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【経営初心者向け】経営資源の基礎知識|配分の基本戦略を解説
企業が事業活動を持続・発展させるためには、経営資源を適切に把握し、分配することが必要です。
今回は経営資源について、各資源の特徴・マネジメント方法や資源配分の基本戦略を解説します。
経営資源とは、事業活動のために企業が利用できる資産のこと
経営資源とは、事業活動のために企業が利用することのできる資源を指します。経営資源は、次の6つに分類することができます。
それぞれの経営資源には適切なマネジメント方法があり、資源を有効活用するためにはその実践が欠かせません。
ヒト
経営資源としての「ヒト」は、主に企業における従業員を指します。また、広い意味では協力関係にある他社や業務の委託先を指すこともあります。事業活動は人の手で行うものですから、企業にとって最も重要な資源の一つです。
人材のマネジメントはHRM(Human Resource Management)と呼ばれ、採用・配置・育成などの各場面における人材の適切な管理が重視されています。
より具体的なマネジメントの内容としては、次のようなものがあります。
- スキルマネジメント
従業員が持つスキルに着目して、向上させるべきスキルを決め、スキルを発揮できる配置を行います。 - ストレスマネジメント
従業員のストレスが蓄積しないように、ストレスへの対処を促し、働きやすい環境を整えます。 - 人材管理マネジメント
人事評価制度の整備や採用・配置などの管理を行い、優秀な人材を育てる仕組みを作ります。 - パフォーマンスマネジメント
社員の個人目標の設定・管理や、成果に対するフィードバックによって人材育成を行います。
モノ
経営資源としての「モノ」は、企業が所有している製品や設備、オフィスや工場などの不動産を指します。さらに、PCにインストールされたソフトウェアもモノに該当します。
モノのマネジメントとは、整理整頓を指します。モノの維持・管理には手間や費用がかかるため、必要以上のモノは抱え込まないのが賢明です。捨てる・レンタルするといった手段によって、コストを削減する必要があります。
カネ
経営資源の「カネ」は、そのまま経営資金のことです。現金以外に、株式や債券なども含みます。事業の運営や設備への投資、従業員の雇用など、企業の全ての活動の基盤となります。
また、マイナスイメージの強い借金も、経営資源として有効活用できます。将来的な利益確保のためには、借金をしてでも投資することが必要になる場合もあります。
カネのマネジメントにおいては、収入と支出を管理する資金繰りが重要です。その上で、資金をどのように分配するかを検討する必要があります。
資金繰りについては、次の記事も参考にしてみてください。
情報
経営資源としての「情報」は、企業の取得・蓄積した情報を指します。より具体的に言えば、企業が蓄積したノウハウや顧客データなどが該当します。
情報のマネジメントにおいては、信用性を高めることが重要です。情報の入手方法・保管方法には細心の注意を払う必要があります。
また、情報へのアクセス環境を整えることで、社内での情報の活用を促進できます。
時間
経営資源としての「時間」は、ビジネスにおけるあらゆる時間のことです。従業員の勤務時間や商品開発にかかる時間、戦略立案にかかる時間などがこれに該当します。
注意しなければならないのは、時間は取り戻すことのできない資産であるということです。そのため、限りある時間を適切に配分し、有効活用することが求められます。
知的財産
経営資源としての「知的財産」は、著作権や商標・特許、ブランドイメージなど、企業が活動の中で取得した無形資産を指します。商品開発やマーケティングに直接活用することのできる、最も戦略的な経営資源です。
知的財産については、特許の取得などによる法律の保護を受けることが必要です。独自の強みとして保護し、事業活動に活かすことが求められます。
経営資源の配分を決める基本戦略
経営・事業の状態に合わせて経営資源を適切に配分することで、自社の強みを活かし、市場における競争力を高められます。
経営資源の配分を決めるための基本戦略としては、主に次の2つがあります。
選択と集中
選択と集中とは、自社の得意分野に集中的に投資し、苦手な分野では経営資源の整理・撤退を行うことをいいます。得意な分野に専念することで、効率的な事業運営が可能です。
得意分野を把握するには、コアコンピタンスという概念を理解することが重要です。これは自社の中核となる強みを指す言葉であり、コアコンピタンスを中心に経営資源を配分することで他社との差別化を図れます。
コアコンピタンスについては、次の記事も参考にしてみてください。
PPM
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、自社の事業を分析し、投資すべきか否かを判断するフレームワークです。市場の成長性とシェアの2つの軸で、自社の事業を次の4つに分類します。
- 花形:成長性とシェアがともに高い
利益が出しやすい一方、競合も多く存在します。そのため、競争を勝ち抜くには経営資源を継続的に投資する必要があります。 - 問題児:成長性が高いがシェアは低い
市場の成長率が高く魅力的な事業ですが、シェアが低いため利益を上げるには大規模な経営資源の投資が必要です。 - 金のなる木:成長性は低いがシェアが高い
成長性が低く、市場における競争は激しくありません。そのため、経営資源の配分が少なくても、シェアを維持し利益を出すことができます。 - 負け犬:成長性とシェアがともに低い
成長性・シェアがともに低いため利益を出しにくく、撤退や経営資源の整理を検討すべき事業です。
いかがでしたか?
経営資源は大きく6つに分類することができ、それぞれに適切なマネジメント方法が存在します。
この記事を参考に、経営資源のマネジメント方法や配分の基本戦略を押さえておきましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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