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飛び込み営業は怖くない!必要な心構えとアポ獲得のコツを紹介
飛び込み営業は最もシンプルで代表的な営業方法ですが、他の手法に比べて地道な活動が求められることから、敬遠されがちです。しかし、飛び込み営業には、他にはない独自の強みがあります。
今回は、飛び込み営業に向かう営業パーソンが備えるべき心構えと、アポイント獲得のためのコツを紹介します。
飛び込み営業とは、事前にアポイントを取らずに直接顧客を訪問する営業手法
飛び込み営業とは、事前にアポイントを取らずに直接顧客を訪問し、商品やサービスを売り込む営業手法のことを指します。主に法人営業の分野で用いられ、新規開拓や潜在顧客の掘り起こしに効果的とされています。
飛び込み営業のメリットとデメリット
飛び込み営業は、直接顧客と対面することで信頼関係を築きやすく、その場で商談を進められる可能性があるなど、他の営業手法にはない強みがあります。また、新規顧客の開拓に効果的であり、営業スキルの向上にもつながります。
一方で、アポイントなしで訪問するため、タイミングが合わない場合もあり、営業担当者の心理的負担も大きくなります。加えて、移動や待ち時間によるロスが発生したり、法的規制に抵触するリスクもあったりと、課題も存在します。
飛び込み営業を効果的に活用するためには、これらのメリットとデメリットを十分に理解した上で、自社の営業戦略に合わせて取り入れることが重要です。
飛び込み営業に向いている人の特徴
飛び込み営業に向いている人には、以下のような特徴があります。
- 積極性とコミュニケーション能力が高い
- 物怖じしない度胸と行動力がある
- 柔軟な対応力と素早い状況判断力がある
- 常に学ぼうとする向上心と謙虚さを備えている
飛び込み営業は、単なる売り込みではなく、顧客との信頼関係を築く難しい仕事です。上記のような資質を持ち、それを伸ばそうとする意欲がある人ほど、飛び込み営業に向いているでしょう。
飛び込み営業を成功に導く心構え
飛び込み営業で成果を上げるためには、正しい心構えを持つことが重要です。この心構えを忘れずに、日々の営業活動に取り組んでいきましょう。
量を重視する
飛び込み営業では、訪問数が成果に直結します。アポイントなしで訪問するため断られる確率も高くなりますが、訪問数を増やすことで、商談の機会も増えていきます。そのため、1日の訪問目標数を設定し、コツコツと実行しましょう。
初めのうちは質よりも量を重視し、経験を積むことに専念することが大切です。訪問数をこなすことで、自然と営業スキルも向上していきます。
断られることを前提とする
飛び込み営業では、断られることが当たり前だと認識しておく必要があります。トップの営業パーソンでも、全ての訪問で成約できるわけではありません。断られても落ち込まず、前向きに次の訪問に臨む姿勢が重要です。
また、断られた原因を分析し、アプローチ方法の改善につなげるようにしましょう。失敗を恐れずチャレンジし続ける心構えが、成果への近道となります。
顧客視点に立つ
飛び込み営業では、自社の商品やサービスの魅力を一方的に伝えるのではなく、顧客視点に立って提案することが求められます。訪問前に顧客のニーズや課題を想定し、それを解決するための提案を準備しておきましょう。
訪問中は顧客の話に耳を傾け、ニーズを的確に把握することが大切です。顧客に寄り添う姿勢があれば、信頼関係の構築もスムーズに進みます。
訪問前にすべきこと
飛び込み営業では、訪問前の準備が非常に重要です。入念な準備があるかないかで、訪問の成果が大きく変わってきます。
トークスクリプトを作成してロールプレイを行う
トークスクリプトは、訪問時の会話の流れを事前に想定した台本のようなものです。商品やサービスの特徴、想定される質問や反論への回答などを盛り込んだトークスクリプトを作成しておくことで、スムーズな商談が可能になります。作成の際には、顧客視点に立って、わかりやすく説得力のある内容にまとめましょう。
また、トークスクリプトを暗記するだけでなく、ロールプレイを通じて実践的なトークの練習を積むことが重要なポイントです。同僚や上司に協力してもらい、様々なパターンを想定したロールプレイを繰り返し行うことで、臨機応変な対応力を身につけ、自信を持って商談に臨めるようにしましょう。
事前のリサーチを入念に行う
飛び込み営業では、訪問先の顧客について事前に情報を収集し、理解を深めておくことが重要です。顧客の業界の動向、経営状況、課題などを把握しておくことで、訪問時に的確な提案ができるようになります。
リサーチ方法としては、顧客のWebサイトやニュースリリース、業界紙などを確認するのが効果的です。また、同業他社の訪問状況や評判なども参考にすると良いでしょう。
