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黒い羊効果とは?生じる理由や「黒い羊」になった際の対処法を解説

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黒い羊効果という言葉をご存知ですか。これは、集団から好ましくないメンバーを排除しようとする現象です。この記事では、黒い羊効果が生じる理由や、「黒い羊」になってしまった際の対処法を解説します。

黒い羊効果とは、集団にとって好ましくないメンバーが排除されてしまう現象のこと

黒い羊効果とは、内集団の好ましいメンバーがひいき目に評価され、逆に内集団の好ましくないメンバーが外集団のメンバーよりも低く評価され排除される現象を指します。内集団とは自分が所属しており帰属意識を持っている集団のことで、外集団とは自分が所属しておらず他者だと感じている集団を意味します。

黒い羊効果という名称は、「1匹の黒い羊が、白い羊の群れに受け入れてもらえず排除される」という聖書の故事に由来しています。集団内にいる「黒い羊」を排除することで、その他の「白い羊」たちの間に連帯感が生まれ仲間意識が強くなります。

黒い羊効果の典型例として挙げられるのが、いじめです。クラスや職場といった組織に合わないと感じる人を邪魔だと見なし、排除しようと攻撃するためいじめが起こります。また、SNSでの罵倒や誹謗中傷にも、黒い羊効果が影響している場合があります。

黒い羊効果が生じる理由

黒い羊効果は、内集団バイアスという現象と深く関係しています。内集団バイアスとは、自分が所属している内集団のメンバーに対して肯定的・好意的に評価する心理現象です。この内集団バイアスは、自分自身を肯定的に評価することで自尊心を維持しようとする心理が原因だと考えられています。人間は所属している集団からも自らのアイデンティティを形成しており、自分自身を肯定的に評価するために、自分が所属している内集団は優れていると思い込むのです。

そして、内集団の価値、ひいては自分の価値やアイデンティティを維持するために、その価値を落としかねないメンバーを集団から排除しようとする結果、黒い羊効果が生じます。排除しようとする人は最初は少数かもしれませんが、その少数派に影響されて排除しようとする人々が多くなり、同調圧力が生じる可能性があります。

黒い羊効果が生じやすい環境

黒い羊効果は集団の価値を維持しようとするために生じるので、その集団への帰属意識や愛着が強い人たちが多いと黒い羊効果が生じやすくなります。また、自尊心が低い人ほど、「黒い羊」を排除しようとする傾向があります。

集団への帰属意識は、「自分は集団の典型的なメンバーだと思うか」「集団にどれくらい愛着を感じているか」「自己紹介をする際にこの集団のメンバーであると言うか」といった質問を通して測ることができます。

黒い羊効果を実証した実験

社会心理学者ホセ・マルケス氏が1988年に発表した論文では、ベルギーの学生を対象にした実験を通して黒い羊効果を実証しています。この実験では、以下の6パターンの典型的な人物像を示し、社交性や冷静さといった尺度についてそれぞれ7段階で評価させました。

  1. ベルギー人の学生(内集団のメンバー)
  2. 北アフリカ人の学生(外集団のメンバー)
  3. 好ましいベルギー人の学生
  4. 好ましい北アフリカ人の学生
  5. 好ましくないベルギー人の学生
  6. 好ましくない北アフリカ人の学生

その結果、「好ましいベルギー人の学生」は「好ましい北アフリカ人の学生」よりも高く評価されました。一方、「好ましくないベルギー人の学生」は「好ましくない北アフリカ人の学生」よりも低く評価されました。この結果から、黒い羊効果が生じていることが分かります。

「黒い羊」になった際の対処法

集団の価値観を尊重する姿勢を示す

「白い羊」たちは、集団や自分自身の評価を維持し高めることを重要視しています。そのため、その集団について興味を示し、積極的に質問することが有効です。これにより、集団の価値観や「白い羊」たちの立場を尊重する姿勢を示して良い印象を与えることができ、「同じ集団の仲間としてやっていけるのか?」という疑念を払拭できます。

排除しようとする動きに振り回されないようにする

悪口や嫌がらせなど、排除しようとする言動は「白い羊」自身を優位に見せるための行為なので、軽く受け流して同じ土俵に立たないようにすることが重要です。嫌がらせなどを受けた場合でも、感情的にならずに冷静に対処しましょう。相手が敵意を感じてヒートアップすることなく、問題を抑えられます。

また、排除する動きに振り回されずに、自分の仕事に専念することも効果的です。黒い羊効果は「集団の価値を下げる」と見なされることによって生じるため、成果を挙げれば集団から認められる可能性もあります。

転職するなどして集団から抜け出す

一度「黒い羊」になってしまうと、そこから抜け出すのは簡単ではありません。最後の手段ではありますが、転職・転校などで集団から抜け出すのも対処法の1つです。転職・転校する際は、可能であれば知人のいる環境を選ぶとよいでしょう。これは、知人がいると他所者と見なされにくく、新しい環境で「黒い羊」になるリスクを下げられるためです。

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