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【設問例文付き】アンケートを企業活動の今後に活かすための適切な作り方

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アンケートは、顧客の意見を聞いて企業活動の今後に活かすものとして役立ちます。しかし、ただアンケートを行えば良いわけではなく、求めている情報をしっかりと集められるような質問を用意する必要があります。

そこで本記事では、適切な質問文を作るコツや、目的ごとの設問例文を紹介します。

効果的なアンケートを作るには、目的設定や質問形式、質問の順番、文の推敲が重要

効果的なアンケートを作成するには、目的設定、質問形式、質問の順番、文の推敲が重要です。アンケート作成の各段階でこうした要素に注意することで、求めている情報を得やすい文章にブラッシュアップすることができます。

目的設定

アンケートの質問内容は作成する目的によって大きく変わるため、何を目的としてアンケートをとるのかを明確にしましょう。

まず、アンケートで得た結果を使ってどのような課題に対処したいのか、あるいは最終的にどのような活動に活かしたいのかを設定します。そしてこの目的のために、どのような種類の回答が得たいのか、どのような属性の人に聞くべきなのかを具体的に考えます。こうして基本的な方向付けを最初に行うことで、具体的な中身も自ずと決まってきます。

質問形式と順番の選択

質問は何を聞くかだけでなく、どのように聞くかも重要です。質問形式は、選択肢から1つだけ選ぶ単一選択、選択肢から複数選べる複数選択、選択肢はなく文字や数字を自由に記入する記述式の3通りが基本です。単一選択の方が回答しやすいですが、具体的な事情は聞きにくいため、質問に応じて記述式も織り交ぜると良いでしょう。

質問を出す順番も大切です。アンケートの最後の方では集中力がなくなって回答が雑になることも多いため、重要な質問は最後にするべきではありません。かといって、最初から難しい内容が来れば、嫌気が差して回答をやめてしまう可能性があります。一番最初は名前や性別など簡単に回答できる質問にし、重要な質問はそのすぐ後に置くと良いでしょう。

文の推敲

適切な回答を得るには、質問の文章も重要です。質問の書き方によって起きる勘違いや誘導などは、アンケートの質を下げてしまいかねません。以下に避けるべき文章例とその改善例を紹介します。

避けるべき質問の種類 質問例 改善例
解釈の分かれる質問 「本日は何で来られましたか?」 解釈を一本化する
「本日はどのような手段で来られましたか?」
論点を複数含む質問 「自動車はオートマチック走行音が静かなものが好きですか?」 論点を絞る
「自動車はオートマチック車が好きですか?」
誘導的な質問 出費の多い4月に自動車を購入しようと思いますか?」 誘導する文言を入れない
「4月に自動車を購入しようと思いますか?」
時間の曖昧な質問 最近自動車に乗りましたか?」 具体的な時間を設定する
「直近1カ月以内に自動車に乗りましたか?」

 

この他にも、よりアンケートの質を上げるための推敲として、「自動車は好きですか?」という広い質問よりも、「自動車で走るのは好きですか?」や「自動車の見た目が好きですか?」などの具体的な質問にしたり、質問文をなるべく短くして読みやすくしたりする改善が考えられます。

ここまで、アンケート作成の各段階のブラッシュアップ方法について紹介してきましたが、より具体的な作成方法については以下の記事もご参照ください。

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【例文付き】アンケートの構成要素と作り方

タイトルと挨拶文

タイトルは、どのようなアンケートか一目で伝わるものにしましょう。あまり詳細に書く必要はないですが、「○○(製品名)利用に関するアンケート」や「○○(イベント名)来場者アンケート」など、何を聞かれるのかを回答者が最初から理解できると、その後の回答もスムーズです。

続く挨拶文には商品購入やイベント参加へのお礼、アンケートの用途、予想される回答時間を簡潔に書きましょう。もし報酬を用意している場合は、回答によるメリットがあることもここで明記しておきます。

【挨拶文の例】
この度は『〇〇』にご参加いただきまして、ありがとうございます。
今後開催するイベントの質を向上するため、満足度アンケートにご協力いただけますと幸いです。
回答時間の目安は〇分ほどです。
アンケートの結果は、サービス向上を目的とした改善策および広報活動に利用させていただく場合があります。
全問回答いただけた方には、当社店舗で利用できるクーポン券を贈呈いたします。

