「ゼロサムゲーム」という言葉はご存知ですか?これは、ゲーム理論と呼ばれる経済理論のうちの一つです。それぞれの行動が相互に影響し合う経済や経営、政治や外交など様々な分野において活用されている理論です。
今回は、「ゼロサムゲーム」と対義語である「非ゼロサムゲーム」の意味や具体例、勝つためのポイントを紹介します。
目次
「ゼロサムゲーム」とは、参加者全員の利益と損失の合計が「0」になる方式のゲームのこと
「ゼロサムゲーム」とは、片方が得点するともう一方が失点し、参加者全員の得点の合計(サム)が常に0(ゼロ)になる方式のゲームのことです。ゼロサムゲームは、ゲーム理論の一つで、「ゼロ和ゲーム」や「零和(ぜろわ)ゲーム」と呼ばれることもあります。ゲーム理論とは、利害関係者のいる場面で、最適な戦略を分析する思考法のことです。
例えば、商品の売買においては購入者は値段分の所持金が減少するのに対し、販売者はその分の金額を得ます。このことから、商品の売買はゼロサムゲームだと言えます。
ゲーム理論の詳細は、以下の記事をご参照ください。
「非ゼロサムゲーム」とは、参加者全員の利益と損失の合計が「0」にならない方式のゲームのこと
ゼロサムゲームの対義語に「非ゼロサムゲーム」という言葉があります。非ゼロサムゲームとは、参加者の利益と損失の合計が0にならない方式のゲームのことです。「非ゼロ和ゲーム」と呼ばれることもあります。
非ゼロサムゲームの代表的な例の一つが株式投資です。例えば、1株1,000円で購入した株式が2,000円に上昇した場合、価値は2倍になります。しかし、株価が500円になると価値が半分になってしまいます。このように、投資したお金と手にした価値の合計が0にならないゲームを非ゼロサムゲームと言います。
非ゼロサムゲームには、以下のような種類があります。
- プラスサムゲーム
相手と協力することで両者の利益が増加するため、片方の利益がもう一方の損失につながらない状態です。両者が協力し、Win-Winの関係を構築することで実現できます。 - マイナスサムゲーム
相手と利害が対立した結果、両者の利益が減少し全体の利益の合計がマイナスになる状態です。対立の時間が長くなるほど両者の損失が大きくなるため、ビジネスにおいてはできるだけ避けなければなりません。
ゼロサムゲームの例
外国為替取引
ゼロサムゲームの具体例に、二国間の異なる通貨を交換する外国為替取引があります。外国為替取引では、政治や経済情勢などによって通貨の交換比率は変動します。世界中の通貨の価値は相対的に決まっているため、価値が上がる通貨があれば下がる通貨もあるという点がゼロサムゲームと言えます。
公営競技
競馬や競艇、競輪などの公営競技もゼロサムゲームの例です。公営競技では、主催者の取り分を除き、負けた人の賭け金は勝った人に配分されます。主催者の取り分と、勝者と敗者の掛け金・配当金の合計が0になるため、公営競技はゼロサムゲームの一つです。
将棋、オセロなど
ゼロサムゲームの例として将棋やオセロなどもあります。将棋やオセロでは、相手の駒を取り勝敗を決めます。自分の持ち駒が増えれば相手の持ち駒が減り、両者の持ち駒の増減が0になる点がゼロサムゲームと言えます。
ゼロサムゲームで勝つためのポイント
引き際を見極める
ゼロサムゲームにおいて勝利が続いていると「さらに勝てるのではないか」という気持ちになりやすく、気づいた時には負けが込んでいるという状態に陥ってしまうことがあります。そのため、ゼロサムゲームでは欲張りすぎず、「勝っている状態で止める」など、引き際を見極めることが重要です。
結果に一喜一憂しない
ゼロサムゲームで勝つためには、ゲームの結果に一喜一憂しないことが重要です。ゼロサムゲームで得をすると、「もっと儲けられるのではないか」と考え、次々と投資をしてしまうことがあります。しかし、ゼロサムゲームの得は一時的なものが多いため、欲張りすぎると結果的に損をすることになりかねません。
逆に、ゼロサムゲームで損をしてしまうと気持ちが落ち込み、負の感情に引きずられてしまいます。負の感情に引きずられすぎると判断を間違いやすくなるため、できるだけ早く気持ちを切り替えることが大切です。
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