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成功循環モデルとは|構成する4つの質と2つの循環モデルを紹介
「成功循環モデル」という言葉をご存知ですか?これは、組織が継続的に成長するために重要な考え方です。今回は、成功循環モデルの意味や構成する4つの質、2つの循環モデルを紹介します。
成功循環モデルとは、より良い組織を生み出すための基本的な考え方のこと
成功循環モデルとは、より良い組織を生み出すためのフレームや考え方のことです。成功循環モデルは、MIT組織学習センターの共同創始者であるダニエル・キム氏が提唱した概念です。
成功循環モデルに当てはめ組織の現状を捉えることで、今後より良い組織を生み出すために必要となる具体的な方法が明らかになります。
成功循環モデルの「4つの質」
成功循環モデルには「4つの質」があり、この4つの質を変化する動的なものとして捉えます。4つの質の詳細には以下のものがあります。
- 関係の質
お互いに信頼があり、人と人の間に垣根がなくコミュニケーションが取れている状態。 - 思考の質
理解が浸透しており、多くの質問やアイデアが出る状態。 - 行動の質
効果的な行動を積極的に取ることで、新しい行動が生み出される状態。新しい行動によって、組織の仕組みや基準が変わる。 - 結果の質
組織の目標が達成でき、高い成果や業績をあげられた状態。
組織の循環モデルでは、これらの4つの質が以下のようにループしています。
組織の2つの循環モデル
組織の循環モデルには、「グッドサイクル(好循環)」と「バッドサイクル(悪循環)」の2つの種類があります。どちらも循環サイクルは同じですが、それぞれ起点が異なります。
グッドサイクル(好循環)
グッドサイクル(好循環)は、周囲の人とのコミュニケーションを高める「関係の質」を起点に始まります。
「関係の質」を高めると、目的意識を持ち自主的に考えられるようになるため「思考の質」が高まります。さらに、「思考の質」が高まると、主体性を持ち自発的に動くようになり「行動の質」が高まります。また、「行動の質」が高まると、成果につながり「結果の質」が高まります。「結果の質」が高まると、さらに「関係の質」が高まります。
グッドサイクル(好循環)のとき、4つの質の各段階では以下のようなことが起こっています。
- 関係の質
組織内で自然な声かけや挨拶、世間話が行われます。そうすることで、仕事へのビジョンや思いを共有でき、お互いを信頼し合える関係に発展します。また、社外の人とも関わり合えるようになります。 - 思考の質
組織内で起こっていることに関心を持ち、当事者意識を持てるようになります。物事の受け止め方も柔軟になり、視点も高まります。そうすることで、組織の目的や存在意義を考え、チームとしての思考力も向上します。 - 行動の質
周囲の人々を支援したり、アイデアの共有・相談をしたりするなど主体性が高まります。これらの行動を繰り返すことにより、自発的に動き、積極的に行動できるようになります。 - 結果の質
目標に到達した時の達成感や成果を実感できるようになります。 - 関係の質
1〜4のサイクルを循環させることにより、さらに信頼関係が高まります。
バッドサイクル(悪循環)
活性化していない組織や結果だけを求めている組織は、バッドサイクル(悪循環)に陥っている可能性があります。このとき、成果だけを上げようとしているため「結果の質」を起点にサイクルが始まります。
成果を上げるために「結果の質」を向上させようとしますが、なかなか成果につながらない状態が続くと対立や押し付けが起こり、信頼関係が築けず「関係の質」が低下します。「関係の質」が低下すると、受け身の姿勢になるため「思考の質」が低下します。さらに、自発的な行動が取れず「行動の質」が上がらず「結果の質」がさらに低下します。
バッドサイクル(悪循環)のとき、4つの質の各段階では以下のようなことが起こっています。
- 結果の質
成果・業績だけを上げようとしてしまい、目標が達成できない状態に陥っています。 - 関係の質
挨拶や世間話などのコミュニケーションが減り、対立や押し付けが起こります。また、命令や一方的な指示が増えてしまい仕事がつまらないと感じ始めます。 - 思考の質
失敗を回避するため、自発的に考えることをやめてしまい受け身の姿勢になります。 - 行動の質
自分のことだけを考えるようになり、自発的に行動できず消極的な姿勢になってしまいます。 - 結果の質
1〜4の悪循環により、さらに成果が上げられなくなります。
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