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実力主義という人事評価|浸透の背景やメリット・デメリットを解説
年功序列制度に代わって注目を受けた人事評価の方針として、実力主義があります。
実力主義と聞くと厳しい印象を受けるかもしれませんが、企業が実力主義を導入することには大きな意義が存在します。
今回は実力主義について、年功序列制度に代わって浸透した背景やメリット・デメリットを解説します。
目次
実力主義とは、個人の能力・成果のみに着目する人事評価の方針のこと
実力主義とは、個人の能力や仕事での成果のみに着目する人事評価の方針のことを言います。勤続年数の長さに応じて給与が高くなる年功序列制度や、学歴の高さが評価される学歴主義とは対置される考え方です。
バブル崩壊を機に、年功序列→実力主義へ
日本の企業では、伝統的に年功序列制度が用いられていました。年功序列制度では、スキルや知識が伴っていなくても長く勤めれば評価が高くなります。
この年功序列制度から実力主義に切り替える契機となったのが、1991年〜1993年のバブル崩壊です。経済が後退し、多くの企業が社員のリストラを余儀なくされました。
その際に、年功序列制度が見直されることになりました。企業の資金に余裕がない中、実力のない人に勤続年数が長いからといって高い給与を出すことが難しくなったのです。
結果として、勤続年数ではなく能力・成果によって評価を行うことで、人件費を適正に配分できる実力主義が浸透していきました。
営業職などにおいて、よく浸透している考え方
実力主義による評価が取り入れられている職種で代表的なのは、法人営業・個人営業などの営業職です。多くの企業の営業職では、成約数に応じて給与が高くなる歩合制が採用されています。
営業職の他にも、システムエンジニアなどのIT系の職種や、ベンチャー企業などでは実力主義が採用されている傾向が強いです。
実力主義のメリット
年齢に関わらず評価される
年功序列制度では、実力のある人でも高い評価を得るためには長く勤務を続けることが必要でした。一方で実力主義では、若手であっても実力があれば評価される可能性があります。
そのため、実力さえあれば若いころから責任のある仕事を任され、高い給与をもらうことも可能です。年齢に関わらず、純粋に能力・成果を見てもらえるのが実力主義のメリットです。
仕事へのモチベーションが上がる
実力主義では、よい成果を出すほど高い評価を得ることができます。よって、それぞれの社員がより高い評価を得るために意欲的に働くことができます。
個々人のモチベーションが向上すれば、企業全体の業績・効率もアップするはずです。
優秀な人材が集まる・育つ
年功序列のように実力のある人が評価されない恐れのある制度下では、優秀な人材が能力を最大限に発揮できなかったり、評価が得られないことに不満を持って離職したりする恐れがあります。
逆に言うと、実力が適正に評価される実力主義の下には、自身の能力を評価してほしいと考える優秀な人材が集まってくることになります。
また、実力主義の中では部署やチーム内での競争意識も高まり、個々人の成長・スキルアップにも繋がります。
実力主義のデメリット
プレッシャーが大きい
実力主義の中では、社員が「成果を出さないと居場所がない」といったようなプレッシャーを感じてしまうことがあります。激しい競争にさらされることもあり、人によっては実力主義が合わないことも考えられます。
また、実力のある人が出世した結果、年上の社員が部下になることもあり得ます。そのような状況で働くことを、プレッシャーに感じる人もいるでしょう。
個人プレーになりやすい
個人の成績が評価に繋がる実力主義では、成果を上げることを意識するあまり個人プレーが横行してしまう恐れがあります。自分の仕事で手一杯になり、チームワークが乱れることも考えられます。
また、同じ部署やチームで評価される人・評価されない人の差が付き始めると、人間関係的にも居心地が悪くなる恐れがあります。
成果を評価しにくい部門がある
成績を数字で把握しやすい営業などの部門もあれば、成果や能力が客観的に判断しにくい部門もあります。部門ごとに高い評価の得やすさに差があると、社員は不公平に感じてしまうでしょう。
実力主義の導入には、客観的で公平な評価基準の設定が不可欠です。
いかがでしたか?
実力主義には、年功序列制度とは全く異なるメリット・デメリットが存在します。
競争の激化はよい影響をもたらしますが、デメリットにも配慮した対策が必要です。
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