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企業の価値や競争力を上げるシナジー効果とは?基本知識を徹底解説

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企業が成長を狙う過程において、重要な要素となる「シナジー効果」はご存知ですか?
シナジー効果によってコストの削減や売上アップなど、様々なメリットを得ることができます。

今回はシナジー効果に関する基本事項やシナジー効果の種類をご紹介します。

シナジー効果とは、複数の要素の組み合わせで生まれる相乗効果のこと

シナジー効果」は「相乗効果」とも呼ばれ、ビジネスでは複数の企業や部門を組み合わせる事によって、今まで以上の価値を生み出す効果を表します。別々の要素が手を取り、「1+1」を2ではなく、3や4に変えることをシナジー効果といいます。

例えば、異なる自動車メーカー同士が連携することで、2社の技術力をかけ合わせて革新的な技術を作り出したり、流通ルートの共有化によるコスト削減が見込めたりします。その他にも、中小企業を買収し、さらなる事業の拡大を狙うなどの例もあります。

シナジー効果によって企業価値を上げ、競争力を高める

シナジー効果を狙ったM&A(合併や買収)や業務提携などを行うことで、技術力の向上や事業規模の拡大が見込めるため、企業価値が上がります。また、合併によって業務の難易度、技術レベルが上がり、マネジメントが難しくなるため社内のイノベーションが求められます。このようなイノベーションを経て、更に成長を狙う企業もあります。

また、シナジー効果を狙うような企業の戦略を練っている場合、「将来の事業のあり方を考えている」として株主に良い評価をされる場合があります。経営多角化を掲げ、M&Aを行う企業は株価指標が上昇すると論評されることもあります。

企業がシナジー効果を狙う方法4つ

M&Aでシナジー効果を狙う

M&Aによってシナジー効果を得られる場合があります。M&Aを行うことによって事業規模の拡張による市場支配力の拡大、新たなリソースの獲得、節税などの効果が得られます。また、人材やリソースを迅速かつ効率的に獲得できることがM&Aの特徴として挙げられます。そのため、低コストで新たなリソースを獲得し、様々なコストの削減や事業規模の拡大を行えることがM&Aのメリットです。

業務提携でシナジー効果を狙う

業務提携とは、企業間が協力し、互いが得意とする商品・サービス・技術で補完し合うことです。ノウハウやリソースの共有を通じて、コストの削減や技術の発達などのシナジー効果を狙います。業務提携は初期コストが抑えられ、成果が挙げられなかった場合でも解消が比較的簡単に行えることがメリットです。

双方にとってメリットのある関係を築き上げることが求められるため、提携先企業は慎重に選びましょう。

グループの一体経営でシナジー効果を狙う

グループの一体経営とは、複数のグループ企業の業務を一本化することで、コストの削減、顧客・ノウハウの共有を狙います。企業間で使用しているソフトウェアやプロセスの統一を行うことで、事業を集約できます。

多角化戦略でシナジー効果を狙う

多角化戦略とは、メイン事業以外の分野にも進出することで、今までとは違う分野でも売上やシェア獲得を目指す戦略です。多角化戦略には、「水平型多角化戦略」「垂直型多角化戦略」「集中型多角化戦略」「集成型多角化戦略」の4つのパターンがあるとされています。それぞれの戦略で適している事業や目標が異なるため、戦略は慎重に選択しましょう。

シナジー効果の種類:事業シナジー

コスト削減

企業が狙うシナジー効果の種類の1つが、コストの削減です。例えば、M&Aや業務提携によって互いのリソースを生かして物流コストをカットできたり、グループを一体経営することによって業務内容の統一化を通じて作業コストが軽減されたりします

スケールメリット

スケールメリット(規模のメリット)」とは、同種のものを多く集めることで生産性が上がる効果です。事業シナジーにおいては、他企業と合同で生産を行うことで、1回あたりの生産量が増え、固定費や運送費などのコストが削減されるため、利益が増えます。また、生産の規模を拡大することで、知名度や競争力の向上が期待できます。

人材獲得・活用

M&Aや業務提携により、他社に所属する優秀な人材を事業のために獲得することができます。これによって自社にとって新たなノウハウや技術を獲得できます。また、事業領域が拡大した場合、新たな事業において自社の余剰人材を活用し、社員の有効活用ができます。

売上アップ

M&Aや業務提携によって事業領域の拡大やコスト削減ができるので、販売チャネルの拡大や、競争力の向上による売上アップが期待できます。また、事業領域の拡大によって、既存顧客に別商品を販売する「クロスセル」、より上位の商品を販売する「アップセル」が狙えます。

クロスセル、アップセルについては以下の記事を参考にしてみてください。

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技術・生産性向上

M&Aや業務提携によって、生産設備・ノウハウ・技術の共有が行えます。これによって、自社の技術レベルおよび生産性の上昇や、さらなる人材の育成が期待されます。また、資本を共有することによって研究開発により多くの資金を投資できるようになり、イノベーションが起こる可能性があります。

シナジー効果の種類:財務シナジー

余剰資金の活用

上場企業は用途が決まっていない余剰資金を所有していることがあります。この資金を中小企業の買収に活用することで、新たな技術や人材を獲得できます。また、M&Aによって業績の良い企業を買収した場合、その企業の余剰資金を獲得することができ、これをさらなる事業の発展のために活用できます。

節税効果

合併先の企業が財務会計上の赤字を抱えていた場合、合併後は財務が統合され、自社の利益高が減少します。また、自社のキャッシュを買収先企業に補填することで、買収先の赤字額を減少させられます。これによって、課税対象となる自社の利益額が減少し、納税額を抑えることができます

シナジー効果が得られず、かえって損をすることもある

「シナジー効果」の対義語で「アナジー効果」という言葉があります。「アナジー効果」とは、異なる企業を組み合わせることによって、かえって双方にデメリットが生じてしまう現象です。シナジー効果では「1+1」は「3や4」になっていましたが、アナジー効果では「2未満」になってしまいます。

例えば、あまりにも方向性・文化の違う企業同士が提携した場合、双方の強みを有効活用できず、かえって業務が増えてしまったり、方針の違いから経営陣同士が対立してしまったりする場合もあります。また、M&Aや業務提携によって企業の方針が変わり、既存顧客が離れてしまうことで売上の減少などが起こるおそれもあります。

アナジー効果を回避する方法として、「ピュアカンパニー化」があります。「ピュアカンパニー化」とは、事業領域を絞って最適な範囲にのみ集中することです。このような専業企業(ピュアカンパニー)には、総合電機メーカーから独立した半導体メーカーなどが挙げられます。このような事業領域の縮小には、企業構造の簡略化や意思決定の迅速化などのメリットがあります。

まとめ

いかがでしたか?
今回はM&Aや業務提携などによって得られるシナジー効果を紹介しました。
シナジー効果によって多くのメリットが得られますが、失敗した場合アナジー効果が生じてしまいます。
アプローチをする企業は慎重に選びましょう。

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