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成人発達理論とは|知性の3段階と発達の5段階を紹介

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「成人発達理論」という言葉をご存知ですか?これは、成人以降の人間の成長や発達に焦点を置いた発達理論の1つであり、ビジネスパーソンとしての成長に役に立つ考え方です。
今回は、成人発達理論の概要と知性の3段階、発達の5段階を紹介します。

成人発達理論とは、成人以降の人間の成長や発達のプロセスを理論化したもの

成人発達理論とは、人間は成人以降も成長し続けるという前提を基に、人間の知性や意識などの成長・発達プロセスを理論化したものです。発達心理学の分野の1つで、「成人以降の知性発達理論」や「成人以上の意識発達理論」と呼ばれることもあります。

成人発達理論は、リーダーシップの開発のために企業から注目されつつあります。成人発達理論を理解することで、リーダーになるためにはどのように成長すればよいのかがわかります。

「水平的成長」と「垂直的成長」の成長軸

人間の成長には「水平的成長」と「垂直的成長」の2軸があります。

  • 水平的成長:知識やスキルを高める「量的」な成長のこと。
  • 垂直的成長:人としての器の拡大や人間性を深める「質的」な成長のこと。

一般的に日本の企業では水平的成長を求められる傾向があります。しかし、新しい知識やスキルを得ることができたとしても、人としての器が小さければ業務に活かせません。人間が成長するには、「水平的成長」と「垂直的成長」のどちらも重要だと言えます。

成長に必要な「批判的内省」

人間が成長するには、単純に自分自身を省みるだけでなく、信念や前提、固定概念を振り返る「批判的内省」が必要です。日頃から、自分自身の業務に対して振り返りや内省を行い習慣化できるようにしましょう。また、批判的内省は1ON1ミーティングなど、第三者との対話や支援があるとより効果的に行えます。

成人の知性の3段階

アメリカの発達心理学者であるロバート・キーガン氏は、著書『なぜ人と組織は変われないのか』の中で、成人の知性は知性のレベルと時間によって、3つの段階を踏んで変化していくと提唱しています。

第1段階:環境順応型知性

知性発達の第1段階である「環境順応型知性」は、まだ自己が確立できておらず、周りの人の影響によって行動が変わる段階です。自律型人材とは異なり、指示待ちの人材だと言えます。また、環境順応型知性段階の人は、組織内のルールを守りチームワークを重んじるという特徴があります。

第2段階:自己主導型知性

「自己主導性型知性」は、自己を確立し、自己に基づいて判断・選択をする段階です。自分の考えを持ち動いていくため、自律型人材として有望視されます。

しかし、自身の考えに固執する場合も多く見られ、必要な変化が受け入れられないということもあります。このように、客観的に自分自身の行動を見られない点が、自己主導性型の人材の特徴だと言えます。

第3段階:自己変容型知性

知性発達の第3段階「自己変容型知性」は、自分自身の判断基準や価値観を必ずしも正しいものだと思い込まず、周囲からの情報が自分自身をさらなる変化へと導いてくれると理解している段階です。自己変容型知性の人材は、周りの意見を聞き入れる姿勢を持っているという点が特徴です。

成人発達理論の5段階

ロバート・キーガン氏が提唱した成人発達理論では、人間には5つの意識段階があるとされており、第1段階の具体的思考段階が未成年を指し、第2段階の道具主義的段階が成人の始まりだと示されています。

ただし、成人発達理論の発達段階は、厳密に年齢によって決まるわけではありません。発達段階には個人差があり、若年層でも成熟している人もいれば、中年層でも自己中心的な言動をとる人もいます。

成人発達理論の5段階の詳細は以下の通りです。

第1段階:具体的思考段階

成人発達理論の第1段階である具体的思考段階は、言語を習得した子供や未成年者のことを指します。言語は理解できますが、形のないものは理解できない状態です。

第2段階:道具主義的段階

道具主義的段階は、自分の関心や欲求を満たすために、他者を道具のように扱ってしまう自己中心的な状態を指します。この段階は利己的段階とも呼ばれ、自分自身と他者の考えが分断されており、自分の関心のあること以外が考えられないという特徴があります。

第3段階:他者依存段階

第3段階である他者依存段階は、自分自身の意思決定の基準を持っておらず、他者や所属している組織の意思決定基準に沿って行動する段階です。慣習的段階と呼ばれることもあり、成人人口の約70%がこの段階に属していると言われています。

意思決定に関する価値体系が構築されていないため、自分の意見を表に出すことが難しく、いわゆる指示待ち人間の状態です。

第4段階:自己主導段階

第4段階の自己主導段階は、自分自身の価値観が確立され、自ら意見を述べることができる段階です。自律著述段階とも呼ばれ、自律型人材に近い状態です。

第5段階:自己変容・相互発達段階

第5段階の自己変容・相互発達段階は、多様な価値観を受け入れながら他者と関わり、お互いに成長する段階です。自分自身の成長だけでなく、自分と他者を区別せず他者の成長支援が行えるため、リーダーとしての資質を身につけている段階だと言えます。

この段階の人材は、他者の考えや価値観を理解するために、他者と積極的に関わりを持とうとします。

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