DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉をご存知ですか。デジタル化・IT化が進む現代社会において、企業のあり方を再考するDXは注目を集めています。
この記事では、DXおよびその推進に重要なデジタイゼーションとデジタライゼーションについて解説します。
目次
変化に適応し競争優位性を確立するために、企業のDXが推進されている
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT技術を用いて製品・サービスをはじめとする企業の価値提供のあり方を変革し、競争上の優位性を確立することを指します。IT化ではIT技術を導入して業務の効率化を図るのに対し、DXでは業務の効率化を手段として価値提供を変革することを目的としています。
ビジネスモデルが多様化し、また既存のシステムの老朽化が進んでいる中で企業が競争力を維持・向上させるためには、DXを推進し企業が価値提供のあり方を再考することが重要になっています。
DXにおける障害を放置すると「2025年の崖」が生じるおそれがある
DXは、経済産業省が令和2年に発表した「DXレポート2 中間とりまとめ」でも触れられており、その中で「2025年の崖」が生じる可能性について言及されています。「2025年の崖」とは、DXの実現における様々な障害を克服できないと、2025年から2030年までの5年間で最大12兆円/年の経済損失が生じるというものです。
出典:経済産業省 DXレポート2 中間とりまとめ(https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf)
DX推進における具体的な障害としては、既存のITシステムが複雑化・ブラックボックス化していること、経営者側と現場側でDXに対する意識が乖離していること、ITを担う人材の不足が深刻であることなどが挙げられます。こうした障害を克服するために、既存システムの刷新や人材育成といった対応が求められています。
「2025年の崖」についての記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
DXはデジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの3段階に分類される
一般的に、DXは「デジタイゼーション、デジタライゼーション、DX」の流れで進みます。
- デジタイゼーションでアナログ・物理データをデジタル化する
- デジタライゼーションで業務プロセスをデジタル化する
- デジタライゼーションによりDXが推進される
ただし、必ずしもこの通りに決まっているわけではなく、順序が入れ替わったり一部が達成されなかったりする場合もあります。
デジタイゼーション(Digitization):アナログ・物理データのデジタル化
デジタイゼーションは業務のうちの一部をデジタル化することを意味し、アナログデータ・物理データのデジタル化などが該当します。デジタイゼーションでは業務の効率化やコスト削減を目指します。デジタイゼーションの具体例としては、紙で管理していた伝票をデジタル化して保管する、印鑑の代わりに電子署名を導入する、紙の議事録からWeb会議ツールでの録画データに切り替える、などがあります。
デジタライゼーション(Digitalization):業務プロセスのデジタル化
デジタライゼーションでは、デジタルツールを活用して特定の業務・製造プロセスを整理・最適化します。これにより、新しい顧客体験や事業価値を創造することができます。具体的には、Web会議を録画した上で振り返りもオンラインで実施し、録画データを社員教育の教材として活用するといった取り組みがあります。
デジタルトランスフォーメーション(DX):組織全体のデジタル化、ビジネスモデルの変革
DXでは、組織全体を横断的に業務プロセスをデジタル化し、ビジネスモデルを変革します。これにより、環境の激しい変化に対応しつつ新たな価値を創出して競争上の優位を確立・維持します。
DXについては、以下の記事を参考にしてみてください。
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