い場合にはリーダーシップを発揮しやすいと提唱されています。

「LPC」で最も苦手な同僚に対するリーダーの対応を評価する

フィドラーは、「LPC(Least Preferred Coworker)」という指標を用いて、最も苦手な同僚に対するリーダーの対応を評価しています

苦手な同僚に対して好意的に対応するリーダーを「高LPC」、苦手な同僚を避けるリーダーを「低LPC」と定義しました。そして、このLPCを3つの状況変数と組み合わせることで、リーダーとしての業績を次の式で評価できるとしています。

リーダーとしての業績 = LPC × 状況変数(メンバーとの関係、課題の明確さ、権限の強さ)

 

LPCスコアに応じて「リーダーシップ・スタイル」を決める

LPCの高さに応じて、適切なリーダーシップ・スタイルは変化します。

  • LPCが高いリーダー
    苦手な同僚にも好意的に接するため、人間関係を重視しています。そのため、状況変数の「メンバーとの関係」は必然的に高くなりやすい傾向にあり、「課題を明確にする」「メンバーの業務スケジュールの管理」といったリーダーシップが求められます
  • LPCが低いリーダー
    苦手な同僚を避ける傾向があるため、まずは組織のメンバーとの人間関係を構築することが先決です。そのためには、メンバーとの対話を通して意見を引き出しながら、「課題を明確にする」ことが重要です

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