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フット・イン・ザ・ドアとは|心理学を用いて取引を有利に進める手法

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フット・イン・ザ・ドアという交渉術をご存知でしょうか?
この交渉術は、営業をはじめとするビジネスシーンでも活用することができます。

この記事では、フット・イン・ザ・ドアの具体的な交渉術や活用事例を紹介します。

フット・イン・ザ・ドアとは、要求を徐々に大きくしていく交渉術

フット・イン・ザ・ドアとは、小さな要求から先に提示し段階的に要求の内容を大きくしていくことで本命の要求を通しやすくする交渉術で、「段階的要請法」とも呼ばれています。言葉の由来としては、訪問販売で「お話だけでも!」とドアに足を挟み込む手法が元になっています。

フット・イン・ザ・ドアでは、一貫性の原理を利用した交渉を行います。
一貫性の原理とは、人間が持つ「矛盾のない行動を取りたい」という無意識的な心理傾向のことです。
例えば、いきなり「1万円貸してほしい」と頼んでも断られるかもしれません。しかし、本命の要求の前に「1000円貸してほしい」と小さな要求をして「イエス」と言ってもらうことで、大きな要求を通しやすくする効果があります。
このような場面では、みなさんも一度「イエス」と言ってしまったら、その後の要求にも答える「ノー」と答えづらくなるのではないでしょうか。

本命の要求の前に小さな要求を提示し、イエスと言ってもらうことで本命の要求も承諾されやすくなるため、交渉を有利に運ぶことができます。

一貫性の原理について詳しい内容を知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。

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フット・イン・ザ・ドアとドア・イン・ザ・フェイスの違い

似た用語にドア・イン・ザ・フェイスがあり、譲歩的依頼法とも呼ばれています。
では、フット・イン・ザ・ドアとの違いは何でしょうか。

ドア・イン・ザ・フェイスは過大な要求から入る

ドア・イン・ザ・フェイスは、本命の要求の前に断られるであろう過大な要求を提示することで、最終的に本命の要求を通しやすくする交渉術です。

「30分の残業を頼みたい」が本命の要求である場合、先に「2時間の残業を頼みたい」と過大な要求をして断ってもらうことで、「一度断った申し訳なさ」から承諾してもらいやすくなります。
これは「返報性の法則」を利用しています。「返報性の法則」とは、他人から何かを受け取ったときに、「お返しをしないと申し訳ない」と感じる心理作用のことです。

まとめると、フット・イン・ザ・ドアが要求を徐々に大きくしていく手法なのに対し、ドア・イン・ザ・フェイスは要求を徐々に小さくしていく手法だといえます。

ドア・イン・ザ・フェイスについて詳しい内容を知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。

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相手との関係性で使う手法が異なる

相手との関係性によって、どちらを使うべきか異なります。
相手との信頼関係が構築されていない場面では、フット・イン・ザ・ドアを使うのがオススメです。これは、信頼関係が構築されていない状態でドア・イン・ザ・フェイスのようにいきなり大きく出てしまうと、信頼を失うリスクがあるためです。

反対に、交渉相手との信頼関係が既に構築されている場合では、ドア・イン・ザ・フェイスが有効です。

フット・イン・ザ・ドアでは、最初の要求を小さくしすぎないことに注意

フット・イン・ザ・ドアを用いた交渉では、先に提示する小さな要求と、本命の要求の差を大きくしすぎないことが大切です。

例えば、3000円の商品の購入を本命の要求とする場合、先に提示する小さな要求として10円の商品の購入をお願いするとします。これでは要求の差が大きすぎるために、本命の要求をしても失敗する可能性が高くなります。

先に提示する要求は小さすぎず大きすぎず、場面によって調節するようにしましょう。

フット・イン・ザ・ドアの活用事例

フット・イン・ザ・ドアは、様々な場面で活用することができます。

飛び込み営業での例

営業「5分だけでかまいませんので、お時間よろしいですか?」
「まあ、5分なら大丈夫です。」
営業「ありがとうございます。弊社では○○を取り扱っておりまして・・・商品のポイントを説明させていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい。」

テレアポでの例

営業「○○の件でお電話させていただきました。2,3分だけでかまいませんので、お時間よろしいですか?」
「2,3分なら大丈夫です。」
営業「ありがとうございます。弊社では○○の商品を取り扱っておりまして・・・。もしよろしければ、実物をお持ちして体験していただきたく思うのですが、いかがでしょうか?」
「いいですよ。」

有料契約への誘導の例

営業「こちらの商品は1ヵ月間無料でお試しいただけます。いかがですか?」
「無料なら試してみようかな・・・。」
営業「ありがとうございます。」
―1ヵ月後―
営業「いかがでしたか。ご契約は3ヵ月単位から可能ですが契約されますか?」
「じゃあ3ヵ月で契約します。」

このように、小さな要求から段階的に要求の内容を大きくしていくのがポイントです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?フット・イン・ザ・ドアは、段階的に要求の内容を大きくしていくことで本命の要求を通しやすくする交渉術です。この記事を参考に、営業に活用してみてください。

 

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