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営業の現場・環境を変え「営業の悩みをゼロにする」——成果を出す手段としての営業を支援したい!
法人営業・BtoBマーケティングに携わるビジネスパーソンを支える「Musubuライブラリ」では、起業家やトップセールス・マーケターへのインタビューから、働き方や成果を上げるために大切なマインドなどをお届けしています。
今回は、コンサルティング型営業代行サービスを運営する株式会社営業ハックの代表取締役社長である笹田裕嗣様にお話をお伺いしました。
笹田 裕嗣(ささだ ひろし)
株式会社営業ハック 代表取締役社長
20歳の頃から営業のキャリアをスタート。新卒で大手人材会社に入社し、入社半年で営業成績トップになる。メガベンチャーに転職した後、営業フリーランスとして独立。独立後は営業代行事業・コンサルティング事業で、営業支援を100社以上実施する。
2018年4月「営業の悩みをゼロにする」ミッションを掲げ、株式会社営業ハックを創立。営業コミュニティの運営も行い、これまで累計200人を超える営業職の支援を行なう。2022年には日本最大級の営業の大会第6回『S1グランプリ』にて最終決戦で満票を獲得し優勝者となる。
ブログ:https://hiroshi-sasada.com/
Twitter:https://twitter.com/sasada_36
目次
「営業の悩みをゼロにする」営業で悩んでいる企業を支援する専門家
営業に様々な課題のある企業様の力になりたい
-「営業ハック」について教えてください。
営業ハックは、営業を「ハック」するという社名の通り、営業支援を生業にしている会社です。お客様の代わりに営業を行う代行業をメインに行なっており、その中でもテレアポ代行の割合が1番多いです。
また、アポを取ったけれど商談につながらない、営業パーソンのスキルが低く営業がこなせていないなど、フィールドセールス(外勤型営業)がうまく機能していないという企業様には、コンサルティングや営業研修といった形の支援を私自身が行なっています。
その他、「営業の人手やスキルが足りない」というご相談もよくいただくので、今後は現在ストップしている人材紹介業をスタートして、そちらも支援していければと考えています。
-どのような企業からのご依頼が多いのですか?
そうですね。比較的地方の企業様やメーカー、商社様から依頼をいただくことが多いです。YouTubeやTwitterなどのコンテンツを見て、相談してくださる企業様が多いように感じています。
営業を支援するためにコンテンツを作成して積極的に発信していく
-笹田さんは現在どのような業務を担当されているのですか?
私自身が行なっている業務としては、営業対応や新規顧客獲得などのフィールドセールスに近い部分が2割、顧客様への研修や営業の仕組みづくりなどのカスタマーサクセスが3割、コンテンツの作成が3割、残り2割が採用という感じで時間を割り振っていますね。
-コンテンツ作成にかなり時間を割いていらっしゃるんですね。
そうなんですよ。YouTubeやTikTokなどのコンテンツは、ただ作成するだけでなくコンテンツをいかに二次利用、三次利用できるかを考え作成しています。社内教育用のコンテンツやお客様用のコンテンツなどを作成するときは、単発で終わることだけは避けようと意識していますね。
相手に特別だと感じてもらいたい。誰よりも動くことが営業の原点に
学んだことを活かせる仕事が営業だった。やれることは全部やるという営業スタイルでトップセールスに
-笹田さんはどのようなきっかけで営業を始められたのですか?
元々は教員になり、野球部の監督をしたいと思っていました。しかし、就職活動を始めるタイミングに合わせて、人生の方向性をきちんと決めなければならないと考えたんです。それで、「今さらだけど教員になりたいと思っていないかもしれない」と感じたんです。そして、学んだことが活かせる営業という仕事を選んだのが始まりです。
-そういうきっかけだったんですね。実際に営業をしてみていかがでしたか?
初めての営業は20歳のときのインターンシップで、半年間、空気清浄機の飛び込み営業を行ないました。半年間やりきったあとは「飛び込み営業の次はテレアポだ」と思い、2ヶ月間、人材会社でのインターンシップも経験しました。
最後に行ったインターン先で「営業は数字、理屈だから逆算するんだよ」という話を初めて教わり目から鱗でした。また、就職活動中に事業責任者の方から「営業は仮説と検証の繰り返し」ということも教わりました。
インターンシップでの経験を経て、社員数1,000名を超える大手人材会社に新卒で入社しました。ここで1年目で営業成績トップになり、3年目からは社内ベンチャーの立ち上げに従事しました。
-営業1年目からトップセールスになられたということですが、何か秘訣はあったのですか?
そうですね。当時行なっていたことは、いつでも「御社用の資料です」と相手に言える状態を作るために、資料を全部持って営業に行っていました。表紙をあらかじめ印刷しておき「お客様のための提案書です」という風に提案し、少しでも相手が特別感を感じられるように工夫したり。
また、毎週土曜日の夜に「笹便り(ささだより)」というメルマガの送信をしていました。とにかく「笹田君、頑張っているな」と思ってもらえるように、当時はやった方がいいことは全部やるという形で誰よりも活動量が多かったと思います。そうしていたら、ありがたいことにトップセールスになれたというのが社会人1年目です。
お客様と営業という関係を超えて。お互いにメリットのある関係を作りたい
-その後、転職を経て「営業ハック」を起業されたんですよね。どのような経緯で起業されたのですか?
