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ホラクラシー型組織とは|メリット・デメリットや移行時のポイントを解説
ホラクラシー型組織とは何かご存知ですか?ホラクラシー型組織は、従来の組織の常識を変える形態として現在注目を集めています。
今回は、ホラクラシー型組織の意味やメリット・デメリットを解説するとともに、ホラクラシー型組織へ移行するときのポイントを紹介します。
目次
ホラクラシー型組織とは、役職や階級がない対等な組織形態のこと
ホラクラシー型組織とは、役職や階級(ヒエラルキー)がなく対等な組織形態のことで、単にホラクラシーと呼ぶ場合もあります。ホラクラシー型組織では意思決定権が各チームや個人に分散され、それぞれのチームが自律して自主経営をしています。2007年にブライアン・J・ロバートソン氏が提唱した概念で、ホラクラシー組織では全社員に裁量権が与えられるため、全員が主体的に行動することが特徴です。
ティール組織との違い
ホラクラシー型組織と似た概念に「ティール組織」という言葉があります。ティール組織とは、組織内にヒエラルキーが存在せず全社員が意思決定を持つ組織形態で、2014年にフレデリック・ラルー氏によって提案されました。
ホラクラシー型組織とティール組織はどちらも階級がなくフラットな組織であるという点で同じですが、全く同じというわけではありません。ティール組織は企業ごとにどのようなルールを導入するかを決められるなど、自由度が高く抽象的な概念ですが、ホラクラシー型組織では必要な役割や給与制度などが既に決まっており明確なモデルが存在します。そのため、ティール組織という概念の中にホラクラシー型組織という一つのモデルがあるという認識です。
ティール組織についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
ホラクラシー型組織のメリット
迅速な意思決定が可能になる
ホラクラシー型組織では意思決定権が各チームや個人に与えられるため、複数回に渡る相談や稟議を通す必要がありません。そのため、迅速な意思決定が可能になります。また、各チームが自主経営をしているため、市場変化などの環境に応じて経営資源を柔軟に配分することもできます。
マネジメント業務の負担が減る
従来のヒエラルキーが存在する組織形態では、課長や部長などの中間管理職が担当する課・部署の多くをマネジメントする必要がありました。マネジメントする内容は各個人のタスクや進捗状況、予算など様々であり、マネジメント業務の負担は非常に大きいものです。
しかし、ホラクラシー型組織では全社員に各自の責任が与えられるため、セルフマネジメントをしなければなりません。また、管理職という概念もないため、他の人をマネジメントする責任がなくなります。そのため、ホラクラシー型組織ではマネジメント業務の負担やストレスが減るという点が特徴です。
社員の主体性とモチベーションが向上する
ホラクラシー型組織では、全社員に大きな裁量権が与えられます。自分で意思決定を行う必要があるため、社員が主体的に行動するようになります。また、仕事に対するやりがいが大きくなるため、やる気のある社員のモチベーションを向上させることもできます。
ホラクラシー型組織のデメリット
トラブル時に個人の負担が増える
従来の組織形態では指示系統が明確にある上にサポートしてくれる上司がいるため、トラブルが生じても誰か1人だけの責任になることは滅多にありません。しかし、ホラクラシー型組織では自分1人で意思決定をして行動するため、トラブルが生じた際にはその人だけの責任となり得ます。経験の浅い社員にとっては、この重圧で十分なパフォーマンスを発揮できない可能性があります。
情報漏洩のリスクが高まる
ホラクラシー型組織では管理職がいないため、チーム内の各社員の行動を把握しにくくなります。また、全社員に機密情報を提供し、情報の管理を一任します。そのため、情報漏洩のリスクが高まることに留意しなければなりません。
社員が順応するのに時間がかかる
従来の明確な指示系統がある組織から、ホラクラシー型組織に移行して意思決定権を与えたとしても、全員がすぐに自分で判断して行動できるわけではありません。また、現在管理職などに就いているような人から、権限を減らすことになるので反感を買う場合もあるでしょう。
そのため、ホラクラシー型組織へ移行する場合には、自社の社員に主体性があるか、これまでの企業文化からかけ離れすぎていないかを確認しましょう。
ホラクラシー型組織へ移行する際のポイント
組織内での行動規則を決める
ホラクラシー型組織へ移行する際にはまず、行動規則を決めましょう。行動規則には、意思決定の際のプロセスや情報を管理するためのルールを明記します。行動規則によって組織の秩序を保つことで、働き方が属人化したり情報が漏洩したりするリスクを軽減できます。
各社員の役割を明確にする
ホラクラシー型組織に階層的な役職はありませんが、各社員の役割は明確にしましょう。社員が自分の役割を把握できていないと、迅速な意思決定ができません。また、チーム内でお互いの役割がわからなければ、社員間で連携をとることができず、チームとしての方向性がバラバラになってしまいます。
仕事に応じた給与を設定する
ホラクラシー型組織では、スキルや勤続年数などではなく、仕事に応じて給与を設定します。つまり、誰が行おうとその仕事をすれば一律の給料が与えられます。それぞれが与えられている業務や、その業務に対する給料を明確にして透明性を高めることで、給与制度に対する社員の不満を取り除きましょう。
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