この記事は 2 分で読めます
エスカレーションルールとは|トラブル発生時に適切に対応するには?
製造ラインやコールセンター、窓口などでは必ずトラブルや非常事態が発生します。
企業がこのようなインシデントに迅速に対応し、事態を最小限に抑えるためのキーとなるのがエスカレーションルールです。
今回はエスカレーションルールの基本や策定方法やその際のポイントを解説します。
目次
エスカレーションルールとは、トラブルや非常事態を上司に報告し指示を仰ぐ際のルール
エスカレーションルール(Escalation rule)は、「程度を段階的に上昇させる(エスカレート)際のルール」という意味を持ち、ビジネスでは「自分より上の立場の者に報告し、指示を仰ぐ際のルール」を示します。
企業は「何が起きたら誰にどのような方法で報告するか」を示すエスカレーションルールを定めることで、業務に大きなトラブルや非常事態などのインシデントが発生した際の迅速な対応が可能になります。
エスカレーションルールが必要となる場面の例
エスカレーションルールが必要となる例には以下のようなケースがあります。
- 顧客や取引先からクレームが来ている
- 自社商品に不具合が発生している
- 製造ラインや現場でトラブルが発生した
- 顧客対応に高い専門性が求められる
- 値段の交渉が求められている
このようなケースが発生したものの、担当者だけでは十分な対応ができない場合にエスカレーションルールが必要になります。担当者が事態の緊急性や解決策がわからないまま解決を試みてしまうと、誤った対応や対応の遅れによるさらなる事態の悪化を招いてしまう可能性があります。
エスカレーションルールは、このような事態に適切に対応できる上司に迅速に引き継ぎ、なるべく少ない被害で緊急事態を収束させるために重要な役割を持ちます。
エスカレーションルールを決める際の手順
1. トラブル・非常事態をリストアップし、レベル分けを行う
エスカレーションルールを定める際にはまず、エスカレーションが必要となるトラブルや非常事態を事前に予測する必要があります。これらを発生要因や担当者、対応の難しさ、緊急度などによってレベル分けを行います。
レベル分けを行うことで、知識が少ない担当者でも事態の深刻さや求められる専門性の高さがわかるようになります。このステップによって「インシデントの重大さを現場が把握できていなかった」という事態を防げます。
2. 報告する基準や手段、相手を明確にし、エスカレーションフローを作成する
次のステップとして、「何が起きたら誰にどのように報告するのか」を示すエスカレーションフローを明確に決めます。明確なエスカレーションフローの例としては、「1時間以内に同じ不具合のクレームが3件きたら◯◯部長に電話で報告する」といったルールが挙げられます。また、1つの方法で連絡が取れなかった場合にどのような方法を取るのかも明確にすると良いでしょう。
ここでのポイントは報告される側の上司にも十分にエスカレーションフローを周知することです。「どのような事態の時に自分に報告が来るのか」を知っていることで、上司側も迅速な対応が可能になります。
3. 定期的にルールをチェックし改善を行う
一度決めたエスカレーションルールは定期的に中身のチェックを行い、改善する必要があります。ルールの作成時には想定していなかったインシデントや、より良いエスカレーションフローが見つかった場合、担当者が変わった場合などはルールを見直し、改善しましょう。
エスカレーションルールを決める際のポイント
エスカレーションルールはシンプルなものにする
エスカレーションルールは知識があまりない人でも簡単に理解でき、かつ迅速に実践できなければならないので、なるべくシンプルであることが求められます。また、様々なインシデントに網羅的に対応するためにルールを多く作りすぎても対応に時間がかかってしまうので、「対応に困った際のエスカレーションルール」なども定めておくと、より早い対応が可能になります。
迅速に情報共有することを義務付ける
エスカレーションルールを活用する際のトラブルとして、上司への報告が遅くなってしまうケースや、報告された上司の対応が遅くなってしまうケースが挙げられます。例えば、現場に届いた取引先からのクレームへの上司の対応が遅くなっていることが担当者・現場に伝わっておらず、不満が溜まってしまうケースがあります。
このような事態にならないためにも、エスカレーションする際だけでなく、エスカレーションされた対応の進捗状況が迅速に共有されるような体制を日頃から作りましょう。
報告しやすい体制を作る
エスカレーションルールが担当者に活用されないケースとして、「エスカレーションの基準に達しているか悩んだ」「自分のエスカレーションが誤報である可能性を恐れて、上司に報告しづらかった」といったケースがあります。エスカレーションルールを作っても、このように担当者が抵抗を感じ、上司に報告することをやめてしまえば意味がありません。
このような事態を防ぐためにも、日頃から上司へ報告・相談するハードルを下げ、例え誤報であっても責任を追求しすぎない組織を作る必要があります。
今さら聞けない、営業マネージャーが知っておくべきKPI・KGI
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。