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【マーケター必見】基本的なデータ分析手法の概要を紹介します
マーケティングのためにデータ分析をしたいけど、どのような手法を用いれば良いのかわからない、というマーケターの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、マーケティングにおける基本的な分析手法の概要をご紹介します。
目次
データ分析を行なう際の注意点
収集したデータの特徴などを正しく把握する
データを分析する前に、以下のようなデータの特徴を把握する必要があります。
- データがどのように集められたのか(手法や対象者など)
- どのような質問の聞き方をしたのか
- どのような処理で行われる分析なのか
- データに例外はないのか
専用の分析ソフトなどを用いて簡単に分析を行なうことができても、データの特性やどのような手法で分析が行なわれているかを把握していないと、誤った結果が出ても気づけない可能性があります。また、分析を行なっても、データの収集方法や対象に偏りや制限があった場合、結果の解釈が変わってしまうため注意しましょう。
分析する目的を明確に持つ
分析結果は数字や要素名しか出力されないことがあり、結果をどのように解釈し、どのように活かせば良いのかまでは教えてくれません。そのため、データの分析を行なう際は「何のためにデータを分析するのか」「結果を生かしてどのような目標を達成したいのか」を事前に明確にする必要があります。分析を行う目的をあらかじめ決めておくと、結果を無駄にせずに効果的な分析を行なうことができます。
データの概要や傾向を捉えるための分析手法
クロス集計分析
クロス集計分析とは、アンケートなどの調査結果に対して各回答の割合を明らかにし、それを要約する分析方法です。データ分析を行なう際に羅列されている結果を整理し、全体像を見やすくする始めの段階として使用されます。
1つの要素に対する質問結果を要約する単純集計分析に対して、下図のように複数の要素に対する設問の結果を要約したものがクロス集計分析です。
全く満足していない | 満足していない | どちらとも言えない | 満足している | とても満足している | |
初めての来店 | 15% | 25% | 30% | 20% | 10% |
2回目の来店 | 10% | 20% | 30% | 20% | 20% |
3回目以上の来店 | 5% | 25% | 20% | 30% | 20% |
アソシエーション分析
アソシエーション分析は、「Aを購入したらBも購入するだろう」といったように、購買行動における商品同士のような要素間の関係を明らかにする分析方法です。有名な例に、「おむつを購入した男性客は、ビールも購入する可能性が高い」というオムツとビールの関係があります。
このように、直感的には理解ができなかった新しい事実を発見できる可能性があります。詳しいアソシエーション分析の説明については、以下の記事を参考にしてみてください。
決定木分析
決定木分析とは、「分類木」と「回帰木」をあわせた分析手法で、「男か?女か?」のように様々な要素ごとに分類を続けることで、結果の分析を行なうものです。分類木は下図の1段階目のような非連続的な選択肢があり、回帰木は下図の2段階目の「年齢」のような連続的な数値を分析する際に用いられます。この2つの手法を組み合わせ、「求めたい要素に影響を与えているのはどのような要素なのか」を把握する分析手法が決定木分析です。
主成分分析
主成分分析とは、複数の要素を持つデータの中からデータの要素や変数を絞り込んだり、まとめたりすることで、最も全体像を把握するのに適した要素・変数を明らかにする分析手法です。
例えば、「来店回数」「来店頻度」「一回の来店あたりの購入額」「総購入額」「滞在時間」などの様々な要素からなる顧客情報に主成分分析を行なうことで、これらの情報を総合的に把握できる「優良顧客度」のような指標を見つけられます。
クラスター分析
クラスター分析とは、データを比較して似ているもの同士をグループごとに分類する分析手法です。
例えば、自社の顧客に関するデータに対してクラスター分析を行なった場合、購入金額や満足度などの複数の基準を元に似ている顧客を分類することができます。その結果、自社の顧客にはどのような人がどれだけいるのかを把握することができるようになります。また、自社が販売している商品に対して売上個数や顧客の属性などを元にクラスター分析を実施することで、似たような販売傾向を示す商品ごとに分類を行なうことができます。
詳しい説明については以下の記事を参考にしてみてください。
線形回帰分析
線形回帰分析とは、求めたい値である目的変数を、様々な要素(説明変数)を用いて説明する分析方法です。
例えば、顧客1人が1回来店した時に使用する金額を目的変数とし、この目的変数が顧客の年齢や性別、来店回数、一緒に来店した人数などの要素に影響されていると考え、これらの要素を説明変数とします。この場合、回帰分析では以下のような関係を求めることを目標とします。このような分析を行なうことで、「年齢が購入金額にどの程度の影響を与えているのか」などを把握できます。
因子分析
因子分析とは、様々なデータ間に共通して影響を与えている因子を求める分析手法です。
例えば、店舗での購入金額が1万円を超えている人の年齢や収入、来店回数などのデータを集め、因子分析を行なうとします。分析の結果、どのような要素が1万円以上購入するかどうかに影響を与えているのかを把握することができます。この結果を踏まえて、自社が注力すべき顧客が明らかになったり、新たな商品展開の参考になったりします。
データに順位をつけるための分析手法
ABC分析
ABC分析は、予め重視する指標を決め、複数のデータをこの指標に応じて3つのランク(高い順にA→B→C)に分類する分析手法です。例えば、商品に関する売上データを集め、売上全体への貢献度ごとにランクを付けていき、売上への貢献度順で商品を分類します。このような分類を行なうことで、貢献度の高い商品を重点的に補充したり、商品を陳列する際に目立つようにしたり、さらなる売上アップのための戦略を取ることができます。
詳しい説明については以下の記事を参考にしてみてください。
デシル分析
デシル分析とは、データ全体を重視する指標順に並べ、全体を10等分する分析手法です。例えば、顧客を購入金額順に並び替えて10等分することによって、上位1割の顧客の売上への貢献度などがわかり、購入金額の分布を把握できます。シンプルな顧客分析を行なう方法として用いられている手法の1つです。
詳しい説明については以下の記事を参考にしてみてください。
RFM分析
RFM分析とは、「直近の購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3つの指標で顧客を評価する分析手法です。デシル分析とは違って、3つの側面を考慮するので多角的に顧客の分析、評価を行なえることが特徴です。
詳しい説明については以下の記事を参考にしてみてください。
データを元に予測を立てるための分析手法
ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析とは、「顧客が商品を購入する確率」や「再び来店する確率」などの0から1で表される確率を求める分析手法です。線形回帰分析では説明変数を用いて「個数や金額」などの具体的な個数を求めていたのに対して、ロジスティック回帰分析では「購入する場合を1、購入しない場合を0」などとして、ある事象が発生する確率を求めます。
いかがでしたか?
今回はマーケティングに使える基本的な分析手法をご紹介しました。
それぞれの分析手法には活用できる場面が異なるので、この記事を参考に使い分けましょう。
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