マネジメントに携わる方であればご存知であろう「マネジメントサイクル」。長きに渡って「マネジメントサイクル=PDCAサイクル」とされてきましたが、最近ではその構図が崩れていることをご存知ですか?この10年でビジネスの環境は大きく変わっており、それに伴って新たなマネジメントサイクルが導入されているのです。
今回は、マネジメントサイクルの基本と、PDCAに取って代わるかもしれない3つの最新マネジメントサイクルをご紹介します。
目次
マネジメントサイクルとは、マネジメントの役割をフレームワークに落とし込んだもの
マネジメントサイクルとは、「計画と実行、改善を繰り返して組織を目標に向かって機能させる」というマネジメントの役割を、ある程度一般化されたフレームワークに落とし込んだものです。
現代では様々なマネジメントサイクルが考案されていますが、いずれも「実行と改善を繰り返す」という本質的な部分は共通しています。
マネジメントサイクルの代表「PDCAサイクル」
日本でマネジメントサイクルといえば、少し前まではPDCAサイクルのことを指していました。
PDCAサイクルとは、実行と改善のプロセスを「Plan(計画)、Do(実行)、Check(振り返り)、Action(改善)」の4段階に落とし込み、それを繰り返し実行するフレームワークです。
もともとは生産品質管理の現場で生まれた品質維持のためのマネジメントサイクルであるため、変化が少なく、定常的な管理が求められる現場に適合します。一方、現代では多くのビジネスの現場で外部環境が激しく変化しており、PDCAサイクルでは対応しきれない部分が出てくるようになってきています。
PDCAサイクルについて、詳しくはこちらをご覧ください。
PDCAだけじゃない、最新のマネジメントサイクル
PDCAサイクルは大きな知名度を誇りながら、多くの現場で段々とその限界を迎えつつあります。そのような状況で現在、PDCAの欠点を補った様々なマネジメントサイクルが登場してきています。
今回はその中から重要なものを3つ取り上げてご紹介します。
OODAループ
OODAループとは、アメリカ空軍の戦術家であるジョン・ボイド氏が開発した意思決定のためのフレームワークです。OODAは「Observe(観察)、Orient(方向づけ)、Decide(意思決定)、Act(行動)」の4段階で構成されています。OODAループは計画の段階がなく、観察に重きが置かれているのが特徴です。
この特徴から、OODAは不確実で計画の立てにくい現代において適合しやすいマネジメントサイクルだと言われています。一方で、計画段階がないため、失敗が許されない現場や緻密な計画が必要とされる現場には不向きであると言えます。
OODAループに関して、詳しくはこちらをご覧ください。
CAPDサイクル
CAPDサイクルとは、PDCAサイクルをCheck(振り返り)の段階から始めるように組み替えたマネジメントサイクルです。
「順番を変えて繰り返すのであればPDCAと同じでは?」と思われがちですが、「まずはやってみる」ということを重視した構造になっているため、PDCAよりは変化への適応力の高いマネジメントサイクルになっています。
一方で、OODAループに比べると計画段階が必要な分、動きの遅いサイクルではあります。総合的に見れば、スピード感と丁寧さのバランスを重視したマネジメントサイクルだといえます。
PDRサイクル
PDRサイクルとは、Prep(準備)、Do(実行)、Review(見直し)の3段階で表現されたマネジメントサイクルです。これも上記2つのマネジメントサイクルと同様、計画の段階がなく、実行を中心に据えたものになっています。
また、OODAループよりもさらに実行の前段階を簡略化しているため、今回紹介したものの中では最もスピード感に振り切ったサイクルと言えます。もちろんその分、丁寧さや精緻さは犠牲になってしまうため、失敗の許されないようなシビアな現場には不向きでしょう。
ひと目で分かるマネジメントサイクル一覧表
今回ご紹介したマネジメントサイクルとその特徴を、ひと目でわかるようにグラフにまとめました。これを参考に、貴社のマネジメントにはどのマネジメントサイクルが合うかを考えてみて下さい。
いかがでしたか?
PDCAに代表されるマネジメントサイクルですが、PDCA以外にもOODAなど様々な手法が存在していることがわかったのではないでしょうか。
当サイト「musubuライブラリ」では他にもマネジメントサイクルに関する記事を複数公開していますので、そちらも参考にして、最適なマネジメント手法を決定していきましょう。
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