企業の課題を解決したいときや、説得力のあるプレゼンをしたいときなど、ビジネスの様々な場面で役立つのが論理的思考です。しかし、論理的思考の鍛え方と言われてもピンとこない方が多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、論理的思考を鍛えるやり方を、ポイントや注意点も含めて解説します。
目次
論理的思考を鍛えるには、適切なやり方でアウトプットをするのが重要
論理的思考とは、複雑なものごとをシンプルに整理して、矛盾や曖昧さのない結論を導くことができる考え方を指します。論理的思考を鍛えるためには、自身の頭の中だけで考えるのではなく、実際に何らかの例題や普段の会話の中で、論理性を意識しながらアウトプットするのが良いでしょう。
ただし、筋トレや習い事と同じで、間違った方法でアウトプットを繰り返していても良い効果は得られないため、ポイントをおさえながら実施することが重要です。また、ある程度慣れてきたら、アウトプットを誰かに聞いてもらい、フィードバックをもらうというのも良い練習になります。
論理的思考の基本
MECE
論理的思考をする際にはMECEを意識することが重要です。MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉で、日本語にすると「互いに被りなく、そしてすべて余すところなく」という意味です。
つまり、用いる情報や論理の筋道において、漏れや重複がないように意識するということです。MECEを意識する癖がつけば、論理の穴が生まれにくくなり、適切な結論を素早く導きやすくなります。
MECEについての詳細は、以下の記事も参照ください。
ファクトベース
物事を考える際に、事実に基づいて思考することをファクトベースと呼びます。論理的思考には情報に基づく根拠が必要ですが、それは感想や思い込みではなく、事実でなくてはなりません。様々な情報が簡単に手に入る現代ですが、嘘や意見など、純粋な事実とは言えないものが混ざりやすいという弊害もあります。そのため、根拠に用いる情報が事実かどうかを確認する必要があります。
情報が事実かどうかを判断するには、まず誰が書いた情報なのかを確認しましょう。国家や知名度のある企業が出した統計資料ならば、信頼できる事実として利用して良いでしょう。個人の書いた情報であっても、書き手の経歴と立場が信頼できるものであれば、そのバイアスを考慮した上で事実として用いることができます。
ゼロベース
物事を考える際に、先入観を除いて思考することをゼロベースと呼びます。論理的思考は先入観があると、間違った結論に思考が進みやすくなってしまうため、先入観を除いて行うことが求められます。
しかし、先入観を完全に除くことは不可能であるため、まずは自身がどのような先入観を持っているかを知ることが重要です。自身が陥りやすい思考の癖を理解していれば、何かを考える際に俯瞰して物事を捉えられます。こうした癖は自分では発見しづらいため、他の人からのフィードバックをもらいながら探すのが良いでしょう。
論理的思考を鍛える際のポイント
目的を意識する
論理的思考においては、結論を目指して一貫した思考を意識することが重要です。論理の筋道としては、根拠から論理を組み立てて結論を出すという流れなのですが、この過程が複雑だった場合、何のために論理を組み立てているのか分からなくなり、見当違いな結論が出てくる場合があります。
そうならないためにも、自分が何を目的にしているのかを意識し、常にそこに辿り着くことを意識しながら論理を組み立てるべきです。そのためには、根拠を揃えた時点で結論の目星をつけておくのも良いでしょう。
問題を具体化する
論理的思考は、根拠を使って論理を立て、結論を導くという手続き的な考え方なので、曖昧な問題を考える際は具体的に何をすればよいか定まらず、論理を組み立てることができません。そのため、漠然とした問題意識しかない場合は、まず問題を具体化するところから始める必要があります。
問題を具体化するには、問題の背景となる具体的な状況を理解した上で、何が解決すべき問題なのかを明らかにしましょう。そして、検討すべき項目ごとに問題を分割すれば、論理的思考で解決しやすい具体的な対象になります。
主張と根拠を組み立てる
説得力のある説明をするためには、主張と根拠を適切に組み立てることが重要です。この組み立て方で特に有名なのが、帰納法と演繹法です。それぞれやり方を紹介します。
帰納法は、複数の事例から共通の項目を取り出して結論を導く思考法です。例えば、ラーメンばかり食べるAさん、焼き肉ばかり食べるBさん、ハンバーガーばかり食べるCさんが全員糖尿病になった場合、脂っこいものをよく食べる人は糖尿病になりやすいという主張が組み立てられます。帰納法の主張に説得力を持たせるためには、サンプルが恣意的にならないようにすることと、飛躍のある結論を出さないことに注意しましょう。
演繹法は、既にある法則を、個別の事例に適用して結論を出す思考法です。演繹法の論理は帰納法の逆で、脂っこいものをよく食べる人は糖尿病になりやすいのだから、揚げ物ばかり食べるDさんは糖尿病になりやすいという主張が組み立てられます。演繹法による主張の説得力は、根拠とする法則の正確性に懸かっています。
具体的な言葉を用いる
論理的思考をアウトプットする際は、なるべく具体的な言葉を使うようにしましょう。日時や場所、数値や方法など、具体的な言葉を使用した方が伝わりやすい場面は多くあります。そもそも、問題についてしっかり考えていないと具体的な言葉で話すことはできないので、言語化すること自体が問題のより深い理解にもつながります。日常生活の会話から意識してみると練習になるでしょう。
客観的な視点を持つ
アウトプットは、自分の頭の中で終わらせるだけでは精度を高めることは難しいです。人に聞いてもらうのが一番ですが、自宅でも紙やパソコンのメモ機能などに書き、見返せる形にしておきましょう。客観的な視点で自身の思考を確認する機会を多く持っておくと、論理的思考の精度を高めやすくなります。
疑問を持つことを心掛ける
論理的思考を鍛える機会は、日常のあらゆるところにあります。普段は当たり前に気にしないことにも意識を向け、なぜそうなっているのかと疑問を持ってみましょう。さらに、その疑問を解決するために情報を集め、現在の状況に至った論理を明らかにしてみましょう。
こうした練習を繰り返すことで、仕事の中でより良い方法を見つけ出す論理的思考を鍛えることができます。
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