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CAGR(年平均成長率)とは|Excelを用いた計算方法や注意点を解説
皆さんはCAGRという言葉をご存知でしょうか。CAGRは、企業や事業の将来性を判断する指標として役立ちます。
この記事では、CAGRの概要やExcelを用いた計算方法、指標として活用する際の注意点を解説します。
目次
CAGR(年平均成長率)は、一定期間における各年の成長率を幾何平均した値
CAGRはCompound Annual Growth Rateの略であり、一定期間における各年の成長率を幾何平均した値です。幾何平均とは平均値計算方法の一つであり、比率で示されるデータの平均値計算によく用いられます。日本では年平均成長率とも言われ、企業の成長性や将来性を分析する際の指標になります。
CAGRの計算方法
例えば、初年度の売上が10万円であり、5年目の売上が50万円であったときのCAGRは以下のように計算されます。
Excelを活用すると簡単に計算できる
Excelを活用し、RRI関数やPOWER関数を用いることでCAGRを簡単に計算できます。
- RRI関数
RRI関数は、初期投資額からある期間で目標金額に達成するのに必要な利率を計算する関数ですが、CAGRの計算にも活用できます。=RRI(経過年数,初年度売上,N年度売上)*100 - POWER関数
POWER関数は、指数計算を求められる関数であり、以下のように入力します。=(POWER(N年度売上/初年度売上,1/(N-1))-1)*100
当記事の解説では2023年版エクセル(Microsoft 365 ver. 16.71)を使用しています。
メニューの表示箇所や表示形式が若干異なる場合がありますが、バージョンの違いによるものなので、類似のメニューがないか探してみてください。
CAGRが活用される場面
銀行や投資家に事業の将来性を示すとき
CAGRは平均成長率を表しているので、銀行や投資家に事業の将来性を示す際に役立ちます。CAGRは上記のようにこれまでの平均成長率を計算でき、次年度もその成長率で売上が伸びていくと簡易的に予測できます。そのため、銀行や投資家から融資を受ける際に、貸し倒れや元本割れのリスクがないことを示せます。
複数の企業や市場の成長性を比較するとき
CAGRは成長率を計算しているため、売上高に差がある企業や市場同士であっても比較が可能です。例えば、売上が10億円の企業Aと1,000万円の企業Bを比較したいときにCAGRが役立ちます。売上の額面では差が大きく比較できませんが、CAGRを算出し平均成長率を計算すれば比率になるため比較しやすくなります。
特殊成長要因を分析したいとき
各年度のCAGRを算出すれば、特異値が出た際に分析しやすくなります。例年のCAGRよりも大きくなっていたり、小さくなっていたりしたときにその年に起きたことを分析し、この成長率は持続するのか判断します。例えば、メディアで取り上げられた年にCAGRが大きくなっていればこの成長率は一時的であると考えられます。
CAGRを活用する際の注意点
計算対象の期間を考慮する
CAGRはどの年度の売上を計算対象にするかによって大きく変化するため、計算する年度を考慮する必要があります。売上が急増した年度を用いて計算するとCAGRの値が大きくなりすぎます。基礎的な成長率を把握するために、売上が急激に増減した年度を計算に用いるのは控えましょう。
CAGRはあくまで過年度実績であることを留意する
CAGRは過去の実績による結果であり、今後もその成長率が持続するのかは確定されていません。CAGRをそのまま用いるのではなく、分析の一助として他の要因や指標も考慮し将来予測を行う必要があります。CAGRによって投資先を決定する際は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)も合わせて分析することをおすすめします。
PERやPBRについて詳しく解説した記事もありますので、合わせてご覧ください。
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