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【基本】リスクマネジメントとは|重要性や実施手順を簡単に解説
リスクマネジメントとは何かご存知でしょうか。ビジネスでは損害が起こらないよう、また信頼を失わぬようにリスクを予測し適切に管理する必要があり、リスクマネジメントを行うことが求められます。
今回は、リスクマネジメントの重要性や対応方法、実施手順について簡単に説明します。
目次
リスクマネジメントとは、リスクを未然に防ぐとともに生じた際は適切に管理すること
リスクマネジメントとは、リスクが生じないようにあらかじめ対策を講じたり、万が一起こった場合にはそれに対処して被害拡大を防いだりすることです。企業の経営に悪影響を及ぼしうるリスクを特定し、そのリスクの影響度や起こりうる原因を分析して、最小限に被害が収まるよう対策します。
ビジネスにおけるリスクには、自然災害などの偶発的に起こるものに加え、市場変化に伴う売上減少などの外部環境の変化に依存するリスクや、コンプライアンス違反といった内部から発生するリスクが挙げられます。
リスクマネジメントの重要性
様々なリスクがある中でも特に現在は、消費者ニーズの多様化によって市場が急速に変化するため、柔軟な経営戦略をとる必要性が増してきました。また、デジタル化やアウトソーシングの形態が主流になってきており、情報管理不足や外部からのサイバー攻撃に伴う情報漏洩リスクなど、ビジネスにおけるリスクが多様化しつつあります。
これらのリスクが発生すると、企業の売上が下がるだけでなく、信頼を損なうことにより倒産にも繋がりかねません。そのため、リスクが生じないよう回避したり、もし起こってしまった場合でも被害を最小限に抑えるリスクマネジメントが非常に重要となっています。
リスクマネジメントと似た言葉との違い
リスクマネジメントと混同されやすい言葉として、以下の4つが挙げられます。
- リスクアセスメント
考えられるリスクを特定、分析してそれを評価する取り組みです。具体的には、リスクによって生じうる損害額を見積もったり、どの程度の対策を行うかを決めたりするプロセスを指します。 - リスクヘッジ
既に予想されたリスクに対して、十分な対策を講じてリスクを最小限に抑える取り組みのことです。 - 危機管理
実際に起こってしまったリスクに対して、事態をこれ以上悪化させないよう対策する取り組みです。 - クライシスマネジメント
自然災害やテロなど、実際には起こりにくいものの被害が甚大になりうるリスクへの対策を行うことです。
リスクマネジメントは生じうるリスクを特定してその対策を講じるとともに、生じた場合は最小限に被害を抑える取り組みであるため、「リスクアセスメント→リスクヘッジ→危機管理」を全て包含した意味に近い言葉と言えます。クライシスマネジメントは、リスクマネジメントで扱うよりも大きな被害を出しうるリスクに対する取り組みを指す場合が多いです。
リスクマネジメントにおけるリスク対応方法
回避
回避とは、予想されるリスクに対して発生する可能性を下げる取り組みです。例えば、パソコンやUSBメモリを紛失した際に、第三者にその情報を見られぬよう暗号化したり、情報を失わぬよう共有ネットワークにもデータを保存したりすることが挙げられます。
リスクに関する教育を社員に提供し、想定されるリスクを周知して意識させることも、リスクを回避するために重要な取り組みです。
低減
低減とは、リスクが発生した場合の被害を最小限に抑える取り組みです。例えば、工場や建設の現場で作業する際にはヘルメットを着用したり、火災が発生した際にはすぐ鎮火できるよう消化器を設置したりしておくことが挙げられます。
移転
移転とは、発生したリスクを外部に移す取り組みです。例えば、損害が生じた際に保険金で負担してもらうことや、外部にリスク対策を委託することなどが挙げられます。ただし、移転できないリスクもあるため、他の方法で低減させることも考えておきましょう。
受容
受容とは、発生したリスクに対して、あえて何も対策を施さないことです。リスクの影響が小さく無視してもよいと考えた場合や、リスク対策を行うためのコストの方が損害よりも大きい場合に受容するケースが見られます。全てのリスクに十分すぎるほどの対策をするのではなく、優先順位を付けて予算との兼ね合いで対策を行うかを決めることが重要です。
リスクマネジメントを行う大まかな手順
1. リスクを特定する
まずは考えられるリスクを、及ぼしうる被害の影響度に関係なく可能な限り全て洗い出します。自然災害などの一般的なリスクから、市場変化といった外部からもたらされるリスク、コンプライアンス違反などの内部から生じるリスクまで網羅的に列挙しましょう。
各部門の上流から下流までの人材を集め、多様な視点からリスクを考えるとともに、各業務に特化したリスクも漏らさず挙げることが重要です。
2. リスクを分析し評価する
洗い出したリスクの原因を分析し、そのリスクによってどの程度の損害が生じるかを評価します。可能な限り具体的な数字を使い、リスクに優先順位を付けて対策が必要であるか、どこまで対策すればよいかを検討しましょう。
人命に関わるリスクやコンプライアンス違反といった定量化できないリスクに関しては、経営戦略に対して甚大な損害を及ぼしうるか検討したり、専門家の助言を聞いたりして評価します。
3. 対策案を講じ実行する
リスクを評価した後、それぞれに対する具体的な対策案を練ります。リスクの特性に応じ、「回避・低減・移転・受容」どの形態をとるべきかを決めて行動に移しましょう。また、対策案を講じるとともにリスク自体を周知すれば、メンバー全員にリスクが生じないよう行動してもらう意識を持たせることが可能です。
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