収集した情報は、整理・分析した上で営業トークに活かしましょう。顧客の状況に合わせた提案ができれば、信頼関係の構築もスムーズに進みます。
加えて、商談以外の雑談ネタを準備しておくのもおすすめです。訪問先の地域の話題や時事ネタなど、相手に合わせた会話ネタを用意しておくことで、自然な会話の流れを作ることができます。ただし、宗教や政治など、デリケートな話題は避けるよう注意しましょう。
身だしなみや忘れ物のチェックを怠らない
飛び込み営業では、第一印象が非常に重要です。身だしなみに気を配り、常に好感を持たれるように心がける必要があります。
服装は清潔感があり、TPOに合ったものを選びましょう。髪型や爪、男性は髭などもきちんと整えておくことが求められます。また、名刺やカタログ、商品サンプルなども忘れずに多めに用意しておきましょう。
訪問時のポイント
適切なタイミングを狙う
飛び込み営業で成果を上げるには、訪問のタイミングが大切です。営業先の業種や職種によって、最適な訪問時間帯は異なります。事前のリサーチを活かして、顧客が対応しやすい時間を見極めましょう。
一般的には、昼休みの前後や営業時間の終わり間際は避けるのが賢明です。顧客の都合を考えて、適切なタイミングを狙うことが成功への第一歩となります。
関係構築を最優先する
飛び込み営業では、いきなり商品やサービスの売り込みを始めるのは得策ではありません。まずは顧客との関係構築を最優先に考えることが大切です。顧客の話に耳を傾け、ニーズや課題を探ることに注力しましょう。
親身になって相談に乗り、顧客に特別な存在として認識してもらえるよう心がけましょう。信頼関係が築けてこそ、商談も前進するものです。
礼儀と対話力で信頼を生む
訪問中の言葉遣いや態度は、顧客との信頼関係に直結します。基本的な礼儀を忘れずに、丁寧な挨拶と適切な敬語の使用を心がけましょう。
また、落ち着いた口調で会話をすることも重要です。顧客の話に耳を傾け、的確な質問や提案ができるよう、日頃から対話力を磨いておきましょう。礼儀正しさと高い対話力があれば、顧客からの信頼を勝ち取ることができます。
十分な訪問数と粘り強さを忘れない
飛び込み営業では、数をこなすことが成果につながります。アポイントを取っていない分、断られる確率も高くなりますが、めげずに取り組む姿勢が大切です。
ただし、しつこい売り込みにならないよう、バランス感覚も必要です。適度な訪問数と粘り強さを持って、着実に営業活動を積み重ねていきましょう。
情報収集を怠らない
訪問中は、顧客の情報収集を怠らないようにしましょう。会社の規模や業績、競合他社の利用状況など、営業に役立つ情報を積極的に集めることが重要です。
また、雑談の中から顧客の趣味や関心事を聞き出すことも、関係構築に役立ちます。収集した情報は次回の訪問に活かせるよう、しっかりと整理しておきましょう。
次のアクションにつなげる
訪問の最後には、次のアクションを具体的に設定しておくことが重要です。次回訪問の日程調整や資料送付の約束など、顧客との接点を継続するための計画を立てましょう。
訪問後にすべきこと
当日中のお礼と報告を行う
飛び込み営業では、訪問後のフォローがとても重要です。訪問が終わったら、できれば当日中にお礼の連絡を入れましょう。電話やメール、手紙など、顧客の好みに合わせた方法で連絡を取ることが大切です。連絡の前には、訪問時のやり取りを振り返り、顧客の反応や要望を丁寧に確認しましょう。
また、訪問結果は、上司や同僚にもしっかりと報告しましょう。商談内容や顧客の情報を共有することで、チームとしての営業力を高めることができます。
自己分析と改善を行う
訪問後は、自分自身の営業活動を振り返り、分析することが大切です。商談の中でうまくいった点や反省点を洗い出し、改善策を考えて次回の訪問に活かしましょう。
また、自己分析の際には、客観的な視点を持つことが重要です。自分の強みと弱みを正しく認識し、弱みを克服するための行動計画を立てましょう。同僚や上司からのアドバイスを積極的に求め、営業スキルの向上に努めることも大切です。
顧客管理をしっかり行う
飛び込み営業では、多くの顧客を管理する必要があります。顧客情報を適切に管理し、的確なフォローを行うことが、関係性の構築には欠かせません。
顧客管理を効果的に行うためには、顧客管理システムの活用がおすすめです。営業支援ツールやCRMシステムを導入することで、顧客情報の一元管理が可能になります。訪問履歴や商談内容、顧客の反応などを記録し、いつでも確認できる環境を整えましょう。
飛び込み営業でのアポイント獲得のコツ5選
飛び込み営業のための心構えやコツをいくつか解説しましたが、当然、精神論ではアポイントは取れません。アポイント獲得のためにはテクニック面でのコツも必要です。ここでは、その中でも重要なものを5つ紹介します。
