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リモートハラスメント(リモハラ)とは?具体例や原因、対策を解説
リモートハラスメント(リモハラ)という言葉をご存知ですか。最近ではリモートワークが普及したことでリモートハラスメントに注目が集まっています。
この記事では、リモートハラスメントの具体例や起きる原因、そして社員や企業が取れる対策を解説します。
目次
リモートハラスメント(リモハラ)とは、リモートワーク中に起きるハラスメントを指す言葉
リモートハラスメントとは、在宅勤務をはじめとするリモートワーク中に起きるハラスメントを指す言葉です。「リモハラ」と略されることがあるほか、「テレワークハラスメント(テレハラ)」と呼ばれる場合もあります。ハラスメントとは、嫌がらせやいじめといった不快感・不利益を相手に与える行為を指します。
新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけにリモートワークが広く普及したことでリモートハラスメントも増加しているため、社員も企業も対策しておく必要があります。
リモートハラスメントの具体例
リモートハラスメントには、セクハラ(セクシュアルハラスメント)の要素を持つものや、パワハラ(パワーハラスメント)・モラハラ(モラルハラスメント)の要素を持つものなどがあります。
セクハラ(セクシュアルハラスメント)型
厚生労働省によると、セクシュアルハラスメントとは「職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」を指します。
出典:厚生労働省 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605548.pdf)
職場は「労働者が業務を遂行する場所」とされているため、在宅勤務中の自宅なども職場に含まれます。
セクハラ型のリモートハラスメントの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 服装や化粧、体型などについて言及・指示する
- 性的な動機から室内や全身を映すように要求したり、室内の様子から個人情報を収集しようとする
- 性的な動機から不必要な1対1のオンライン会議を要求したり、1対1のオンライン飲み会に誘う
セクハラは、男性・女性ともに被害者にも行為者にもなりうるほか、異性に対するものだけでなく同性に対するものも存在します。
パワハラ(パワーハラスメント)型・モラハラ(モラルハラスメント)型
厚生労働省によると、パワーハラスメントとは、「①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすもの」とされています。
出典:厚生労働省 事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000584512.pdf)
また、モラルハラスメントとは、倫理・道徳に反した嫌がらせ行為を指す言葉で、パワハラとは異なり職場の優越的な関係がなくても成立します。
パワハラ(パワーハラスメント)型・モラハラ(モラルハラスメント)型のリモートハラスメントの具体例には、以下のようなものがあります。
- 暴言を吐く
- 処理しきれない無理難題や無駄な業務を押し付ける
- オンライン飲み会を頻繁・長時間開催する
- 常にカメラやマイクをONにさせて監視する
- 業務の進捗を過剰に確認したり、連絡が少しでも遅れると叱ったりする
- 子どもなどの同居人やペットなどが立てる音に関して叱責する
また、指示に従わない、パワハラで訴えると脅すなどの部下から上司に対する「逆パワハラ」も存在します。特に、ITスキルの低い上司に対してITへの不慣れさをバカにするといったテクハラ(テクノロジーハラスメント)が起こりやすくなっています。
リモートハラスメントが起きる原因
仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまう
リモートワークではカメラを通して相手の室内の様子が見えるなど、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまうことがリモートハラスメントが起きる最大の原因となっています。
また、オフィスでの勤務とは異なりリモートワーク中は周囲の目がないため、どうしても気持ちが緩みやすく相手との距離感を間違えてしまうこともリモートハラスメントの原因となります。
リモートワークに慣れておらず不安を感じている
リモートワークでコミュニケーションが取りづらいことや、在宅勤務ではプライベートな空間で仕事をしなければならないことなどから、リモートワーク下ではストレスを感じやすくなっています。その結果、不安定な精神状態からリモハラを起こしやすくなったり、被害者側も許容できずに限界を迎えやすくなったりします。
また、上司は相手の状況が見えづらいリモートワーク下で適切にマネジメントできるか不安を抱えており、部下に過剰に干渉してしまいがちになります。
リモートワークに関するルールが整備されていない
リモートワークは新型コロナウイルス感染症流行をきっかけに急速に普及したため、業務や勤怠管理などに関するルールがきちんと整備されていない場合があります。その結果、社員が不安を抱えやすくなったり、リモートワーク特有の問題が放置されたままになったりして、リモハラの原因となります。
【社員側】リモートハラスメントへの対策
私生活を感じさせないように工夫する
リモートハラスメントの被害を防ぐ対策として、私生活を感じさせないように工夫するのが有効です。具体的には、部屋着ではなくオフィス勤務時の服装に着替えたり、リモート会議の背景に私生活を感じさせるものが映らないようにしたりするといった対策があります。
リモート会議は録画するようにする
リモート会議を録画することも、リモートハラスメントの防止に効果的です。録画することでリモハラの被害を防げるだけでなく、会議の内容を後から確認できるため円滑な業務進行にも活かせます。
報告や連絡をこまめに行い、上司からの連絡には素早く対応する
報告や連絡をこまめに行い、リモハラの原因となる不安を取り除くこともリモハラの対策になります。上司から連絡が来た際には、可能な限り早く対応するように心がけましょう。また、離席時にはそのことが他の人にも分かるようにするのも有効です。
自らの言動に注意し、プライベートに干渉しないようにする
リモートハラスメントをしてしまう側にならないために、自らの言動に注意し相手を思いやるように心がけましょう。たとえ気になってしまったとしても、相手のプライベートに干渉しないよう注意します。
また、どのような行為がリモハラに該当するのか理解しておくことも加害者にならないために重要です。
【企業側】リモートハラスメントへの対策
リモートワークにおけるルールやマナーを設定し周知する
リモートハラスメントに対する企業側の対策として、リモートワーク中のルールやマナーを整備し、社員に周知することが挙げられます。具体的には、連絡方法や緊急時の対応、離席時の報告方法などを設定します。
リモートハラスメントに関する社内教育を実施したり相談窓口を設けたりする
リモートハラスメントに関する社内教育を実施したり、相談窓口を設置したりすることも有効な対策の1つです。社内教育では、リモハラに該当する行為やリモートワーク中のルール・マナーを周知するだけでなく、被害に遭った際の対応方法も伝えることが重要です。
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