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影響の輪とは?メリットやビジネスに応用する際のポイントを解説
「影響の輪」という言葉をご存知ですか?
影響の輪は、経営コンサルタントのスティーブン・R・コヴィー氏の自己啓発書で提唱され、主体的な人間になるための重要な考え方とされています。
今回は、影響の輪の定義や活用するメリット、ビジネスで応用するためのポイントを解説します。
目次
影響の輪とは、自分で変化させたり影響を与えたりできるもののこと
影響の輪とは、自分が興味を持っている事柄の中でも、自分が行動することで変化や影響を与えられるものを指します。例えば、自分の今日の食事は意思決定次第で予定と違うものに変えられますし、生活習慣も自分の努力によって変えることができます。
影響の輪は経営コンサルタント・作家であるスティーブン・R・コヴィー氏が提唱した考え方です。コヴィー氏は著書『7つの習慣〜人格主義の回復〜』の中で、人格を磨くための原則として7つの習慣を提案しています。その中でも第一の習慣である「主体的である」を達成するうえで、自分が影響を及ばすことができる事柄とそうでない事柄を区別する必要があり、そのために「影響の輪」という考え方が導入されました。
関心の輪とは、自分が関心を持っている全てのもの
影響の輪に関係する言葉に、「関心の輪」というものがあります。
影響の輪が関心のある事柄の中でも自分で変えられるものだけを指すのに対して、関心の輪とは自分が関心を持っている事柄全てを指します。関心の輪と影響の輪の関係を簡単に表すと、下の図のようになります。例えば、次の日の天気やその日の上司の機嫌は気になることかもしれませんが、自分の手で変えられるものではないため、関心の輪に入っても影響の輪には入りません。
影響の輪に集中するメリット
スティーブン・R・コヴィー氏は、人がより主体的、つまり自分の意志や考えなどをもとに行動するためには、関心の輪でなく影響の輪に集中する必要があると提唱しました。影響の輪に集中するメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
物事に主体的に取り組めるようになる
影響の輪に集中すると、自分が影響を与えられないことに無駄なエネルギーを使わなくて良くなります。簡単な例として、明日の上司の機嫌や天気を心配しても何の変化も起きず、心配すること自体が無駄にエネルギーを使っていると言えます。
影響の輪の外の事柄にこのような無駄なエネルギーを使わないことで、影響の輪の中の事柄により多くのエネルギーを使えます。「自分がどのように行動したり、考えたりすれば自分の関心ごとが変化するのか」ということにより集中できるようになるため、自然と主体的に動ける人間になるでしょう。
一方で、主体的な人間の反対である反応的な人間は、関心の輪に自分のエネルギーを集中させる傾向にあります。自分が変えられない事柄にエネルギーを使う人間は、自分が望むようにならないことを環境や他人のせいにし、被害者意識を持ちやすくなるほか、自分から何かを変化させる意識がなくなってしまいます。その結果、自分の中での影響の輪は収縮し続け、ますます反応的な人間になります。
自分の影響の輪が広がる
反応的な人間の影響の輪は収縮を続ける一方で、影響の輪に集中する人はより主体的になり、その結果として自分の影響の輪がさらに広がります。何かを変化させるために自分の労力や時間を使うようになり、次第に自分が影響を及ぼせることが徐々に増えていきます。
自分の影響の輪を広げるのに効果的なのは、自分の影響の輪の中でも関心の輪に近い、ギリギリのところを変化させようとすることです。自分が簡単に変化させられる事柄よりも少し努力が必要な事柄に取り組むと、周囲から主体的な人であると思われ、今までよりもより大きな案件を任されるようになります。このように、影響の輪を大きく見せることによって周囲に主体的な人だと評価され、自分の影響の輪が広がるといったサイクルが生まれます。
ビジネスにおける影響の輪を活用する際のポイント
信頼や協力者を集めるためには影響の輪に集中し、主体的に動く必要がある
影響の輪に集中し主体的に行動できる人は周囲の信頼や期待を集めやすくなり、次第に協力者が増えていきます。例えば、自分が変化させることではないような部下の勤務態度や取引先の対応にイライラしているような上司は、反応的な人間の代表例です。このような上司よりも、「自分の行動をどう変えたらこの状況に対応できるか」「自分の考え方を変えることで何か良い影響を与えられないか」と考えるような主体的な上司の方が、より多くの部下の信頼や協力を得られるでしょう。
ビジネスにおいて影響の輪を意識することで、自分ができる事柄により集中できるほか、協力者を増やして自分が影響を与えられる範囲の拡大が可能になります。
他人や過去に影響され、反応的な生き方をしないよう心がける
影響の輪の中で自分が最も変えられるものは「自分」です。自分の行動や発言、考え方などは自分で変化させられるものの代表例です。逆に、関心の輪にはあっても自分が変えられないものの代表例は「他人」や「過去」です。過去は変えられませんし、各自の経験や環境、価値観などは過去の蓄積によって得られるものであるため、他人を変えることは難しく、多くのエネルギーを必要とします。
過去や他人などの変化させられない事柄を変化させようとする人は、一見主体的に見えても、変化できない事柄に影響されている反応的な人間だと言えます。いわゆる自己中心的な人間は、「自分が興味のある全ての事柄に影響を与えられる」と考えている、関心の輪と影響の輪の大きさが逆転した人間だとされます。自分が動くことで変えられる事柄とそうでない事柄を明らかにし、影響の輪の外にある事柄に振り回されないような主体的な働き方をするように心がけましょう。
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