まずは「話を聞いてくれそうな会社」にアタックして成功率を上げる
先程述べたように、飛び込み営業に対してはオープンに受け入れてくれる会社から全く受け入れる気のない会社まで様々にあります。まずは、「話を聞いてくれそうな会社」を見つけるための仮説を立て、その仮説に従ってアプローチをかけて検証していくことをおすすめします。
例えば、ゆったりとした仕事をしている会社の方が話を聞いてもらいやすいです。明らかにあたふたと人が出入りしていたり、あるいは夜すぐに電気が消えたりするような会社はキビキビとした人が多く、話を聞いてもらいにくいと考えられます。このような形で、営業先が聞いてくれやすい会社かどうかをある程度推定できます。
このテクニックのメリットは2つあります。1つ目は、仮説検証を繰り返すことで自分の中で飛び込み営業の「勝ちパターン」が成立してくるため、営業をかければかけるほど成約率が上がるというメリットです。そして2つ目は、それに伴って飛び込み営業に対する自信をつけられるということです。
よくトップセールスが「月〇百件飛び込みをかけている」などという話を聞くことがあると思いますが、自信も勝ち方もない状態で数をがむしゃらに増やすと心が折れてしまいかねません。まずは質を重視していきましょう。
担当者の名前と資料で受付を突破する
新規顧客になる可能性を秘めた会社であっても、受付で担当者につないでもらえなければスタートラインに立つことすらできません。まずは受付の関門を突破しましょう。
最低限必要な情報は「担当者の名前」です。調べ方は様々ですが、直接的に調べる方法としては「電話」が挙げられます。あえて電話口で担当者の名前を間違え、「うちの担当者は〇〇なのですが」という応答を得ます。切る際はリストを読み間違えたことにしておけば大丈夫です。
また、実際に会社に出向く際には資料を用意して、担当者宛に資料を届けに行くという名目で訪問しましょう。仮に資料だけ受け取られそうになったら、短時間での面会を申し入れ、できる限り面識を得るように心がけましょう。面識を得ることで、次回以降の訪問につなげやすくなります。
担当者の関心を推測して話を寄せる
営業先の担当者が怖く見えてしまうのは、相手が自分を警戒しているからです。警戒が解けていない状態で売り込みをかけてもアポイント獲得にはつながりません。まずは警戒を解くことに終始しましょう。そのためには、いきなり仕事の話に入るのではなく、純粋に相手が関心を寄せていそうな話をするのが得策です。
様々なパターンがありますが、定番どころは地元の話や家族の話、趣味の話です。相手をしっかりリサーチした上で、関心がありそうな話を推測して警戒を解いていきましょう。
複数回の訪問で少しずつ距離を縮めていく
飛び込み営業が1回の訪問で上手くいくことはそうそうありません。大方、資料を渡して面識を得るぐらいが関の山ではないかと思います。重要なのはここで「失敗だった」と思うのではなく、「とりあえず面識は得られたし、次もまた距離を縮めに行こう」と考えることです。
前述のように、飛び込み営業ではまず相手の警戒を解くことを意識しなければいけません。人間関係でも2回、3回と話を重ねて仲良くなっていくように、飛び込みでも回数を重ねてアポイントに近づいていくのが定石です。
おそらくこれが一番心理的なハードルの高い行動ですが、めげずに頑張りましょう。
最初の5分の壁を越えにいく
あなたにとって「5分」とはどのくらいの長さでしょうか?おそらく興味のないことをしている、あるいは何もしていない状態であればかなり長いのではないでしょうか。一方で好きなことや面白いことをしていれば、5分はあっという間に過ぎていきます。
これは担当者にとっても同じです。5分ちゃんと会話を続けることができれば、相手はそこそこに自分や自社の製品に興味を持っているということです。まずはここを目安にして、相手の懐に入っていくことを目指しましょう。
最後に、新規顧客獲得の際には、ぜひ弊社が提供する営業リスト作成ツール「Musubu」もご活用ください。
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監修 | |
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Baseconnect株式会社 マーケティングチーム マネージャー 河村 和紀(かわむら かずき) 大手人材紹介会社に新卒入社。その後、Webメディア「ferret」を運営する株式会社ベーシックに入社。営業、営業企画、イベントマーケを経て、マーケティングマネージャーに就任。 主な寄稿実績『マーケター1年目の教科書』、『MarkeZine(マーケジン) vol.66』 |