パフォーマンスマネジメントとは？4つの特徴やメリット、ポイントを紹介

パフォーマンスマネジメントという言葉をご存知ですか。これは従業員一人ひとりのパフォーマンスを向上させるマネジメント手法で、企業全体の生産性向上が期待できます。
この記事では、パフォーマンスマネジメントの概要や4つの特徴、取り入れるメリット、成功のためのポイントを紹介します。

パフォーマンスマネジメントとは、従業員の能力やモチベーションを引き出すマネジメント手法

パフォーマンスマネジメントとは、従業員の能力やモチベーションを引き出し、パフォーマンスを向上させるマネジメント手法です。アメリカのコンサルタントであるオーブリー・C・ダニエルズ氏が提唱しました。具体的には、上司が部下の行動を定期的なフィードバックで評価し、こまめな修正を行うことで従業員の主体的な行動を促します。

目標管理制度（MBO）との違い

パフォーマンスマネジメントと混同されやすいマネジメント手法に、目標管理制度（MBO/Manegement By Objectives）があります。MBOは従業員自ら目標を設定して、その評価を行うマネジメント手法であり、パフォーマンスマネジメントは上司が目標設定に関わるという点で異なります。MBOでは、従業員は自身で定めた目標が評価につながるため、消極的な目標を設定してしまうおそれがあります。

また、パフォーマンスマネジメントと比べるとMBOにおける評価は長期的であるため、従業員のモチベーションの維持向上にはつながりにくいです。

パフォーマンスマネジメントの4つの特徴

上司と部下間のコミュニケーションを重視する

パフォーマンスマネジメントでは、上司と部下間のコミュニケーションを重視するという特徴があります。上司が一方的に指示をするのではなく、部下とのコミュニケーションを頻繁に行い、目標設定や計画、フィードバックを共に決定することを大切にします。

個人の強みや個性を引き出す

パフォーマンスマネジメントでは従業員個人の強みや個性を特定し、それを発揮できるように促します。自身の強みが発揮できれば、仕事に取り組みやすくなり自信がつくことが期待できるため、モチベーションやパフォーマンスの向上につながります。

未来を意識したフィードバックを行う

パフォーマンスマネジメントでは未来を意識したフィードバックを行うという特徴があります。評価対象となる従業員の過去の行動に意識を向けるのではなく、目標達成のためにこれからどのような行動が重要なのかなど、未来の行動を指示します。これにより、従業員はどのような行動を取れば自身の成長につながるのか理解しやすくなり、高いモチベーションを維持して業務に取り組めます。

高頻度でフィードバックを行う

パフォーマンスマネジメントでは、フィードバックが数週間から数か月単位で行われ、マネジメント手法としては高頻度であるという特徴があります。タイムリーなフィードバックにより効率的な修正ができ、成長につなげられます。

パフォーマンスマネジメントを取り入れるメリット

エンゲージメントが向上する

パフォーマンスマネジメントを取り入れることで、従業員は自身の特性を生かせるようになり、やりがいを持って働けるため、エンゲージメントの向上につながります。また、こまめなフィードバックによって不満や悩みの解消につながる点もエンゲージメント向上に寄与する要素の1つです。

主体的な行動を促進できる

パフォーマンスマネジメントによって従業員のモチベーションが向上することで、主体的な行動を促進できます。従業員一人ひとりが主体的に行動できるようになれば、組織全体の生産性の向上にもつながります。

従業員の特性の把握につながる

パフォーマンスマネジメントではこまめなコミュニケーションを取るため、上司が部下の特性を把握しやすくなります。上司が部下の特性を理解できれば、適切な役割を与えられるようになり、モチベーションや生産性の向上が見込めます。また、特性を理解する過程は信頼関係の構築にもつながるでしょう。

環境の変化に対応できる

パフォーマンスマネジメントでは高頻度でコミュニケーションを取りフィードバックを行うため、目標の修正がしやすくなり、環境の変化に対応したマネジメントを行えます。環境の変化が大きい現代において、重要なメリットであると言えます。

パフォーマンスマネジメント成功のためのポイント

実施目的を共有する

パフォーマンスマネジメントを導入するにあたり、導入の目的や必要性を従業員に共有するなど、組織に浸透させることが大切です。上司が目的を認知することでフィードバックの質が向上したり、部下が意味を理解して取り組めるようになったりと、パフォーマンスマネジメントの効果を高められます。

マネジメントスキルを習得する

パフォーマンスマネジメントに取り組む上で、指導する上司のマネジメントスキルを向上させることが大切です。パフォーマンスマネジメントではフィードバックの質が部下の主体性育成に直接的に影響します。傾聴力やコーチングスキルの向上、マネージャーの意識改革を目的とした研修の実施などによって、マネジメントスキルの増強を目指すことが効果的です。