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インセンティブ制度とは|メリット・デメリットや具体例を紹介
インセンティブ制度をご存知ですか?
仕事の成果に応じた報酬を与える制度のことで、従業員のモチベーションのアップなどに繋がります。
本記事では、インセンティブ制度のメリットやデメリット、種類について紹介します。
目次
インセンティブ制度とは、仕事の成果に連動した報酬を与える制度
インセンティブ制度は、仕事の成果に連動した報酬を与える制度のことです。ここで用いられる報酬とは、金銭的な報酬に限らず、表彰であったり達成感であったりもします。
インセンティブ制度は仕事の成果に対して報酬を支払っているため、一見すると歩合制やボーナスと混同されることがあります。しかし、それぞれの制度には違った特徴があり、どれも明確に区別されています。
- 歩合制
個人の成果によって報酬が与えられるという点でインセンティブ制度と共通しているが、歩合制では一定の期間を通した目標ではなく、仕事1件あたりの報酬に基づいて支払われる - ボーナス
企業の業績に基づいて支払われる報酬であるため、個人の成果とはあまり関係がない。また、ボーナスは基本的に従業員全員を対象としている
インセンティブ制度を導入するメリット
従業員のモチベーションを高められる
業務で成果を上げれば報酬が支払われる、ということが明確になっているため、従業員のモチベーションが上がると考えられます。
また、インセンティブが与えられることがはっきりしていると、従業員が目標達成に対して意欲的になり、業務効率のアップなども期待できます。
従業員の実力を正当に評価できる
優秀な人物が成果を上げても、他の従業員と同じ固定給のみが支払われる場合、その人物は評価制度に不公平感を感じるでしょう。また、そのような状況が続くと、モチベーションの低下にもつながってしまいます。
インセンティブ制度を設けることで、入社時期や役職に関係なく、仕事で成果を上げた人物が評価される仕組みが作られるため、従業員の実力を正当に評価できます。
意欲的な人材を確保できる
金銭だけでなく、人事評価や表彰といったインセンティブ制度を設けることで、個人の承認欲求などを満たすことができます。
目標達成に意欲的な人材はよりインセンティブ制度に魅力を感じやすいため、意欲的な人材を確保しやすくなります。
インセンティブ制度を導入するデメリット
従業員同士の関係性が悪化する可能性がある
インセンティブ制度の制定によって、従業員同士が切磋琢磨して目標達成に意欲的になることが期待できます。しかし、従業員間の競争が激化することで、従業員同士の関係性が悪化する恐れもあります。
インセンティブ制度は個人の成果を対象にした制度です。そのため、各従業員が自分の成果のみに固執してしまう可能性もあります。そうなると、企業全体やチームといった集団での視点が失われやすく、チーム内での協力やサポートが疎かになってしまいます。
成果を出さなければならないというプレッシャーがかかりやすい
仕事で成果を出し続けることが可能な人物にとって、インセンティブ制度はとても魅力的な制度です。しかし、成果を出すことにプレッシャーを感じ、本来の実力を出しきれない人物も出てきます。
また、インセンティブが金銭的なものの場合、成果を出さなければ給与が低くなってしまいます。給与を上げるためにも、より成果を出すことが求められ、かえってプレッシャーをかけてしまう原因にもなります。
短期での成果を求めるあまり、長期的な視点が欠落するおそれがある
インセンティブ制度では、半期や四半期、月間といった比較的短い期間での成果などに対して評価されることがほとんどです。そのため、目先の成果に囚われやすくなり、年単位での計画や戦略を考える視点が失われる恐れがあります。
インセンティブ制度の種類
インセンティブというと金銭的な報酬を思い浮かべる人も多いと思います。しかし、インセンティブは金銭だけではなく、いくつかの種類があります。
インセンティブ制度の種類 | インセンティブの内容 |
物質的インセンティブ | 成果に応じた金銭または物を与えることで評価を行なう。現金や報奨旅行などが該当する。 |
評価的インセンティブ | 成果に応じて評価すること。昇進などの地位的評価や、褒めるなどの心理的評価がある。 |
人的インセンティブ | 上司や同僚などの人間的魅力によって、モチベーションの向上や行動促進を行なう。 |
理念的インセンティブ | 組織や経営者の理念に共感して目標達成への意欲を上げ、組織への努力を促す。 |
自己実現的インセンティブ | 仕事を通じて従業員の希望や夢を叶えることで、モチベーションの維持や向上を行なう。 |
インセンティブ制度の導入例
メルカリ
株式会社メルカリでは、2017年9月から「メルチップ」という制度の導入を開始しました。
「メルチップ」は「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be Professional(プロフェッショナルであれ)」という株式会社メルカリの3つのバリューに沿った出来事に対し、インセンティブとして感謝の言葉とともに一定金額を従業員同士で贈り合える、ピアボーナスの仕組みを指します。
「メルチップ」の導入によって、従業員同士でカジュアルに感謝を伝えられるようになった他、リアルタイムでフィードバックを本人に伝えることができるようになったため、社員間でのコミュニケーションが増えたという結果になりました。
サントリーホールディングス株式会社
サントリーホールディングス株式会社では、従業員に社会貢献に関する意識調査を行なったところ、「ボランティア活動を行なったことは無いが、参加したいと思っている」という参加意向のある社員がおよそ半数いることが判明しました。
そこで、社員がボランティア活動に参加するきっかけを増やすために、ボランティア強化期間中にボランティアに参加した従業員へ、様々な景品と交換できる「ボランティアポイント」を付与するのに加え、オリジナルのボランティアバッジを配布するなどのインセンティブ制度を設けました。
結果として、ボランティアの参加者数は通常の4倍になったほか、ボランティア強化月間中にはじめてボランティアに参加した従業員も多いという結果になりました。
いかがでしたか?
インセンティブ制度は従業員のモチベーションの向上や目標達成意欲に大きく寄与する制度ですが、従業員間のコミュニケーションの悪化なども懸念されます。
この記事を参考に、メリットやデメリットを考慮した上で、インセンティブ制度の導入を検討してみましょう。
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