組織マネジメント

「PDCAはもう古い」?鵜呑みにする前に知っておくべき4つの事実

PDCAなんてもう時代遅れだ」こんなセリフを耳にする機会も多くなってきました。日本のマネジメントの現場では長らくPDCAが用いられており、PDCAを否定する流れに不安感や危機感を覚える方も多いかと思います。

しかし、そこで焦ってPDCAから脱却しようとしたり、あるいは意地になってPDCAに固執してしまうのは早計です。というのも、PDCAが否定されている背景には様々な要因が絡み合っており、一概に「PDCAがだめ!」とは言い切れないのです

今回は、PDCAを否定する前に知っておくべき、ビジネスマネジメントの流行り廃りについての事実を紹介していきます。

PDCAは日本で主流のマネジメント手法

そもそもPDCAとは何でしょうか?
PDCAとは「Plan(計画)、Do(実行)、Check(振り返り)、Action(改善)」というマネジメントの流れを型に落とし込んだもので、これを繰り返すことによって最善の結果を得ることが目的となっています。

PDCAはもともと生産品質管理の現場で、高品質を維持するために生まれた考え方ですが、現代(特に日本)ではビジネスの現場でも頻繁に用いられるフレームワークです。

PDCAについて、詳しくは以下の記事をご覧下さい!
【徹底解説】PDCAとは?机上論ではなく実務に落とし込むためにすべきこと

「PDCAは古い!」と否定する前に知っておくべき4つの事実

さて、そんなPDCAが最近「古い」と批判の的になっていますが、その背景にはさまざまな要因があります。その中でも重要なトピックを4つ取り上げ、その全容を把握していきましょう。

事実1:PDCAが批判されるのはそのサイクルの遅さゆえ

PDCAが批判されている背景として、IT技術の爆発的な発展に伴って世の中がVUCAな状態になったという事、そしてPDCAはそれに対応するにはあまりにも遅いと考えられている事があります。

VUCAとはVolatility(不安定さ)、Uncertainty(不確実さ)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(曖昧さ)の略で、世の中が先の予測のつかない状態になっていることを示しています。一方で、PDCAは基本的には計画を立てることを前提とした考え方であり、先々の予測が不可欠になっています。

こうした背景から、「VUCAな世界においてはPDCAの前提はそもそも成り立たない」あるいは「計画を立てたとしても、その立案にかかる時間やコストが大きすぎる」と言われるようになっています。

事実2:PDCAに取って代わると言われている手法には「OODA」「CAPD」「PDR」などがある

動きの鈍さによって批判されているPDCAですが、それに対抗するように新しいマネジメント手法がいくつも登場しています。ここではその中でも代表的な3つのフレームワークをご紹介します。

■「OODA(ウーダ)ループ」

OODAとはObserve(観察する)、Orient(仮説立案と方向づけ)、Decide(意思決定)、Act(行動)の4段階でマネジメントを行うためのフレームワークです。PDCAと比較すると、計画を必要とせず、現状の認識にリソースを割いているため、変化が激しい現代においても高速でサイクルを回すことが出来るとされています。

OODAループに関しては以下の記事をご覧ください。
OODAとは?業務改善でのPDCAとの使い分け方を解説

■「CAPDサイクル」

CAPDサイクルとは、PDCAのスタート地点を計画ではなく振り返り(Check)から始めるようにしたフレームワークです。計画を前提とせず、とりあえず振り返りをして改善を行うことから始まるので、PDCAよりも効率的にサイクルが回せるとされています。

■「PDR」

PDRとはPrep(準備)、Do(実行)、Review(見直し)を繰り返すことでマネジメントを行うというフレームワークです。これもOODAと同様に、詳細な計画を必要とせず、「とにかくやってみる」という事を重視している手法です。そのため、PDCAと比較すると高速でマネジメントサイクルを回せるようになっています。

事実3:マネジメント手法には「生まれた背景」が存在する

さて、PDCAの代わりとなる手法をいくつかご紹介しましたが、これらの手法にもPDCAと同様、そのやり方が生まれた背景が存在しています。

例えばOODAループは元々は戦場で素早い意思決定を行うために生まれたものですから、当然サイクルにスピード感はあります。一方で大きな組織だとこれでは対応できないというデメリットも存在しています。また、PDRやCAPDはそもそも「PDCAへのアンチテーゼ」として誕生したという背景があり、PDCAと価値観を共有するものではありません。

このように、そもそもPDCAと他のフレームワークは異なった目的のもとに生まれているのです

事実4:どの手法も本質は共通しており、使い分けが問題

ここまでPDCAとその代替となるフレームワークの違いを見てきましたが、全てに共通しているポイントが1つあります。それは、全てが「実行と改善」を繰り返すことによってマネジメントを行おうとする手法だということです

違いはただ「準備段階にどれだけの労力を掛けているのか」という点のみで、さらに言えば「労力を掛けないこと」が常に理想的な状態であるとは限りません。結局は目的に応じた使い分け方の問題なのです

フレームワーク頼りのマネジメントになってませんか?

PDCAをはじめ、ビジネス手法には流行り廃りがあります。必ずしもただの一過性のものだと切り捨てることは出来ないのですが、やはり現場ごとに状況が大きく違うため、一概に流行りが正義だとは言えません。

「フレームワークを使えば良い」というスタンスだと、流行りに流されやすく、最善の手段を見逃してしまうかもしれませんから、意識の転換が必要です。

自社にとって最適なマネジメント方法を選ぶことが重要

あなたの仕事に要求されるマネジメントとは何でしょうか?どの程度のスピード感が必要ですか?どの程度の精緻さが求められていますか?

仮にスピード感が必要な現場でOODAループを使っても、仮説立案と方向付けに大きなリソースを割けば実質的にPDCAと変わりません。フレームワークばかりに目を向けるのではなく、求められる速さとクオリティのバランスから最適な改善サイクルをデザインすることが必要ではないでしょうか?

まとめ

いかがでしたか?

決してPDCAが過去の遺物ではないこと、必要に応じてビジネスのサイクルを組み立てていくことが必要なことが理解できたのではないでしょうか。

常に最適解を求める姿勢を身に着け、バランスの取れたマネジメントを目指しましょう!

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