回答者情報の記入欄

回答者がどのような人なのかを問う部分です。年齢や性別、住所の他、購入・参加頻度や商品の使用状況といった情報が該当します。

こうした情報を細かく聞くほどマーケティング精度は上がりますが、回答の負担が増える上、あまりプライベートな質問は煩わしく思われます。こうした回答者情報によって「○○のような属性を持つ人はこう答える」という分析が可能になるため、あらかじめどのような属性の回答を取りたいかを検討しておきましょう。また、選択式の設問にすると回答しやすくなります。

    【質問例】

  • あなたの年齢をお知らせください。
  • 今回を除いて、直近1カ月で○○を購入しましたか?
  • ここ1年のうちで○○をどのような場面で使用しましたか?

アンケートの目的に合わせた質問

アンケートのメインとなる質問は、目的ごとに異なります。質問者側が出している商品・コンテンツに対する認知度や感想、経験などについての質問が主になります。

質問内容を考えるときは、まず目的について思いついたことを全て書き出し、その中から目的を達成するために最低限必要なものを質問として採用します。文章はなるべく一文で分かりやすく、専門的な言葉を使わずに書きましょう。

自由回答欄・今後のご案内

最後に、回答者側が好きに記述できる自由回答欄を作ります。自由記述なので特定のデータを集めることには使えませんが、思いもしなかった観点が提供されることもあるため、紙幅に余裕があれば積極的に用意しておきましょう。

また、メルマガや通知など今後のご案内を希望するかどうかの欄も作っておきましょう。こうすることで、アンケート自体を今後の企業活動と顧客を繋げるタッチポイントの1つにできます。ただし、電話番号やメールアドレスなどの個人情報を記載してもらう場合、個人情報の取り扱いについて、法令に準じて用途に合わせた追記をしておく必要があります。

【例文】
当社からのメルマガ配信/イベントの通知を希望しますか?
(希望する場合)連絡先を記入してください。
※同意なしに第三者へ個人情報の提供をすることはありません。

目的ごとのアンケートの例文

満足度調査

商品やイベントへの満足度を聞くアンケートです。部分ごとの満足度や総合的な満足度を段階評価で聞くのはもちろん、商品やイベントを知ったきっかけ、購入や来店、参加の理由、他の商品やイベントへの興味を聞けると、今後の展開に役立てられるでしょう。

  • 今回のイベントを知ったきっかけは何ですか?
  • この商品を購入した理由として近いものを、すべてお知らせください。
  • 商品の味について、どのくらい満足していますか?
  • 今回のイベントについて、総合的にどのくらい満足していますか?
  • 以下の中から、あなたが興味を持っているものをすべてお知らせください。

ブランドイメージ調査

顧客がブランドに対してどのようなイメージを持っているのかは直接聞いても良い答えが得づらいものであるため、様々な角度から質問をしてみましょう。ブランドの知名度、商品との関連、ブランドによる購買意欲の促進度合いなどを聞けると、顧客が持っているイメージを理解できるかもしれません。

  • あなたは○○(ブランド名)を知っていますか?
  • ○○と聞いてイメージするのはどの商品ですか?すべてお知らせください。
  • あなたは○○の商品を購入したことがありますか?
  • ○○を含め、××社の製品を購入したことがありますか?

コンセプト調査

コンセプトのイメージや効果を調査するためのアンケートです。候補にある2つのコンセプトのどちらが良いかを決める用途でも使われます。コンセプトの感想、イメージされる商品、2つのコンセプトの比較などが聞けると良いでしょう。

  • ○○というコンセプトの商品を購入したいと思いますか?
  • ××というコンセプトを聞いてイメージするのはどの商品ですか?すべてお知らせください。
  • ○○と××というコンセプトの商品なら、どちらを購入したいと思いますか?

広告効果調査

打った広告の効果を調査するためのアンケートです。広告を見たことがあるか、見た印象はどうか、好きかどうか、購買意欲につながったかどうかなどを聞けると良いでしょう。

  • あなたはこの広告(画像や動画で提示する)を見たことがありますか?
  • 広告を見た時の印象はどれが近いですか?すべてお知らせください。
  • 広告を見てどのような印象を持ちましたか?
  • 広告を見て商品を購入しようと思いましたか?
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