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ケイパビリティの意味と戦略|コアコンピタンスとの違いも解説

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ケイパビリティという言葉を聞いたことはありますか?
事業戦略を考える際にも、ケイパビリティの理解はとても重要になります。

今回はケイパビリティの意味や事業戦略への活用法、コアコンピタンスとの違いなどを解説します。

ケイパビリティとは、競合他社より優位に立てる強みのこと

ケイパビリティ(capability)とは、バリューチェーンの全体におよぶ、競合他社より優位に立てる強み・能力のことを指します。このバリューチェーンとは、企業の事業活動を生産・販売・流通・広報などの機能ごとに分類したものです。
つまりケイパビリティとは、例えば、製造から販売・流通までの一連の流れ全体における組織的な強みのことを意味します。

現代社会では高度情報化・グローバル化が進展した結果、商品・サービスそのものを中心とした競争戦略による差別化が困難になってきました。そこで、組織的な強みであるケイパビリティを高め、戦略の実現性で他社に差をつけることが重要となりました。

ケイパビリティの具体例

  • ホンダ
    ホンダのオートバイ事業がアメリカで成功した要因のひとつは、ディーラー管理能力であるといわれています。マーチャンダイジングから店舗レイアウト・販売手法・顧客へのサービス提供まで幅広いバリューチェーンにおけるディーラーへの管理・サポートが、ホンダのケイパビリティです。
  • アップル
    iPhoneで有名なアップルのケイパビリティは、デザイン力です。商品そのものに加え、店舗や広告などを含めたブランドのプロデュース全面において、そのデザイン力が発揮されています。

コアコンピタンスとは、企業の中核となる強みのこと

ケイパビリティと関連する概念に、コアコンピタンスがあります。コアコンピタンスとは、単一のバリューチェーンにおける、企業の中核となる強みのことです。ある分野での製造力や研究力など、特定の事業活動における強みを指します。

コアコンピタンスについては、次の記事も参考にしてみてください。

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ケイパビリティ・ベース戦略とは

ケイパビリティ・ベース戦略とは、ケイパビリティを中心に組織的な力を高め、競争で優位に立つことを狙う戦略です。市場における立ち位置を探るという意味で外的側面の強いポジショニング戦略に対し、組織内部の強みを生かして優位に立つという内面的な戦略がケイパビリティ・ベース戦略です。
この戦略は、次の4つの原則から成り立ちます。

1. ビジネスプロセスを重視する

通常の事業戦略では、製品や市場に着目しますが、ケイパビリティ・ベース戦略では組織体制やビジネスのプロセスに着目することが必要です。

2. 主要なビジネスプロセスを戦略的ケイパビリティに転換する

自社の主要なビジネスプロセスについて、戦略的にケイパビリティと呼べるものに転換させることが必要です。限られた経営資源を組織的な強みと呼べる部分に集中させ、競合他社より優れた価値を継続的に顧客に提供できるようにします。

3. 部門間を結ぶインフラを整備する

ケイパビリティの創出・活用を阻害しないように、バリューチェーンにおける各機能の間を結ぶインフラを強化することが必要です。インフラ投資によって、ケイパビリティを最大限に活用できるようになります。

4. 経営のトップがケイパビリティを推進する

ケイパビリティ戦略は、経営のトップが推進しなければなりません。複数のバリューチェーンにまたがるケイパビリティを戦略的に活用するには、各部門を統括する経営者が指揮を執る必要があります。

環境の変化に合わせてケイパビリティを刷新する「ダイナミックケイパビリティ」も必要

ダイナミックケイパビリティとは、環境の変化に合わせてケイパビリティを刷新していく力のことです。
高度情報化・グローバル化が進み、市場のサイクルが短くなった現代においては、ケイパビリティも次第に陳腐化していきます。環境の変化に対応するためには、ケイパビリティを刷新し続けることが必要になります。

ダイナミックケイパビリティの3つの要素

  • Sensing(感知)
    環境の変化、およびそれに伴って生じる脅威を感じ取る力のことです。
  • Seizing(捕捉)
    環境の変化を好機と捉え、既存の資源・業務・知識を応用して再利用する力のことです。
  • Transforming(変革)
    資源や組織を再編成・変革し、競争における優位を維持する力のことです。

環境の変化に対応するには、この3つの要素によって組織内外の経営資源を再結合・再構成することが必要です。

まとめ

いかがでしたか?

ケイパビリティとは、企業の事業活動全体におよぶ組織的な強みのことを指します。

この記事を参考に、事業戦略に役立てる方法やコアコンピタンスとの違いについても押さえておきましょう。

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