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ポートフォリオ管理とは?ポートフォリオの種類やポイントを解説
ポートフォリオ管理という言葉をご存知ですか?
ポートフォリオ管理は、複数の事業などを展開している企業にとって「どの事業にどれだけ投資するのか」を決めるための判断方法となるため、重要な考え方として注目されています。
今回は、ポートフォリオ管理の基礎であるポートフォリオの種類や、管理のポイントを解説します。
目次
ポートフォリオ管理とは、事業や投資などの効用を最大化させるための組み合わせを選ぶこと
ポートフォリオ(Portfolio)には英語で「書類を運ぶケース」という意味があります。かつてはこのようなケースに顧客の様々な金融資産の一覧を入れて運んでいたため、ポートフォリオは「資産や事業、プロジェクトなどの組み合わせ」という意味で使われるようになりました。
ポートフォリオ管理あるいはポートフォリオマネジメントは、このような複数の事業やプロジェクトなどから全体の効用が最大になるように組み合わせや資源配分の割合を選ぶことを指します。例えば、とある企業が進めている以下の4つの事業のうち、それぞれがもたらす利益の大きさや性質、リスクやコストの低さを検討した上で、配分する予算の割合を決めることがポートフォリオ管理です。
ポートフォリオ管理の種類
「ポートフォリオ管理」という言葉は様々な業界で使われており、それぞれが指す「ポートフォリオ」の意味は少しずつ異なります。以下で様々な業界で使われる「ポートフォリオ管理」の意味を解説します。
プロダクト・ポートフォリオ管理:企業が展開する事業・サービスの組み合わせの管理を示す
プロダクト・ポートフォリオ管理は、企業が展開している商品や事業の組み合わせを管理することを指します。上の例のように、複数の事業に対して、自社が市場の中で占めているシェアや市場そのものの成長性などを分析することで「どれだけの経営資源をどの商品・事業に割り当てるのか」を決定します。
プロジェクト・ポートフォリオ管理:組織が進めるプロジェクトの組み合わせの管理を示す
プロジェクト・ポートフォリオ管理は、組織が進めているプロジェクト全体の進捗や状況を管理することを指します。組織の中で動いているプロジェクトの状況を監視して全体を捉え、想定と現状のギャップを把握します。そして、ギャップを埋めるために取るべき手段を検討します。
投資におけるポートフォリオ管理:所持している金融商品の組み合わせの管理を示す
金融・投資業界でのポートフォリオとは、個人や企業が保有している金融商品の組み合わせを管理することを示します。投資におけるポートフォリオの具体例としては、「金融資産のうち30%を株式、40%を債権、残りを不動産投資信託に投じている」といった例が挙げられます。このように、「自分の資産をどのような形でどれだけ所有するのか」を決めるのが投資におけるポートフォリオ管理です。
ITポートフォリオ管理:IT投資を行うシステムや案件の組み合わせの管理を示す
IT業界で使用されるポートフォリオ管理は、各システムの貢献度やリスクなどをもとに、IT分野への投資量や投資先を管理することを指します。その他にも、ITポートフォリオ管理によって案件の実効性を確認できるため、改修すべきシステムの選定やコスト配分を決定する際に有効です。
ポートフォリオ図を活用して分析を行う
プロダクト・ポートフォリオ管理において提唱された考え方に、4つの項目でプロダクトを割り振るポートフォリオ図があります。ポートフォリオ図では、下図のように自社が現在市場で占めているシェアを横軸に取り、市場そのものの成長性を縦軸に取ります。その上で4つの領域に分け、それぞれの特徴を以下のように分類しました。
- 花形:
花形とは、成長性の高い市場の中で自社がすでに高いシェアを占めている商品です。このポジションにある商品は市場の将来性と自社のシェアが高いポジションにあり、現状を維持するための取り組みやさらに伸ばすための取り組みが求められます。 - 問題児:
問題児とは、市場の成長性が高いにも関わらず、自社商品が市場の中でシェアを獲得できておらず、今後育成が求められるようなポジションです、このような領域には力を入れて、他社に負けないように事業を育成する必要があります。 - カネのなる木:
カネのなる木とは、成長性の低い市場で高いシェアを獲得している状態です。競合が少ないため現時点では良い収益源となりますが、市場の将来性が低いことが問題点です。このポジションの商品には積極的な投資は控え、収益をできるだけ早く回収してしまうことが効果的です。 - 負け犬:
負け犬とは、市場の成長性も低く、自社が占めているシェアも小さいようなポジションです。このような商品は競合との競争に弱いだけでなく、将来性もないため、市場から撤退することが得策だと考えられます。
ポートフォリオ管理を行う際のポイント
最終目標を明確にする
ポートフォリオ管理をするにあたって、どのような最終目標にするかを明確にしましょう。コスト削減や利益向上、リスク削減などポートフォリオを管理する目的は様々なものがあり、目標によっては管理する際の基準が異なります。そのため、具体的な数値を用いて、明確な最終目標を立てましょう。
将来的な事業間のシナジーを考慮する
ポートフォリオ管理をする際には、それぞれの事業にどれだけの予算を投入するかなどを考慮しますが、事業同士のシナジー(相互作用)は考慮できません。そのため、一見利益の少ないように見えた二つの事業が、両方を成長させることで結果として大きな利益を生み出す可能性があります。このような事業同士のシナジーを見越して最終的な判断を下すことも重要になります。
長期的に効用を最大化させることを意識する
ポートフォリオ管理をする際には、それぞれの現時点での利益の大きさや市場の成長性、占めているシェアなどしか把握できません。そのため、短期的な効用を求めていると、現在は評価が低くても将来的に評価が上がるかもしれない事業を切り捨ててしまう可能性があります。そのため、目先の利益だけでなく長期的な目線を持ってポートフォリオを管理しましょう。
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