マーケティングアプローチ手法

DMU(意思決定者)とは?顧客の組織構造を意識して営業を行う方法

幼少期に「犬を飼いたい!」と重い「父は許してくれそうだけど、父より立場が上の母は許してくれないだろうから犬の面倒はきちんと見られることを母にアピールした」といったエピソードを聞いたことはありませんか?

実は営業活動においても同じようなことが起きます。窓口の担当者以外で、誰に対してどのようなアピールを行うのかで営業活動の結果も大きく変わります。

今回は、その鍵を握るDMUの紹介をしていきます!

DMUとは意思決定を行う人物や関与者の全体像を示す

DMUとは「Decision Making Unit」の略語です。日本語では「意思決定者」と訳され、マーケティングの分野では

  • 顧客側で最終的な意思決定を行う人1名
  • 意思決定を行うための組織の構造

のどちらかを意味することが多いです。今回は2番目の定義について解説しますが、簡単に言うと、「会社としての意思決定を行うために誰がどのように関わっているか」を示す組織構造のことを指します。

DMUマップを作成して顧客の全体像を掴む

DMUを可視化して、分析しやすくするために作成されるのがDMUマップです。
DMUマップでは、商談の意思決定に大きな影響を与えるであろう人物を図示します。

  • 窓口となっている担当者との関係や部署、役職
  • その人や部署のニーズ
  • その人がどれだけ意思決定への影響力を持っているか

などの情報をDMUマップに書くと良いでしょう。

これらをわかりやすくすることで、商談を進める上でどのニーズを満たすべきか、誰にとって魅力的になるようにPRを行うと効果的なのかが判断しやすくなります。また、DMU内の人物によってニーズが異なるということも重要なポイントです。

DMUを考える際に登場する6種類の人物

商談の担当者:実際に営業活動を行う相手

商談の担当者は顧客側の窓口となって、実際に営業活動を行うことになる相手です。
この人と値段や納期の相談を行ったり、各登場人物のニーズを聞き出します。そのため、商談の担当者とは良好な関係を築き、きちんとコミュニケーションを取る必要があります。

ユーザー:購入した商品を実際に使う人

ユーザーは自社が販売した商品を実際に使う人です。工作機械を商品として販売している場合、実際に工場で工作機械を使うことになる職員がユーザーになります。

ユーザーのニーズを満たすことが理想的ですが、予算の制約や既存設備との連携などの障害があり、満たせない場合があります。

起案者:商談のスタートポイントとなる人

起案者は「こんなサービスや商品を導入したい」という要望を出す人です。この人が起点となって一連の購買活動が始まると言えます。ユーザーのニーズを汲み取り、購入を検討している商品を商談の担当者に相談するのも起案者の役割になります。

インフルエンサー:商談に対して意見を述べる人

インフルエンサーは起案者や商談の担当者に対して「こういう商品が良い」などの助言を与えたり、「こういう機能がついている物にしてほしい」などの意見を出す人です。

組織によってどのような人がインフルエンサーになるかは異なります。例としては、総務部や法務部、商品企画部、経営企画部などがインフルエンサーとして考えられます。

チェッカー:商談内容が適切であるか判断する人

チェッカーは、予算の制約を提示したり、契約の内容に不備がないかなどの確認を行う人です。基本的にはチェッカーの承認を得られなければ、商談の成立は難しいでしょう。
具体的には経理部などがチェッカーとして考えられます。

ディサイダー:最終的に意思決定を下す人

ディサイダーは購入する商品や契約の提案に対して最終的なOKを出す人です。
例えば商談の担当者が購買部の所属であった場合、ディサイダーとして購買部の課長などが考えられます。また、規模の大きい商談になると、更に上層部の部長などが最終的なディサイダーになることもあります。

DMUを活用した営業活動の例をDMUマップを使って紹介

例えば、空調設備を販売している自社に、顧客である◯社から「オフィスに新しいエアコンを導入しようと考えている」という相談を受けたとします。
そこで、商談の中で得られた情報から◯社のDMUマップを作成したところ以下のようになりました。


DMUマップに書かれている「影響力」はその人物がどれだけ最終決定に対して影響力をもつかを示しています。
例えば、ディサイダーFは「新しい案件に対してなかなかOKを出してくれない」が、ディサイダーEは「自分に上がってきた案件には基本的にOKを出すだけであまり断らない」という場合は上の図のようになります。

DMUマップから全体の流れを読み取る

今回のケースでは、

  • オフィスで働いているユーザーBが「今のエアコンが古くて効きが悪いから新しいエアコンに変えてほしい」という要望を起案者Cに出す
  • 起案者Cが担当者Aに「新しいエアコンの導入依頼が出ているので購入して欲しい」と購入を依頼する
  • 担当者Aに対して、総務部から「エアコンが満たすべきエコ基準」などの助言を受ける
  • 経理部のチェッカーGから予算を提示される
  • 選んだ商品と値段をディサイダーFに提案したが、規模の大きい商談だったため、課長であるディサイダーFが部長であるディサイダーEに最終的な判断を求める

というのがDMUマップに示されている流れになれます。

DMUマップを参考にしてどの人のニーズを満たすべきか考える

DMU内の人物ではそれぞれ求めるものが異なります。場合によっては全員のニーズを満たすことは難しいかもしれません。そこで、DMUマップを作成することで、契約を取るためにはどの人のどのようなニーズを満たすべきかが判断しやすくなります。

例えば、DMU内の人物のニーズが

ユーザーB
ユーザーB
とにかく効きが良いエアコンにしてほしい
インフルエンサーD
インフルエンサーD
△社のエアコンが良いらしい
チェッカーG
チェッカーG
予算は□万円以内に収めて欲しい
ディサイダーF
ディサイダーF
本当に必要、効果的なものでないとOKは出さない

となっていたとします。
今回の場合、ディサイダーFとチェッカーGが大きな影響力を持っていたため、

  • 予算内に収まっている
  • 今使っているエアコンと比べて、新しい物を導入することがより快適なオフィス環境を作り、電気代も抑えることが出来る

などのアピールを行うと効果的であると予想できます。

まとめ

いかがでしたか?
今回はDMUとは何かから、DMUマップを活用した営業活動の例までを紹介しました。
顧客の組織構造を可視化することで効果的に営業活動を行うための方針を決めましょう!