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【基本解説】リンゲルマン効果とは?起こる原因や防止策を紹介
「リンゲルマン効果」という言葉をご存知ですか?リンゲルマン効果を理解し防止することで、会社全体の生産性向上が期待されます。
この記事では、リンゲルマン効果の意味や起こる原因、防止方法を解説します。
目次
リンゲルマン効果とは、集団人数が増えると1人あたりの生産性が低下する心理効果のこと
リンゲルマン効果は集団で作業する際に1人あたりの生産性が低下する心理効果であり、「社会的手抜き」とも言われます。リンゲルマン効果は従業員が多い大企業ほど起こりやすく、会社全体の生産性低下に繋がるため、防止策を施す必要があります。
リンゲルマン効果という名称は、これを提唱したフランスの農学者マクシミリアン・リンゲルマン氏に由来しています。リンゲルマン氏の実験において、1人で荷車を引く際の力を100%とした場合、2人で荷車を引く場合は1人あたりの力の量は93%、8人の場合は49%と、人数が増えるにつれ1人が出す力が減っていくことがわかりました。
傍観者効果との違い
傍観者効果は「誰かが行うべき作業」において率先して参加しないことを言います。傍観者効果が起きる背景には、作業に失敗して反感を買いたくないという心理が働いています。傍観者効果はリンゲルマン効果と似ていますが、リンゲルマン効果は集団作業に参加するものの手を抜く一方、傍観者効果は作業に参加しないという点で異なります。
リンゲルマン効果が起こる原因
自身の働きが評価されにくいため
リンゲルマン効果は、自身の働きが集団に埋もれて評価されにくい状況下で起きやすくなります。評価に関わらず昇給が一律である給与制度では、自身の働きが評価されにくいと感じます。このような状況下では「自分1人が手を抜いても問題ない」「他人よりも努力しても同じ給料だから報われない」といった感情に陥る傾向にあるため、リンゲルマン効果がより起こりやすくなります。
周囲に合わせて行動してしまうため
集団行動では、周囲に合わせて行動してしまう同調行動によってリンゲルマン効果が起こってしまいます。同調行動の原因には、集団行動における仲間意識や自身の存在が浮くことへの恐れが挙げられます。同僚が頑張っていない場合、同調行動によって努力しにくくなります。これにより、集団的に手を抜くことが習慣となり、リンゲルマン効果がより大きくなります。
責任の所在が不明瞭であるため
チームの成果に対する責任が不明瞭だと、「誰かがやってくれるだろう」という考えが無意識に発生します。特にチームの成果に対して、自身が達成しなければならない目標や責任が明確でなければ、手を抜きやすくなります。そのため、チーム内における自身の役割がわからない場合に、リンゲルマン効果が起こりやすくなります。
リンゲルマン効果の防止策
評価を可視化する
「自身の働きが評価されづらい」と感じることでリンゲルマン効果が起こりやすくなるため、個人の成果や貢献度を測定し、評価を可視化して防止しましょう。特に、給与体系を年功序列型から成果報酬型に変えることが効果的です。給与という明確な数値で自身への評価を確認でき、自分の働きが評価されているという安心感を与えるため、リンゲルマン効果が起こりにくくなります。ただし、結果だけでなく過程を評価して、1人1人の仕事に対する姿勢を見ていることをアピールしましょう。
個々の適性にあった業務を割り振る
業務に適性がない場合、仕事にやる気が出ないためリンゲルマン効果が起きやすくなります。そこで、個々の適性にあった業務を割り振り、業務に対するモチベーションを向上させましょう。さらに、適正のあるメンバーが集まることで同調行動がプラスに働きます。結果的にチーム全体の生産性が向上し、リンゲルマン効果を防止できます。
役割を明確化する
役割や担当業務を明確化し、1人1人がどの業務において責任を持てばよいのか認識させましょう。これにより、組織内でのポジションを自覚でき、当事者意識を持たせられます。当事者意識が芽生えることで「誰かがやってくれるだろう」という思考に陥りにくくなり、リンゲルマン効果を防げます。
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