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ポートフォリオマネジメントとは|分析方法やポイントを解説

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ポートフォリオマネジメントとは何かご存知ですか?ポートフォリオマネジメントは、経営資産を適切に活用できるような戦略を決めるためのマネジメント手法です。
今回は、ポートフォリオマネジメントの意味や2種類のポートフォリオマネジメントの分析方法、ポイントを解説します。

ポートフォリオマネジメントとは、投資するもの全てのバランスを考慮して経営資産を適切に配分すること

ビジネスにおけるポートフォリオとは、保有する資産の組み合わせや構成を指す言葉で、主に金融業界で使われています。ポートフォリオという言葉は、もともと「紙ばさみ」「折りかばん」を意味していましたが、欧米の投資家が資産の明細書を紙ばさみで管理していたことから現在の意味で使われるようになりました。

ポートフォリオマネジメントとは、製品やプロジェクトにおいて、どの領域・項目にどれだけの経営資産を投資するかを決めることです。全ての投資対象のバランスを考慮して、最適な投資配分を導き出します。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとは、既存製品を対象に資産の配当を決めること

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとは、既存製品・サービスに対する経営資産の配当を決めるためのマネジメント手法であり、ボストンコンサルティンググループのブルース・D・ヘンダーソン氏によって提唱されました。プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、「市場成長率」と「市場占有率」の2つの視点から、複数の既存製品・サービスの将来性を分析します

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの分類項目

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、「市場成長率」と「市場占有率」によって、既存製品・サービスを以下の4項目のいずれかにそれぞれ分類します。

  • 金のなる木
    市場の成長率が低く、市場での占有率が高い事業が当てはまります。金のなる木と呼ばれる事業は、市場で大きな存在感を放っており、利益を安定して創出してくれます。市場の成長率が低いため、現状維持できるほどの投資だけで十分であることも特徴です。投資戦略としては、この事業で稼いだ利益を他の事業に回すことがよいと考えられます。
  • 花形(スター)
    市場の成長率・占有率ともに高い事業が該当します。企業にとって多くの利益を創出してくれますが、市場の成長速度も大きいため積極的に投資し続けなければなりません。戦略として、金のなる木で得た利益を花形(スター)に回し、金のなる木とすることができます。ただし、後発企業に市場占有率を奪われないよう注意が必要です。
  • 問題児
    市場成長率が高く、市場占有率が低い事業は問題児と呼ばれます。現状では大きな利益は得られていませんが、投資を続けることで将来的には、金のなる木や花形(スター)にもなり得ます。花形(スター)事業と同様に、金のなる木で稼いだ利益を投資し、市場での地位を高めましょう。
  • 負け犬
    市場の成長率、市場での占有率ともに低い事業です。この事業は将来性が低く市場での地位も低いため、早急に撤退もしくは縮小する必要があります。撤退・縮小によって浮いた資金は、見込みの高い事業に回しましょう。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの分析方法

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの分析を行うために、まずは事業の「市場成長率」と「市場占有率」を計算します。それぞれは以下のように定式化できます。

市場成長率の式

市場成長率(%)=(今年の市場規模÷去年の市場規模)×100

市場占有率の式

市場占有率(%)=(自社の売上÷市場規模)×100

これらを計算したら、次にグラフを用いて可視化します。横軸に「市場占有率」、縦軸に「市場成長率」を設けて4つの象限を用意します。それぞれ第1象限が「花形(スター)」第2象限が「問題児」第3象限が「負け犬」第4象限が「金のなる木」に該当します。各事業をそれぞれの項目に分類できたら、結果に応じて最適な投資配分を決めましょう。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの分析方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

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プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントとは、プロジェクトを対象に資産の配当を決めること

プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントとは、全プロジェクトの投資配分を最適化するためのマネジメント手法です。全プロジェクトに投資できる予算や、各戦略を実施する上で必要なコストなどのバランスから、最適な投資配分を見つけます。

また、実施中のプロジェクトだけでなく、予定中のプロジェクトも考慮します。各プロジェクトが将来的に利益を創出できるかを見極めることが重要です。

プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントの分析方法

プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントの分析方法は、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントのように形式が決まっているわけではありません。現在の市場価値や累積利益、市場成長率や競合優位性、人件費や設備費のようなコストなどの評価指標から重要なものを選び、各プロジェクトの立ち位置を分析しましょう

プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントでは分析項目を定式化するのが困難なため、データの管理ツールや分析ツールを用いて効率よくデータを扱いましょう。

ポートフォリオマネジメントを行うときのポイント

投資するもの同士の影響を加味する

ポートフォリオマネジメントで投資配分を決めるときは、事業同士の影響を考慮しましょう。例えば、負け犬の事業でも金のなる木の売り上げに部分的に貢献していることもあります。この場合、負け犬の事業を閉じてしまうと、金のなる木の事業も衰退してしまうリスクを伴います。そのため、負け犬の事業は金のなる木に悪影響を与えない程度の縮小に留める必要があります。

市場動向を常に気にかける

ポートフォリオマネジメントを行う際には、現状だけでなく将来性を考えて判断しなければなりません。市場環境は急激に変化するので、今は知名度の低い事業でも突然市場が成長することもあります。つまり、負け犬の事業でも市場動向によっては、将来的に金のなる木に成長する可能性を秘めたものもあります。

逆に、金のなる木にある事業でも、将来市場が縮小し衰退する可能性もあります。市場動向を長い目で分析するために、ポートフォリオマネジメントを行うときだけでなく、日常的に市場動向を気にかけておきましょう。

試行錯誤の段階のものは引き際を考える

負け犬事業でも、試行錯誤中のものには将来性がある事業もあります。この事業は改善を重ねることで、金のなる木まで成長する可能性があります。しかし、引き際を間違えてしまえば、さらなる損失を出しかねません

そのため、試行錯誤の段階にある事業は引き際を考えることが重要です。事業の売上が伸びない原因が明確であり、具体的な改善策を立てることができる場合や、その改善策を予算内で実行できる場合には、事業継続という決断をしてもよいでしょう。

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