自分の考えがうまくまとめられず、人にわかりやすく伝えるのが苦手な方は多いのではないでしょうか?論理的思考を身につけることでこの問題を解決できます。
今回は論理的思考のメリットや手法、鍛え方を紹介します。
目次
論理的思考とは物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法のこと
論理的思考とは物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法のことです。ビジネスシーンでは物事を聞き手にわかりやすく伝える能力や、問題を解決する能力が求められます。論理的思考を身につけることでこれらの能力を向上させることが可能です。
論理的思考を身につけるメリット
論理的思考を身につけると、以下のようなメリットが得られます。
- 分析力が向上する
問題を分析するには因果関係を正しく把握することが大切です。論理的思考を身につけると、因果関係を整理し、順序立てて考えることができるため、分析力が向上します。
- 問題解決能力が上がる
問題を解決するためには現状と理想の差分から課題を定義して、対策の決定まで筋道を立てる必要があります。論理的思考によって、対策の決定までモレや矛盾なく思考を進めることができるため、問題解決能力が上がります。
- コミュニケーション能力が上がる
論理的思考を身につけることで、感情的な判断を避け、事実に基づいて物事を理解できるようになります。また、自らの主張を整理し、一貫性を持って伝えることができるため、コミュニケーション能力も向上します。
論理的思考の基礎的な考え方
演繹法
演繹法とは、一般的な原則や前提に事実を当てはめることで結論を導き出す論理的推論の手法です。一般的な原則に則って論理を展開するため、比較的容易に論理的思考を実践できます。また、複雑な問題について考える場合に向いています。
【演繹法の例】
- 前提1:すべての人間は食べ物を必要とする
- 前提2:小さな植物も生きるためには水が必要だ
- 結論:ゆえに、小さな植物も人間と同様に、水を必要とする
帰納法
帰納法は、複数の結果から一般的な原則や結論を導き出す手法です。注意点として、帰納法で得られる結論は100%確定的ではないことが挙げられます。
【帰納法の例】
- 事実1: 太陽はこれまでの人生で毎日東から昇ってきた
- 事実2:他の多くの人々も太陽は東から昇ると言っている
- 結論:太陽は明日も東から昇るだろう
論理的思考を実践する際の代表的な手法
MECE(Mutually Exclusive and Collective Exhaustive)
MECEは「Mutually Exclusive and Collective Exhaustive」の頭文字をとった言葉で、ミーシーと呼ばれます。これはモレなく、ダブりなく物事の要素を洗い出し、全体を把握するのに役立つ概念です。分析や情報整理を行う際に、分類の妥当性を判断するために用います。MECEの原則に従うことで、問題の分析やデータの分類が明確になり、解決策の策定や意思決定が効率的になります。
MECEには「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」2つのアプローチ方法があります。それぞれの詳細は以下の通りです。
- トップダウンアプローチ
問題の大枠から詳細に分解して考えを進めるアプローチです。演繹的アプローチとも言われます。
- ボトムアップアプローチ
問題や物事の根拠や詳細から全体像を掴むアプローチです。帰納的アプローチとも言われます。
MECEを紹介している記事もありますので、合わせてご覧ください。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、問題解決や意思決定の過程で、複雑な問題や課題を明確かつ体系的に分解・構造化するためのツールです。大きな問題を小さな部分問題に分解し、それぞれの部分問題がどのように全体に関連しているかを明確にするために活用されます。
代表例は以下のとおりです。
- Whyツリー
なぜそうなっているのかを問いかけることで、問題点を掘り下げて根本的な原因を究明します。
- Howツリー
どのようにすべきかを問いかけることで問題解決策を導きます。 - Whatツリー
何をすべきかを問いかけることで、複雑な問題の要素を小さく分解して整理します。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーとは、結論とその根拠をピラミッド状に図式化するツールです。ロジックツリーが問題を簡略化し、解決するために使われるのに対して、ピラミッドストラクチャーは結論と根拠の矛盾をなくし、整理することで話の流れを論理的に組み立てるために使われます。
論理的思考を鍛える方法
日常的に実践する
論理的思考を身につけるには日常的に実践することが有効です。普段の業務からMECEを意識したり、ロジックツリーを使ったりすると良いトレーニングになります。初めは難しいかもしれませんが、次第に論理的思考に慣れてくるでしょう。
結論から述べる
結論から述べることを意識するのも有効です。結論を先に述べてからその根拠を展開していくことは、結論を簡潔にまとめる必要があるため難しいですが、ピラミッドストラクチャーの練習になります。
また、結論を先に述べることで聞き手側も理解しやすくなるため、議論の生産性も上がるでしょう。
セルフディベートを行う
セルフディベートとは、自らの考えや意見を批判的に検討し、異なる視点や反対意見を自分自身で挙げて考えを深化させるプロセスを指します。これを行うことも論理的思考を身につけるには有効です。
持ち運べる!BtoBマーケティング用語単語帳
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。