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【基礎知識】ガバナンスとは?コンプライアンスとの違いも解説します
ガバナンスという言葉を聞いたことはありますか?
言葉は知っていても、その意味や目的には詳しくないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はガバナンスについて、コンプライアンスとの違いもあわせて解説します。
目次
企業におけるガバナンスとは、管理体制を構築して企業内部を統治すること
ガバナンス(governance)は、「統治」「管理」といった意味の英単語です。企業におけるガバナンス(コーポレートガバナンス)とは、企業自身が管理体制を構築し、内部統治を行うことを意味します。経営者の独断専行や組織内での不正・汚職を未然に防止するためには、このガバナンスの強化が欠かせません。
ガバナンス強化は、組織内の人間が経営に関する助言を行う「内部監査」と混同されることもありますが、内部監査はガバナンス強化の手段のひとつをして位置付けられます。
その他の具体的なガバナンス強化の取り組みとしては、次のようなものが挙げられます。
ガバナンス強化部門の設置
内部統制やリスクマネジメント(想定される経営リスクを事前に把握・管理する手法)を推進する部門を設置する
従業員の役割や指揮系統の明確化
各従業員の持つ役割や組織内の指揮系統を明確にすることによって、組織内外に対する高い透明性を確保する
従業員の意識改革
行動・倫理規範を作成し、従業員に浸透させることによって組織全体でガバナンスを強化する
このような取り組みによって、ガバナンスが強化されている状態を「ガバナンスが効いている」と言います。
上場企業は「ガバナンス・コード」を遵守する必要がある
ガバナンス・コード(コーポレートガバナンス・コード)とは、金融庁と東京証券取引所が策定した、ガバナンス強化における提案・指針をまとめたものです。「企業の不祥事を未然に防ぐこと」および「国際的な競争力を強化すること」を目的としており、上場企業に遵守が義務付けられています。
ガバナンス・コードには次の5つの基本原則があり、さらに30の付随原則、38の補充原則が存在します。
- 株主の権利・平等性の確保
- 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
- 適切な情報開示と透明性の確保
- 取締役会等の責務
- 株主との対話
(出典:「コーポレートガバナンス・コード」https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/index.html)
ガバナンス強化の目的
信頼を獲得できる
ガバナンスを強化するということは、不正や汚職といったトラブルが発生するリスクが小さくなるということです。その結果、株主や投資家、顧客といったステークホルダー(利害関係者)からの信頼の確保に繋がります。つまりガバナンスの強化によって、投資を受けやすくなったり、企業の利益が向上したりすることが期待できます。
また、近年におけるガバナンスの強化は、労働環境の改善といった面にまで広がっています。そのため、世間的なイメージの向上や優秀な人材の採用にもガバナンスの強化が影響します。
中長期的な収益力が上がる
上記のように、ガバナンスの強化によって企業への信頼が向上すると、資金力・利益の向上や優秀な人材の確保といったことが期待できます。そのため、ガバナンスの強化は、企業の中長期的な成長に役立つものであるということができます。
コンプライアンスとは、企業が法令や社会的規範を遵守すること
ガバナンスと混同されやすい言葉に、コンプライアンスというものがあります。コンプライアンス(compliance)とは「遵守」「追従」を意味する言葉で、企業においては法令や社会的・倫理的な規範を遵守して活動を行うことを指します。
ガバナンスは、企業が自主的に内部の統治を行うことです。一方コンプライアンスは、主に法令などの企業外部にある規範に従うものであるという違いがあります。ただし、どちらも企業の適正な運営を目指すものであり、社会的な信用を得ることに繋がるという点では同じです。両者は、「ガバナンスはコンプライアンスを改善・維持するための管理体制である」という関係にあります。
コンプライアンスについては、次の記事も参考にしてみてください。
いかがでしたか?
ガバナンスとは企業が管理体制の構築によって内部統制を行うことであり、コンプライアンスと共に社会的信用の確保のために重要な言葉です。
この記事を参考に、ガバナンスに関する理解を深めましょう。
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