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【基本解説】MRR・ARRとは?定義や計算方法、使い分け方を解説

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「MRR」「ARR」という用語をご存知ですか?
この2つの指標は、サブスクリプションやSaaS型のサービスを提供する企業の成長性や安定性を評価する重要な指標として使用されています。

今回は「MRR」「ARR」および関連する「NRR」の基本を解説します。

MRRは月額課金方式などによる毎月発生する収益を指す

MRRは「月間経常収益」を意味するMonthly Reccuring Revenueの頭文字を取った用語です。MRRの算出には、契約時に生じた初期費用や追加費用などの特例的に発生した収益は算入せず、毎月必ず得られる収益のみを考慮します

MRRはサブスクリプションやSaaS型サービスを提供する企業によって用いられる

MRRは毎月発生する収益のみを算出に使用するため、ユーザーが月額料金を支払うサブスクリプションやSaaS型サービスを提供する企業が使用します。このようなサービスは、毎月新規契約・継続・解約による契約数の変動が大きいため、経常収益の算出対象期間が短いMRRの使用が適切だと言えます。

MRRの計算に使用する関連指標

企業がMRRを算出する際は、New MRR・Churn MMR・Expansion MRR・Downgrade MRRの4つの種類のMRRを算出します。

New MRR:新規顧客から得られる月間収益

New MRRとは、対象の月に新しく契約した顧客から得られる収益です。例えば、月5万円の収益が得られる契約が新たに20件取れた月のNew MRRは100万円になります。

New MRRは、営業やマーケティングなどによる新規顧客の獲得に向けた取り組みの成果が測れる他、事業の成長性の指標にもなります。過去のNew MRRと比較することで新規顧客の獲得による収益は伸びているのか、新規顧客の獲得にかけた費用の効果がどれだけあったのかなどを測れます。

Chrun MRR:顧客の解約によって失われた月間収益

Churn MRRとは、対象の月に顧客が解約したことによって失った月間の収益です。例えば、月5万円の契約が20件解約された月のChurn MRRは100万円になります。

Churn MRRは、解約数の多いタイミングでは大きくなりやすいため、前年度の値と比較することで、顧客が離れやすくなっていないかなどの検証ができます。

Expansion MRR:前の月よりも取引額が増加した顧客から得られる月間収益

Expansion MRRとは、より月額料金の高いプランに移行した顧客や、追加で別の契約を結んだ顧客などから得られる月間収益です。例えば、月10万円の契約から月20万円の契約に変えた顧客が10人いた場合、Expansion MRRは100万円になります。

アップセル・クロスセルといった一人当たりの購入額を上げることがExpansion MRRの増大につながります。アップセル・クロスセルの詳しい説明は以下の記事をご覧ください。

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Downgrade MRR:前の月よりも取引額が減少した顧客から得られる月間収益

Downgrade MRRとは、Expansion MRRの逆で、より月額料金の低いプランに移行した顧客や、契約数を減らした顧客などから得られる月間収益です。例えば、月20万円の契約から月10万円の契約に変えた顧客が10人いた場合、Downgrade MRRは100万円になります。

Expansion MRRとDowngrade MRRを算出する際は、その顧客から得られる収益額の総和ではなく、収益の前月からの変動額の総和であることに注意が必要です。

MRRはNew MRR・Expansion MRRの増加、Chrun MRR・Downgrade MRRの減少によって増やせる

MRRは、以上の4つの種類のMRRを用いて、以下の式で表されます。

MRRの式


今月のMRR = 先月のMRR + New MRR – Churn MRR + Expansion MRR – Downgrade MRR

先月顧客から得た月間経常収益から「新しく契約した顧客によって増えた経常収益」「より高い契約をした顧客によって増えた経常収益」を足し、「顧客が解約したことによって減った経常収益」「より安い契約をした顧客によって減った経常収益」を引くと算出できます。つまり、MRRを大きくするためには「より多くの新しい顧客を得る」「より多くの顧客により高い契約に移行してもらう」「解約数を抑える」「安い契約への移行を抑える」ことが重要になります。

ARRは年間契約などによる毎年発生する収益を指す

MRRが月間の経常収益であるのに対して、ARRはAnnual Reccuring Revenueつまり「年間経常収益」を表します。ARRもMRRと同様、契約の際に発生した初期費用や追加費用などから得られる収益は含まれません。

ARRは年間の経常収益であるため、過去1年間のMRRを足し合わせることで計算できます。時期によって契約・解約数の変動が少ない業種ではMRRの変動が少ないと考えられるため、ARRを指標として用いる場合があります。

NRRは売上の維持率を指す

NRRはNet Retention Rateつまり売上維持率あるいは売上継続率を意味します。前年の同月(あるいは先月)に持っていた既存顧客による収益が現時点でどれだけ維持できているかを表す指標であり、先月と比較したNRRを求める場合、以下の式で定義されます。

NRRの式

NRR = 1 + (Expansion MRR – Churn MRR – Downgrade MRR)/ 先月のMRR

このとき、Expansion MRR – Chrun MRR – Downgrade MRRは既存顧客の単価増加による経常収益の拡大が、解約や安い契約への変更による経常収益の減少に比べて大きいかどうかを示しています。

NRRが1を超えている場合、既存顧客だけでも以前より経常収益が伸びていることがわかります。逆に1を下回っている場合、既存顧客から得られる経常収益が減少しているため、新規顧客によって新たに経常収益を得なければ業績の悪化につながってしまいます。

MRRとARRの使い分け

短期的な成長性を測る際はMRRを使用する

MRRは1ヶ月単位で業績の指標を測れるため、顧客の契約状況の変動が激しい業種の事業の安定性や短期的な成長率の評価に使用されます。このような業種は1年ごとの収益の値だけでは、契約数の増加や減少などの安定性や成長性が把握できず、投資家などが正しく企業の状態を把握できなくなります。

そのため、投資家などの外部に向けて事業の短期的な安定性や成長性をアピールしたい場合は、決算資料などに毎月のMRRの推移を載せることがあります。

正確な売上の予測をする際はARRを使用する

MRRに対して、1年間の収益を評価できるARRは、将来の売上の予測に使用される場合や企業の時価総額の算出に使用される場合があります。会計上で表される収益額はARRとは算出方法が異なり、直近のデータを用いて安定性を評価しやすいという性質があります。

そのため、投資家などによって最新かつ長期的な実績をもとに事業の評価をしてもらう場合や、売上を予測する場合などはARRを使用します。その他にも、収益のほとんどが年間契約によるもので、事業が安定している場合はARRを使用します。

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