マイクロマネジメントとは？生じる背景や悪影響、改善方法を紹介

マイクロマネジメントという言葉をご存知ですか？マイクロマネジメントは、上司の過干渉の原因となるマネジメント手法であるとされており、対処したいと考えている方も多いかと思います。

この記事では、マイクロマネジメントの生じる背景や及ぼす悪影響、改善方法について紹介します。

マイクロマネジメントとは、部下の業務を細かく管理するマネジメント方法

マイクロマネジメントとは、上司が部下の業務や行動を細かくチェックし、過干渉してしまうマネジメント方法のことを指します。具体的には、上司からの強制的な指示や些細なミスの追及などがマイクロマネジメントに当たります。部下にストレスを与えるおそれがあるため、対処すべきマネジメント方法として注目されています。

マイクロマネジメントが増加している背景

マイクロマネジメントが増加している原因として、まず、テレワークやリモートワークの増加が挙げられます。自分の目の届かないところで部下がしっかり仕事をしているかが気になり、頻繫に報告を求めてしまうというようにマイクロマネジメントが生じるのです。

また、業務量の増加もマイクロマネジメントの原因として挙げられます。残業時間の削減などが求められる中で上司の業務量は増加し、部下を気遣う余裕がなくなり、指示した業務だけをさせるようになります。

マクロマネジメントとの違い

マイクロマネジメントとよく似た言葉に、マクロマネジメントがあります。マクロマネジメントとは、目指すゴールだけを伝えて、そのやり方は部下に任せるというマネジメント手法です。マクロマネジメントは部下の自主性を尊重するという点で、マイクロマネジメントと異なり、過剰なマイクロマネジメントを解消できるマネジメント手法であると言えます。

マイクロマネジメントが及ぼす悪影響

部下が主体的に行動できなくなる

マイクロマネジメントでは、部下は細かく指示されて業務を行うことに慣れてしまい、自分で考えて行動できなくなります。言われたとおりにしか行動できなくなり、ミスが発生してもすぐに対処できなかったり、成長できなかったりと企業全体に大きな影響を及ぼすようになります。

部下のモチベーションが低下する

マイクロマネジメントを受けた部下は、上司に過剰に管理されることで自分が信頼されていないと感じるようになり、業務に対するモチベーションが低下してしまうおそれがあります。また、指示ばかり受け、自分で考えて仕事をする必要がなくなると、仕事に対するモチベーションの低下にもつながります。

上司自身の業務が増加する

マイクロマネジメントは、上司自身にも悪影響を与えます。マイクロマネジメントを行うと、自分の業務だけでなく、部下の管理にも多くの負担がかかるようになるため、上司の業務量は増加します。上司の業務量が増加し、すべての業務をこなせなくなれば、生産性は低下してしまうでしょう。

組織の生産性が低下する

マイクロマネジメントの過剰な管理により、部下が自主的に考えて行動しなくなったり、モチベーションが低下したりすることで業務がスムーズに進まなくなり、組織全体の生産性低下につながります。

マイクロマネジメントの改善方法

最終的な目標を明確にして部下に浸透させる

マイクロマネジメントを改善するにはまず、上司に当たる人が最終的な目標を明確にして、部下に浸透させることが重要です。目標を提示しておくことで、部下は頻繁に指示を与えられなくても業務に取り組めるようになります。このとき、業務を行う際の細かな方法は指定せず、自主性を育てましょう。部下の自主性を育てることで、組織全体の生産性を向上できます。

報告などの業務上のルールを決める

マイクロマネジメントの改善には、報告の頻度や方法など業務上のルールを決めておくことも大切です。過度に進捗確認すると、部下は自分が信頼されていないと感じたり、強いプレッシャーを感じたりしてしまいます。報告の頻度などをあらかじめ決めておくことで、適切なタイミングでフォローやフィードバックといったサポートができます。

また、業務を遂行する上で守るべき最低限のルールなども決めて、あらかじめ伝えておけば、部下は不安を感じることなく業務に取り組めるようになるでしょう。

部下の自主性を尊重する

部下の自主性を尊重することもマイクロマネジメントの改善に役立ちます。例えば、部下が自主的に考えた方法が、上司である自分の考えと異なっていてもまずは尊重しましょう。自分の考えが正しいと思いすぎないようにし、部下に行動の理由などを聞き、フィードバックをします。

また、部下の自主的な行動によって生じた些細なミスまで責めないようにしましょう。すべてのミスを指摘しては、部下の自主性を損なってしまうおそれがあります。