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ネガティブチャーンとは?重要性や発生させる要因を解説

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「ネガティブチャーン」という言葉をご存知ですか?
SaaSやサブスクリプションサービスなどを提供する企業にとって、ネガティブチャーンが生じているかは経営状況を図るのに重要な指標として使用されています。

今回はネガティブチャーンの定義や重要性、どのようにして発生させるかを解説します。

ネガティブチャーンとは、解約による収益減に対して、既存顧客の収益が上回っている状態のこと

ネガティブチャーンとは、SaaSやサブスクリプションサービスなどの継続的な契約を獲得するビジネスにおいて、解約によって収益が減少しているにもかかわらず、既存顧客による収益によって、収益全体でみるとプラスになっている状態を指します。つまり、ネガティブチャーンが発生している時は解約者が発生して顧客を失っているにもかかわらず、その他の顧客の利用額が増えていることによって収益を上げられている状態を示します。

ネガティブチャーンが発生している時、以下の式で求めた値は必ず負となります。

また、収益の増加が解約による収益の減少を上回った時のチャーンレートを、ネガティブチャーンレートと呼びます。
チャーンレートに関しては、以下の記事を参考にしてください。

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ネガティブチャーンは、事業の安定性や成長スピードに直結する

一般的に、新規顧客の獲得には既存顧客を維持することよりも5倍のコストが必要だと言われています。そのため、SaaS企業にとっては新しい顧客を獲得するよりも、既存顧客から長期の契約を獲得することが、事業を安定・成長させるにあたって重要になります。

事業においてネガティブチャーンが発生している場合、事業の収益性がある程度安定しており、今後も成長が見込めると言えます。解約者の発生にもかかわらず、収益を上げられる強固な収益基盤があり、ここから新規顧客を獲得した場合はさらなる利益となるため成長スピードが早いことがわかります。

ネガティブチャーンに関連するチャーンレート

レベニューチャーンレート – 収益ベースの解約率

レベニューチャーンレートとは、チャーンレート(解約率)の中でも減少・増加した収益額をもとに算出するものを指します。また、レベニューチャーンレートは、ネットレベニューチャーンレートグロスチャーンレートの2種類に分類されます。

ネットレベニューチャーンレート – 収益減少分と増加分をベースで考えた時の解約率

ネットレベニューチャーンレートとは、解約による収益の減少分と残った顧客による収益の増加分の両方を考慮した時の解約率を示します。ネットレベニューチャーンレートを式で表すと、以下のようになります。

ネガティブチャーンはネットレベニューチャーンレートが負の値になったことを指します。

グロスチャーンレート – 収益減少分ベースで考えたときの解約率

グロスチャーンレートとは、解約による収益の減少分だけを考慮した時の解約率を指します。グロスチャーンレートを式で表すと以下のようになります。

ネガティブチャーンを発生させるポイント

既存顧客によるアップセル・クロスセルを狙う

ネガティブチャーンは、解約した顧客による収益の減少額と、既存顧客による収益の上昇額の差によって表されます。つまり、既存顧客による収益額を増やすとネガティブチャーンが発生しやすくなります

既存顧客からの収益額を増加させるには、既存顧客のアップセルクロスセルを狙いましょう。アップセルとは、顧客がさらに単価の高い上位プランにアップグレードすることを指します。一方で、クロスセルとは関連するする別のプランにも加入してもらうことを指します。

アップセルとクロスセルによって顧客あたりの単価を増加させることで、顧客の解約による収益の減少分を補いやすくなります。
アップセル、クロスセルについては以下の記事をご参考ください。

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使用料金の値上げ、有償化を行う

既存顧客の単価を上げるには、すでに使用されているサービスの料金を上げるという手法があります。また、現在無償で提供している機能を有償化するという方法もあります。これらの方法は多くの顧客に対して単価アップを実現できますが、顧客が離れていってしまう可能性があります。値上げや有償化を行う際は、顧客に納得してもらえるか、離脱してしまわないかを慎重に検討して行いましょう。

利用の増加や使用額の多いファンを獲得する

既存顧客に自社サービスをさらに頻繁に使ってもらうことで、既存顧客による収益を上げられます。また、既存顧客の中でも、使用額も多く、自社サービスへのロイヤリティが高いファンを獲得することで、安定して既存顧客から収益を上げられます。このような顧客は値上げやサービス内容に変更があっても自社サービスを使い続けてくれることが想定されるため、安定して事業を続けるには欠かせない存在と言えます。

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