皆さんは、「自己認識」という言葉をご存知ですか?自己認識を高められれば、会社における人間関係の満足度の向上を図れます。
この記事では、自己認識の概要やできている状態とは何か、また自己認識力を高める方法を紹介します。
目次
自己認識とは、客観的に自身の状態に気付いていることを指す
自己認識とは自身の状態に気付いており、客観的に自分の感情や思考を捉えられている状態のことを指します。自己認識できていれば、仕事やプライベートにおいて人間関係への満足度が向上することが期待されます。また、人生の充実度や幸福度の向上も見込めます。
自己認識には、「内面的自己認識」「外面的自己認識」の2種類があります。内面的自己認識は、自身の価値観や反応、他人への影響力についてどれくらい明確に捉えているかを表します。また、外面的自己認識は自身の価値観や反応について、他者が自分をどのように捉えているかを表します。
自己認識ができている状態
自己認識ができている状態というのは、自分が他人からどのように認知されているか理解している状態を指します。この状態にある人は、コミュニケーション能力が高く、判断力に優れているという特徴があります。また、組織においてどのような役回りが求められているのか分かるため、同僚と良好な関係を築けます。
自己認識ができていない状態
自己認識ができていない状態というのは、自分が他人からどのように見られているのか分からない状態です。自身の言動が他人にどのような影響を与えるか分かっていないため、意図せず相手を傷つけてしまっている場合があります。また、自身の感情がコントロールできず、他人にぶつけてしまっているかもしれません。
自己認識を妨げる要因:経験および権力
自己認識を妨げる要因として、これまでの経験や権力が挙げられます。自分が経験豊富だと思っていると、自分のパフォーマンスに対して誤った自信につながり、自己認識の過信を招きます。実際に、サウスオーストラリア大学のチェリ・オストロフ氏らによる調査によって、経験が豊富なマネージャーは経験が浅いマネージャーよりも自己評価の精度が低いことが分かっています。
同様に、権力の大きさと自己認識の関係に関してもチェリ・オストロフ氏らが調査し、リーダーの権力が大きいほど自身の技量を過大評価していることもわかりました。権力が大きいことで自らの技量を過信し、自己認識の妨げになってしまうのです。
自己認識を高める方法
トレーニングを行う
ダブルループ学習やマインドフルネスといったトレーニングによって、客観的に自身を捉える練習を行い自己認識を高めましょう。ダブルループ学習とは、目的や前提を問い直すことでこれまでにない解決方法を探る学習法です。問題の解決方法を多角的に探ることで、客観的な視点を持てるようになります。
また、マインドフルネスは瞑想によって自身の意識の動きを捉える練習法です。瞑想で自身の意識の動きに気づくことで、自身の感情や思考を客観的に認識できます。
ダブルループ学習および瞑想に関する記事もありますので、合わせてご覧ください。
自身の批評家を作る
管理職となり権力を持つと自身を批評してくれる人は少なくなってしまいます。自分のことを忌憚なく批評してくれる人を作りましょう。自分の良かったところや悪いところを他人から聞くことで、外面的自己認識を高められます。上司・部下関係なく様々な人から自身の批評をしてもらいましょう。
「何を?」を意識して内省する
「何をすれば楽しかったのか?」を意識して内省を行い、内面的自己認識を高めましょう。思い詰めるような内省はストレスがかかるため、広く浅く行うことが効果的です。「何をすれば楽しかったのか?」「何をすればやりがいを感じたのか?」など自分が楽しかったり、やりがいを感じたりした行動を見つけます。このように、自責する内省ではなく、ポジティブな内省を心がけましょう。