バリュープロポジションとは？メリットや重要なポイント、成功例を紹介

バリュープロポジションを理解して製品開発に活かしたいと考えている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、バリュープロポジションの意味やメリット、作成のために重要なポイント、成功例を紹介します。

バリュープロポジションとは、顧客が製品に対して感じる独自の価値のこと

バリュープロポジションとは、顧客が製品に対して感じる企業独自の価値のことを指します。つまり、バリュープロポジションは競合他社とは異なる製品の魅力のことであり、顧客が自社製品を購入する理由とも言えるため、製品開発において非常に重要なものです。

バリュープロポジションは顧客のニーズを満たすために重要

顧客のニーズを満たせる製品を開発するために、バリュープロポジションは重要視されます。近年、企業は競合他社との差別化を重視するあまり、顧客のニーズとかけ離れた製品を作る傾向があります。開発する立場からすると他の製品と似通わない製品を開発することは重要であるように思いますが、顧客が必要とする製品を開発しなければ売り上げにはつながりません。

バリュープロポジションを作るメリット

顧客のニーズと企業が提供している価値との差を捉えられる

顧客のニーズと企業が提供している価値の差が大きいと、顧客が満足できない製品を開発してしまうおそれがあります。しかし、バリュープロポジションを作成することで、顧客のニーズと企業の提供する価値の差を捉えられるようになります。そうすることで、製品の方向性も定めやすくなり、効率よく開発が行えるようになるでしょう。また、その差を理解する過程で顧客のニーズを発見し、新たな製品開発に役立てられる可能性もあります。

競合他社に対する自社の強みを知ることができる

顧客の立場で自社製品に対して感じている価値を捉えることで、競合他社に対する自社の強みを認識できます。自社の強みを理解できれば、強みではない部分に時間や労力を費やす必要がなくなります。また、強みを重点的に強化することで、製品が安定して支持されるようになるでしょう。

よいバリュープロポジション作成のために重要なポイント

意味をすぐに理解できるものにする

顧客が価値を一目で理解できなくては、製品を手に取ってもらうことは難しいです。そのためバリュープロポジションは、専門知識のない人であってもその意味をすぐに理解できるものにすることが重要です。例えば、シンプルなものにするために短い言葉を用いたり、曖昧な表現を避け具体的な内容を用いたりすることによって、明確に価値を示せます。

競合他社と差別化する

バリュープロポジションは自社独自の価値を示すものなので、競合他社と差別化された内容にすることが重要です。顧客の立場に立ち、自社の製品によって顧客のどのような課題を解決できるのかを考えましょう。自社の競合優位性を知る方法として、バリュープロポジションキャンバスの活用も効果的です。バリュープロポジションキャンバスとは、自社製品によって提供する価値と顧客のニーズを照らし合わせる図を指します。

バリュープロポジションの成功例

Uber

Uberは、ユーザーの利便性に注目してバリューポジションを作成しました。Uberは、従来のタクシーとは異なる利便性を持つ配車サービスを提供しています。従来は、タクシーに乗り込んだ際に目的地を伝えるという方法が一般的でした。Uberはアプリから事前に行き先を伝えられ、支払いも終えられるというように、配車サービスを利用するまでの流れを効率化し、ユーザーの利便性を向上したのです。

iPhone

Apple社は「スマートフォンを単なる機能の集合体にするのではなく、簡単に操作できるものにする」というバリュープロポジションの下、iPhoneを開発しました。iPhoneの登場以前にも複数の機能を備えた携帯電話はありましたが、操作が複雑であるという難点がありました。Apple社はこのようなニーズを捉え、iPhoneを携帯電話に複数の機能を持たせただけのものにするのではなく、洗練されたデザインを持ち直感的な操作が可能な製品として開発し、成功を収めたのです。

Dyson

Dysonは「吸引力が変わらない」というバリュープロポジションで成功しました。従来のパック式の掃除機には、パックが満タンに近づくほど吸引力が低下してしまうという課題がありました。Dysonはこのような顧客のニーズを捉え、「吸引力の変わらないただ1つの掃除機」というフレーズでも知られるサイクロン式の掃除機を開発したのです。