入社3年目に社内ベンチャーのコンテンツマーケティングの会社を立ち上げ、そこの事業部長に就かせていただきました。そのタイミングで、外部パートナーやアライアンス先を見つけてくるというミッションが入ってくるようになり、外部の人と接する機会が増えてきました。そこで改めて「なんて狭い世界で生きていたんだろう」と感じたんですね。
これまでは、クレームをもらって一人前という風土でがむしゃらに営業をしていました。でも、外部の人と話すようになり、お客様と営業の関係だけでなく「パートナーとして同等でやっていきましょう」「お互いにメリットのある関係を作っていきましょう」という形で仕事をしなければならなくなって。今までの自分の営業がどれだけ不毛であり、人に迷惑をかけていたのかに気づき、間違った思い込みから脱することができました。
このような経験から、営業の現場・環境を変え「営業の悩みをゼロにする」ため、2018年4月に営業ハックを立ち上げました。
-「営業ハック」という社名に込められた想いを教えてください。
はい。私は営業の仕事は、商品やサービスを売れるようにすることだけではないと感じているんですね。「営業の悩みをゼロにする」という目標を掲げて動いている中で、営業パーソンには、売りたくない商品やサービスを売らされていたり、売りたくないわけではないけれどスキルが低く売れないという課題があるのでは?と感じていました。
こうした課題を解決するために「これを知っていれば営業がうまくできる」ということをコンテンツを通して発信したり、「知っているけれどできない」ことは代行や研修をして支えたりすることで、営業の悩みをゼロにできるのではないかと「営業ハック」という名前を考えました。
「自分ができる」から「みんなできる」へ。チームで営業を成功させるために必要なこと
自分ができることが当たり前ではない。やる気と活動量だけではいけなかった
-これまでの経験を通して苦労されたことや失敗談はありますか?
そうですね。社会人2年目の頃、異動したチームに後輩が入ってきたときの話なのですが。今までやってきた営業は、自分にはできたけれど他の人には同じようにできず、再現性のないアクションだったと感じた経験があります。
アポが取れない後輩に対して、「アポが取れないのならもっと電話をかけましょう」や「お客様とコンタクトを取りたいのであればメルマガを送りましょう」など、自分がやって成功したことを言っていたのですが、同じようにできる人は1人もいなくて……
後輩がなぜできないのかを考えたとき「後輩のやる気がないから」という考えに行きついてしまいました。時間の使い方や優先順位の付け方など他に原因があったはずなのに、「できない」ではなく「やっていないだけ」だと捉えてしまい、全員に対してハードルが高すぎた結果、後輩が何人か潰れてしまったというのが1番の失敗談ですね。
-個人ではなくチームで営業を成功させなければならないのは難しいですよね。
そうなんです。当時は、自分の活動量を増やすことしか武器がなく、チーム全体で営業を成功させることに苦労しました。当時は、5名のパート社員・20名の学生というチームで営業を行なっていました。
一時期アポが全く取れなくなったことがあったんです。そのとき、大量にリストを確保することだけを優先して、「ハローワークのWebサイトをクローリングするツール」が社内システムであったので、それをもとに架電してもらっていました。しかし、「ハローワーク=無料で求人を出せる媒体」なので、採用に予算をかけたくない企業にアプローチをしていて、いくら架電してもアポが取れませんでした。
この経験から営業リストの大切さが分かり、今ではYouTubeなどで「営業はリストが9割」だとお話しさせていただいています。然るべき相手に然るべきタイミングで営業をしないと、どんなに良い商品・サービスでも不要なものになってしまいますからね。
営業リストを使い、然るべき人に必要な情報を届ける。これが営業のマナー
-然るべき人に営業をするために営業リストが必要ということですね。笹田さんにとって営業リストとはどのようなものでしょうか?
私は、営業リストは「受注と貢献の原資」だと思っています。営業リストを使うことは、必要な人に必要な情報を届けるために、営業がやるべきマナーだと思っているんですね。リスト作成、ターゲットの選定はみんなを幸せにするとともに、不幸な人を生まないという意味合いで大事なことだと言えますね。
また、営業リストは集めるだけでなく枯渇させず育てることも大切です。ぜひナーチャリングも行なってください。
営業を通して世の中を良くしたい。「営業の悩みをゼロにする」ために
適材適所で輝ける人が増えるために。会社も世の中も良くしていきたい
-今後の展望を教えてください。
「営業の悩みをゼロにする」という目標を達成するため、会社を存続し変わりなく邁進していきたいと思っています。さらに今後は、「営業の悩みをゼロにする」という領域や質を上げていきたいと考えています。そのための直近の動きとしては、採用を強化し架電業務ができる人を増やす予定です。
「営業の悩みをゼロにする」という目標を達成した先には、適材適所で輝ける人が増えていると思っているんですね。これを実現するために、お客様の課題ややりたいことを実現できるベストな手段というものを届けていきたいと思っています。
そのために行き着くところは営業なんですよね。「営業」という手段を磨くことによって多くの人の悩みや課題を解決して、適材適所で輝ける人たちを増やしていきたいと思っています。
また、2年後には我々が思うナレッジを使った新規事業の立ち上げを予定しています。事業を増やし別会社を作ることで、社会への貢献の幅も広げられると思っています。武器であるソリューションを磨きながら、会社も事業も世の中も良くしていきたいですね。
-最後に、ズバリ笹田さんにとって営業とは何でしょうか?
そうですね。営業は目標を実現するための「手段」ですね。あくまで、営業という手段であり、道具があってその先にやらなければならないことがあります。
営業の役割は貢献すること。受注・売上に繋げて、社内に成果をもたらすことができるものであり、その最短距離を歩むことができる武器・手段こそが営業だと思っています。営業力があればなんでもできるというわけではないですが、営業力があれば最短でできることが増えます。コミュニケーション職であり人を動かす仕事だと思っています。
-笹田さん、お忙しい中ありがとうございました。
笹田さんの所属されている株式会社営業ハックについて
株式会社営業ハックは営業代行事業、営業コンサルティング事業、営業研修事業など、営業を支援するため様々な事業を展開されています。
営業ハックの詳細は、ぜひこちらをご覧ください。