マーケティング戦略を立てる時、「アプローチするべき顧客」と「するべきでない顧客」をどのように分類していますか?全てのターゲットに対して同じようにアプローチしていたら、効果が薄いだけでなく、無駄なコストも掛かってしまいます。
今回は、作成するべき顧客の分類や、分類の仕方をご紹介します。
目次
顧客分類を行なうことで、マーケティングの的を絞る
それぞれの顧客との関係を正しく理解し、適切なアプローチをすることで、効果的・効率的にマーケティングを行なえます。全ての顧客に同じようなアプローチをしていては、
- 十分にアピールができていない顧客
- 過剰にアピールをしすぎて、無駄にコストがかかっている顧客
- あまり刺さらないアプローチを行なっている顧客
が生まれかねません。
そこで、「自社との関わりの深さ」「自社に対する興味の強さ」などの観点を元に顧客の分類を行ないます。
顧客を自社との関わり方に応じて5段階に分類する
潜在顧客
「潜在顧客」とは、自社商品を認知しておらず、商品の良さやニーズに気づいていない顧客です。プロモーションなどを通して商品のアピールをできれば、見込み顧客に成長させることができる可能性を秘めています。
元々自社商品に興味がない潜在顧客は、セールス感があるアプローチに不快感を覚えてしまいます。そのため、マーケティングのターゲットが検索しそうな、オウンドメディアや動画などのコンテンツ作成を通して、顧客自身に商品の良さに気づいてもらうことが重要です。具体的な潜在顧客から見込み顧客を育成する方法は、以下の記事を参考にしてみてください。

コールドリード
「コールドリード」と「ホットリード」をあわせて、「見込み顧客」と言います。見込み顧客とは、自社商品に関心があり、購買に至る可能性がある顧客を指します。
見込み顧客の中でも、商品は認知しているが、購買意欲はあまり強くない顧客を「コールドリード」と言います。例えば、展示会などのイベントで担当者の名刺を手に入れた顧客や、パンフレットなどをたまたま入手したことがある顧客が含まれます。コールドリードと接触する機会を増やすことや、自社商品の良さに気づいてもらえるプロモーションを行ない、購入意欲を高めることが重要です。

ホットリード
「ホットリード」とは、見込み顧客の中でも自社商品への関心が強く、本格的に情報収集などを行なっている顧客を示します。この段階では、他社商品との比較をしていることが多いので、自社商品のアピールポイントを中心に、最終的に自社商品を選んでもらえるようなプロモーションを行なう必要があります。
「コールドリード」「ホットリード」については、以下の記事を参考にしてみてください。

一般顧客
「一般顧客」とは、購買意欲が高かったホットリードの状態から、購買に至らせることに成功した顧客を指します。
一度既存顧客になっても、商品・対応に満足できないことや、関心がなくなったことなどを理由に離脱してしまう可能性があります。顧客になったあとも、アフターサポートや良好な関係の構築などに取り組み、顧客の離脱を防ぎましょう。
優良顧客
既存顧客の中でも、購入頻度・金額が高いことや、商品に対して高い満足度を感じている顧客を「優良顧客」と言います。自社の売上に大きく貢献する顧客なので、専用の特典やこまめなプロモーションなどを通して、良好な関係を築きましょう。
一般顧客から優良顧客への育成方法は、以下の記事を参考にしてみてください。

顧客分類を行なうための手法
上で紹介した5つの顧客の分類を直感で行なっていては、正確な分類ができず、それぞれに対して的確な対応ができません。そこで、潜在・既存顧客の分類に使える手法をご紹介します。
潜在顧客:セグメンテーション分析
セグメンテーション分析とは、潜在顧客の分類に活用できる手法の1つです。セグメンテーション分析では、様々な観点を元に顧客をグループ(セグメント)に分類します。BtoBの場合、企業の業種・規模・地域・概要などを元に市場全体をグループ分けします。その他にも、検索履歴や行動履歴もセグメントを作成する観点の1つです。
例えば、「業務用調理器具の卸売を行なっていて、グローバル展開もしている中小企業」を1つのセグメントの例として作成することができます。このように市場を複数のセグメントに分類し、どのセグメントにアプローチするべきか検討するのがセグメンテーション分析です。
セグメンテーションの詳しい説明は、以下の記事を参考にしてみてください。

見込み顧客:BANT条件
BANT条件とは、
- B=Budget(予算)「相手がどれだけの予算を考えているか」
- A=Authority(決裁権)「相手の社内の中で誰が決済権を持っているか」
- N=Needs(必要性)「相手のニーズを自社商品で満たすことができるか」
- T=Timeframe(導入時期)「いつまでの導入を希望しているか」
の4つの要素で構成される情報です。これらの条件のうち、1つでも揃っていないと成約には至りません。そこで、どれだけの条件が揃っているかを「コールドリード」または「ホットリード」に分類する指標の1つに使うことができます。
BANT条件の詳しい説明は以下の記事を参考にしてみてください。

既存顧客:デシル分析
デシル分析とは、購入金額が高い順に既存顧客を並べ、金額の階級を10等分して分類し、顧客情報を集計する分析手法です。例えば、顧客1000人を対象にデシル分析を行なった場合、以下のような結果を得ることができます。
デシル分析を行なうことで、購入金額の分布が分かるようになり、何割の顧客で売上の何割を占めているのか把握できます。上の結果を踏まえると、「売上の約30%を占めている、購入金額合計が上位200人を優良顧客に分類する」といった分析を行なうことができます。
デシル分析の詳しい説明は、以下を参考にしてみてください。

既存顧客:RFM分析
RFM分析とは、
- R = Recency:直近の購入日
- F = Frequency:購入頻度
- M = Monetary:総購入金額
の3つの指標から顧客を分類する手法です。「より直近に商品を買っている人」「購入頻度が高い人」「購入金額が多い人」から順番にスコアを付けます。
例えば、「直近の利用が1ヶ月以内で、過去に10回以上取引があり、総購入金額が10万を超えている取引先」を優良顧客と分類するようなRFM分析を行なうことができます。
いかがでしたか?
潜在顧客・見込み顧客・既存顧客への分類方法は、ご紹介した物以外にも多く存在します。自社の特性にあわせて、正確な顧客分類を通して、効果的なマーケティングを行ないましょう。




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