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マトリックス組織とは|基本の3形態やメリット・デメリットを紹介
「マトリックス組織」という組織形態はご存知ですか?聞いたことはあるけれど、詳しく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、マトリックス組織の概要やメリット・デメリットを紹介します。
目次
マトリックス組織とは、2つの組織構造を掛け合わせた組織形態のこと
マトリックス組織とは、異なる2つの組織構造を掛け合わせ、両方の機能やメリットを同時に実現させようとする組織構造です。2つの異なる組織構造をタテ軸とヨコ軸で組み合わせ、双方の指揮命令系統の元、一人ひとりの社員が業務を遂行します。
1960年代にアメリカのNASAがアポロ計画を進める際、航空宇宙産業企業に導入を推奨したことから広まり、日本では2016年にトヨタ自動車がマトリックス組織を導入しました。現在では、ビジネスの多様化に対応し複数の目標を達成するための組織形態として、多くの企業でマトリックス組織が導入されています。
例えば、事業部制組織と職能別組織を組み合わせたマトリックス組織の場合、以下のような組織図となります。
代表的な組織形態
マトリックス組織の元になる代表的な組織形態には、以下のようなものがあります。
- 事業部制組織
商品やサービスごとに部門を編成し、業務を分担する組織形態のことです。業務を完結するために必要な機能が、各事業部ごとに配置されています。 - 職能別(機能別)組織
決定権を持つ経営層を上位に置き、担当する業務内容や機能別に部門を編成する組織形態のことです。 - プロジェクト型組織
プロジェクトの目的を達成するために、専門スキルを持つ人材を各部署から招集し、期間を定め業務を遂行する組織形態のことです。
組織形態の詳細は、以下の記事をご参照ください。
マトリックス組織の基本の3形態
マトリックス組織は、マネージャーの有無などの特性によって、以下の基本の3形態に分けられます。
ストロング型
ストロング型とは、プロジェクトの人員や予算を管理するための専門的なマネージャーをプロジェクト外から配置する形態です。マネージャーが持つ権限が強いため、指示が明確に出せるというメリットがあります。一方で、マネジメントに特化した人材を確保しなければならないため、コストがかかるというデメリットもあります。
ウィーク型
ウィーク型とは、プロジェクトを管理する専門的なマネージャーを配置せず、メンバー自身が判断し行動する形態です。メンバーが自分で考え業務を遂行するため、スピード感を持ち臨機応変に対応することができます。一方で、指示系統や業務内容が曖昧になりやすく、業務効率が落ちてしまう場合もあります。
バランス型
バランス型とは、プロジェクトを管理するマネージャーをプロジェクト内から選出し配置する形態です。マネージャーが現場の状況を把握しているため、的確な指示が出せるというメリットがあります。一方で、マネージャーは通常業務とマネジメント業務を平行して行わなければならないため、負担が大きくなりやすいというデメリットもあります。
マトリックス組織のメリット
業務を効率的に進められる
マトリックス組織では、従業員の専門性が発揮しやすくプロジェクトが効率的に進められるというメリットがあります。例えば、Aプロジェクトでの営業部の成功事例を活用することで、BプロジェクトやCプロジェクトへの横展開も容易に行えるようになります。
また、新たなプロジェクトの立ち上げの際、組織内でリソースが余っている部署や部門から新プロジェクトに人員を割り当てることができるため、人事異動や新規採用の手間を削減でき業務の効率化につながります。
業務の質を高められる
マトリックス組織では、プロジェクトに合った人員を配置できるため、業務の質が高められるというメリットがあります。必要に応じて高い専門性やスキルを持つ人材を配置することで、より質の高い業務遂行につながります。
マネジメント層の負担が軽減できる
マトリックス組織は、プロジェクトマネージャーが多くの権限を持っているため、マネジメント層の負担を軽減できるというメリットがあります。プロジェクトマネージャーが権限を持つことで指揮系統が明確になり、また、マネジメント層は現場とのコミュニケーションが取りやすくなります。
マトリックス組織のデメリット
指揮系統が複雑になりやすい
マトリックス組織には、タテ軸とヨコ軸異なる2つの構造が存在するため、指揮系統が複雑になりやすいというデメリットがあります。指揮系統が複雑になると指示の統一性がなくなってしまうため、業務効率が落ちたり、業務上のトラブルを引き起こしたりする場合もあります。
組織内で対立が起こりやすい
マトリックス組織では、従業員が部門をまたがり業務を遂行するため、部門間やプロジェクト間での対立が起こりやすいというデメリットがあります。特に、高い業績を上げている企業では、部門やプロジェクトの独立性が強くなり対立が発生しやすくなります。そのため、マネジメント層には対立や摩擦を抑える能力が求められます。
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