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ブランドポジショニングとは?決め方や効果を事例付きで徹底解説
「ブランドポジショニング」という言葉を聞いたことがありますか?
ブランディングを行う上で非常に重要なキーワードですが、具体的にどういうものなのか、どうやって決めるのかなど詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回は「ブランドポジショニング」に関して、決め方や効果を解説していきます。
目次
ブランドポジショニングとは、市場でのブランドの価値や立場のこと
ブランドポジショニングとは、その名の通り市場におけるブランドのポジション(立ち位置)を明確にすることです。
消費者やブランドに対する独自のイメージを持ってもらい、同時にそこに価値を見出してもらうことでブランドとしての立場を確立するのです。
たとえば「スターバックスといえばおしゃれな空間でゆっくりとくつろげるカフェ」「ハーゲンダッツといえば高級で美味しいアイス」のように、ブランド名を聞いて思い浮かべるイメージや印象があります。
このように、市場の中でブランドがどのような立場でどのような価値を持っているのかを、顧客にしっかりと認識してもらうことで、他社との差別化をはかるのです。
ブランドポジショニングの決め方
STP分析を用いて、市場を細分化しターゲットを定める
ブランドポジショニングを決める際は、STP分析を使いましょう。
STP分析のSは「Segmentation(セグメンテーション)」Tは「Targeting(ターゲティング)」そして最後のPこそが「Positioning(ポジショニング)」です。
はじめにSとT、つまりセグメンテーションとターゲティングの二つを行いましょう。
セグメンテーションは市場の細分化を行うことです。
市場や顧客を様々な切り口で細分化し、分類していきます。
たとえば、性別や住んでいる場所、嗜好、年齢など多くの切り口があります。
ターゲティングとはそうして細分化した市場の中から、どのような顧客にどのような製品あるいはサービスを提供するのかを決めることです。
あらかじめこの2つの行程を踏むことで、ポジショニングがより具体的に決めやすくなります。
どういった軸で他社との差別化を図るか決める
ポジショニングを決める際に有効なのが「ポジショニングマップ」を作ることです。
ポジショニングマップとは縦軸と横軸で構成される二次元マップのことで、二つの軸にはターゲットとする層が意識しそうな要素を当てはめます。
これは商品や市場の特性によってさまざまですが、たとえば以下のような要素があります。
・価格
・品質
・デザイン性
・機能性
この中から2つの要素を選んで軸とし、ポジショニングマップを作成します。
その際、既存の競合がどのポジションにいるのかも正確に分析して配置しましょう。
たとえば「価格」と「デザイン性」を選んで作成した場合、以下の図のようになります。
この場合空いているのは左下の、「シックなデザインで低価格」ですのでここが最適なポジショニングであるとわかります。
このように、競合の位置を把握しつつ、差別化を図るにはどの位置を狙っていけばいいのかを考えながらポジショニングを行いましょう。
ブランドポジショニングの成功例
くつろげておしゃれな「第三の空間」として位置づいたスターバックス
(出典:スターバックスコーヒージャパン公式サイト)
スターバックスは他のカフェチェーンと比べて価格帯は高めの設定になっています。
それでもスターバックスがカフェ業界で不動の地位を獲得しているのは、「おしゃれな空間」で「くつろぎながら」コーヒーが飲めるカフェだからです。
スターバックスは仕事でも家庭でもない「第三の場所」としての空間を提供することを掲げてブランディングを行いました。
そして大都市、特にビジネス街のサラリーマンをターゲットとして、価格は高めに設定しつつもインテリアや室内設計にこだわった店舗を展開していきました。
「気軽さ」や「安さ」ではなく、「高級感のある空間でくつろぎながらコーヒーが飲める」という価値を提供することで独自のポジションを確立したのです。
・ビジネスマンをターゲットに「第三の場所」をコンセプトにした新しいカフェとしてのブランディング
・「高価格」ながらも「おしゃれ」で「くつろげる」ことを軸にしてポジショニングを行い、他社との差別化に成功
「スポーツ飲料」の市場を開拓しさらに「清涼飲料水」として新たなポジションを確立したポカリスエット
(出典:ポカリスエット公式サイト)
今でこそ様々な商品が存在する「スポーツ飲料」の市場ですが、そこに目をつけ日本で最初に市場を開拓したのが「ポカリスエット」です。
開拓当初は、先駆者として消費者から絶大な支持を集めていましたが、やがて競合が次々と参入し、スポーツ飲料の市場は飽和状態となります。
そこで、これ以上の成長は見込めないと判断したポカリスエットは、より大きな市場である「清涼飲料水」としてのポジショニングを行いました。
そしてその際、「イオン飲料」「水分補給」という訴求ポイントは維持することで、清涼飲料水市場における「健康的な飲料水」というポジションを確立し、成功を収めました。
スポーツ飲料市場でのイメージをうまく利用し、次の市場で新たなポジションを作りだしたのです。
・誰も競合がいない「スポーツ飲料」市場を開拓し、独自のポジションを確立
・そのイメージを保つことで、新たな「清涼飲料水」市場で「健康的な飲料水」ポジションの転換に成功
いかがでしたか?
市場の分析をしっかりと行い、競合の位置を把握することで自身のブランドがどのポジションにいるのか、あるいはどのポジションを狙うべきか考えていきましょう。
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