ビジネスマンの方にとって、一度は聞いたことある「KPI」という言葉ですが、「KPIには、どのようなメリットがあって、どうやって設定すればいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、KPIの設定方法を紹介したいと思います。
KGIは、最終目標の達成度を測る指標
KGI(Key Goal Indicator)とは、ビジネスの最終目標を達成することができたのかを計測する指標のことです。
ですから、KGIは企業単位で設定されることが多く、売上高や利益率、成約件数などがKGIとして利用されることが多いです。
KPIは、最終目標までのプロセスの達成度を測る指標
KPI(Key Perfomance Indicator)とは、最終目標までのプロセスの達成度を計測するための中間指標のことです。
ですから、チームや個人単位で設定されることが多く、クリック数や解約件数、サイト訪問者数などがKPIとして利用されることが多いです。
例えば「成約件数」をKGIとする場合、「成約件数」を伸ばすために必要な指標をKPIとして設定します。したがって、営業マンの方だと「コール数」や「商談数」がKPIになるでしょうし、マーケターの方だと「集客数」や「リード獲得数」がKPIになるでしょう。
KPIを設定するメリット
それでは次にKPIを設定するメリットについて紹介します。
目標数値と現状の差を認識することができる
定量的な目標を設定することで、現状と目標の乖離(ギャップ)を認識することができます。
「成約率を3%から5%に向上させる」のように数値を用いて目標を設定することで、現状と目標のギャップを定量的に可視化することができます。
常に現状と目標との差を計測することで、進捗状況を把握したうえで業務に取り組むことができます。
目標達成までのプロセスを細分化することで、具体的なタスクが明確になる
次にKPIの設定によって、目標達成に必要な業務やタスクを明確にすることができます。
上記で紹介した通り、KPIは最終目標までのプロセスの達成度を評価する指標です。ですから、KPIを設定する際には、目標達成までに必要なプロセスを細分化する作業を行う必要があります。
例えば、法人営業部で「売上を伸ばす」という目標の場合、「新規顧客の売上を伸ばす」と「既存顧客の売上を伸ばす」の2種類に分けてみると、前者の目標達成ためのプロセスを細分化すると「コール数を増やす」や「商談率を高める」などが挙げられます。
このように、最終目標までのプロセスを細分化することで、業務レベルの具体的なタスクに落とし込むことができます。
タスクの優先順位が明確になる
最後に、KPIを具体的に設定することで、メンバーが目標達成のためにすべきことを把握し、タスクの優先順位を決めることができます。
KPIは目標達成に向けて「誰がやるのか」「期限はいつまでなのか」など具体的に設定することで、タスクにすぐに取り掛かれる状況を作り出すことができます。
日々の業務では多くのタスクをこなさなければならず、その内いくつかのタスクは目標達成に向けて適切ではないものがあるでしょう。
しかしKPIを具体的に設定しておくことで、目標達成のための重要なタスクを見極めることができ、取り組むタスクの優先度を決めることができ、最短距離で目標達成を目指すことができます。
KPIを設定する前に明確にしておくべき「KSF」とは
次に、KPIの設定方法の話に入る前に「KSF」について少し触れておきたいと思います。
KSF(Key Success Factor)とは、目標(KGI)を達成するための成功要因のことで、目標に達成するために必要な要素を指します。
KSFを洗い出すことでKPIが設定しやすくなる
例えば、「売上を伸ばす」ためには、どのような要因が必要なのでしょうか?
成功要因(=KSF)として挙げられるのは、新規顧客を増やす場合だと「低価格」が考えられますし、既存顧客の売上を伸ばす場合だと「リピート客への割引」や「接客の良さ」が考えれます。
このように、KSFを洗い出すことでKPIの設定時に役立てることができます。
上記の例の「接客の良さ」に着目するのであれば、KPIとして「お問い合わせに〇分以内に対応する」などが考えられます。
KPIは「SMART」に沿って設定すべし
それでは、いよいよKPIを設定していきましょう。設定する際には、5つのポイントがあるのですが、まとめてSMARTと呼ばれています。SMARTは、
- Specific
- Measurable
- Achievable
- Related
- Time-bound
の頭文字を取って構成されています。次にそれぞれについて詳しく紹介します。
Specific(明確性)
まず、KPIは具体的に設定する必要があります。
漠然とした曖昧なKPIを立ててしまうと、結局何をすればよいのか分からず、行動に移すことが出来ません。しかし、「毎日テレアポの電話を20件掛ける」のように具体的なKPIを設定することで、行動に移すことができます。
Measurable(測定可能性)
2つ目に、KPIは定量的なデータを用いて設定する必要があります。
KPIを設定するときは「成約率を10%にする」のように数値を使って設定することで、現状とのギャップを把握することができますし、どれくらいまで達成できたのか判断することができます。
Achievable(達成可能性)
3つ目に、KPIを設定するときは「達成できるかできないか」ある程度妥当性のあるものにしましょう。
仮に、非現実的なKPIを設定してしまうと達成する前から「無理だろう」となり、途中で挫折してしまう恐れがあります。逆に、低すぎる目標だと簡単に達成できてしまい、KPIを設定する意味が無くなります。
したがって、ギリギリ達成できそうなKPIを設定することが重要になります。
Related(関連性)
4つ目に、最終目標であるKGIに関連しているものを設定する必要があります。
KPIを設定する上で重要なことは、「KPIを達成し続けることで最終目標を達成できるか」ということです。仮に、KPIを達成したところで最終目標まで近づくことができなければ、そのKPIに価値はありません。
上記で紹介したKSFを上手く活用することで、最終目標と関連するKPIを立てることができます。
Time-bound(期限)
最後に、KPIで設定したタスクを実行する期間を設定する必要があります。
「いつまでに目標を達成するべきか」を明確にしておくことで、取り組むべき施策が変化します。例えば、「見込み客を1000人獲得する」というKPIを設定した場合でも、期限が1か月か半年かで行うべき施策は変化するでしょう。
いかがでしたか?今回はKPI・KGIについて紹介しました。
ビジネスマンの方なら一度は悩むKPIの設定も、この記事を参考にして頂ければ簡単に設定することができるので、ぜひご参考にしてください!
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